海外での防災知識と旅行で持っていくべき非常食リスト

海外旅行へ出かける方も多くいらっしゃいますが、旅行はある意味災害時と似ています。普段とは異なる環境で多くの体験をしながら、日常生活に戻る時間を過ごしていきます。様々な状況に対応するために何を準備すべきでしょうか。非常食を中心に達人たちのアドバイスをご紹介していきます。






1)災害対応にSNSを活用することは世界の常識です

日本国内で地震などの大きな災害などで、SNSが双方向に発信できるツールとして活用されていることは周知の事実ですが、海外では随分以前から活用されていました。

【1】SNSを活用する取り組みは草の根から始まった

2007年、ケニアで選挙の不正疑惑に端を発した暴動の状況把握のため、草の根的に始まったSNSの活用は、世界中の多くのエンジニアの手によって改良が加えられ、2010年のハイチ地震で災害時の情報サイトとして、国際連合の緊急対応チームとも連携するなど救助・救援活動に役立つサービスとして世界的に注目され、認識されました。

2011年2月のクライストチャーチ(ニュージーランド)の地震では、「クライストチャーチ・リカバリー・マップ」というサイトが世界中のボランティアによって地震発生から1時間後に暫定的なものが立ち上げられ、6時間後には本格的に運営されました。このサイトは、政府機関はもとより、NPO、企業、一般の人からの情報を集約し、地図上に水、食料、医療サービス、通信状況などを示し、行政機関からの告知や主要メディアのニュースも閲覧できるようになっていました。

2011年3月の東日本大震災でもSNSを活用したサイトが、発災後7時間で立ち上げられ、被災地の状況や安否情報などを掲載したサービスには、すぐに世界130か国からアクセスがありました。ただ、日本では言葉の壁などがあり、ニュージーランドのような国際連携までには至りませんでした。

【2】欧米各国の政府は災害時にSNSを積極的に利用している

(1)ヨーロッパ

ヨーロッパの国々は異常気象による大雨が原因の洪水に対して、SNSを利用しています。発生の頻度は少ないのですが、国境を越えて流れる川はヨーロッパ各地に深刻な被害をもたらします。被害の拡大を防ぐためには、早期の段階から国を越えた情報共有が不可欠なので、EUは2004年から危機管理のための情報共有基盤づくりを進めてきました。

実際に洪水が発生した時に、SNSで洪水情報を得ていた人も多く、シェアされより多くの人に情報が伝わっていました。しかし日本と同様、停電や通信環境の悪化など災害時のライフラインが影響を受けた時や、災害弱者である高齢者の多くがSNSを利用しないなどの問題点も指摘されています。

(1)米国

アメリカでは防災関連情報を民間も含めて活用されることを前提に政府のデータが公開され、多くのシステムが共存できるように、相互運用性を高めることを目指しています。

2012年10月、アメリカをハリケーンサンディが襲いました。この時SNSは「必要な情報を必要な人に届けるための手段」と「被災地からの情報収集」として活用されました。FEMA(連邦緊急事態管理庁)のツイッターアカウントおよびフェイスブックのフォロワーが災害時には被災地で急増しました。そして、担当官がツイッターで流れている情報から、今起きていることをチェックし、ピンポイントでアドバイスを送りました。また、危険が迫っている情報を見つけるとその地域の防災関係者に伝達することもあったそうです。

多くのメディアはハリケーンサンディに独自の特色を生かして、情報を提供しましたが、特筆すべきはグーグルです。グーグルの災害対応(グーグル・クライシス)は2005年のハリケーンカトリーナの際に本格的に始まり、2011年の東日本大震災やタイの大洪水など世界各地の災害で活用されています。

ハリケーンサンディの際は災害情報用のグーグルマップ(グーグル・クライシス・マップ)が立ち上げられ、気象情報や、政府からの警報・注意報も検索画面に掲示され、アメリカ赤十字社やニューヨーク市が設置した避難所の場所や避難所までのルート、停電などのライフライン状況、政府の復旧支援センター、ガソリンスタンドの営業情報など追加されていきました。まさに、政府との相互運用が実行されました。

一方2013年5月のオクラホマのトルネードでは、暴風情報センターが地元ムーア市に接近を知らせたのは16分前でした。理由は間違った情報の拡散を防ぐためでした。地元メディアの放送局とSNSを駆使し、地元住民に伝えましたが、本当に接近を知ったのは従来の仕組みであるサイレンだった人がほとんどだったそうです。

また、この災害での特徴は、SNSにアップされた救援要請は、多くが誤報で救助する側にとっては、混乱の一因であったといいます。救助する側から見ると、被害が少なかったのは日頃の避難訓練と竜巻時の対応(窓から離れる、クローゼットやバスルームのバスタブに隠れるなど)を教えられていること、地域のコミュニティが役立ったとしています。

(3)SNSは賛否両論

このように、SNSは多くの人の手を借りながら、多くの人を助けていますが、同時に間違った情報も瞬時に広がり、混乱を拡大させています。今後は、国際連合や各国政府が民間と共同しながら、災害時の防災情報の収集と提供の仕組みを考えていく必要があります。

そして、日本は言葉の壁がありますが、海外の防災専門家からは、東日本大震災の時の「現場の災害対応能力の高さ」に対する高い評価と「政府内の縦割りの弊害と専門家の不足」及び「省庁間、中央と地方行政との情報共有ができていない点」が特に改善すべきとの指摘もあります。

日本ではSNSと多くのメディアが双方向の情報を提供する方策を模索していく中で、行政や地域住民、ボランティアがかかわって、日本の防災文化を活かしながら災害時の取組みを構築していく時期に来ています。

外国人と話す女性

2)言葉の壁を越えて

【1】多言語対応

日本国内の災害に目を転じると、多くの外国人の方が、「言葉の壁」と「災害時の常識」に苦労しておられます。日本で生活しておられる方も旅行でたまたま被災された方も、各国大使館の支援によって、困難な状況を乗り越えられた方が多くおられます。災害に関する情報が日本語ばかりで理解できなかったことや、「地震の時には机の下に入る」など日本人であれば、幼いころから避難訓練などで教えられ、頭で考えるより勝手に体が動くことすら「知らないこと」でした。

東日本大震災を受けて、多くの自治体がサイトの表記を多言語対応にしています。また、消防や救急など人命にかかわる業務はいち早く多言語対応できるように、ITを取り入れタブレット端末を利用しています。そんな中で、自治体によってはサイト内の災害対応に関する内容に「災害に関する情報でよく使用される日本語の翻訳」が明示してあるものがあります。

災害に関する情報は日本語で発信されるので、大切な単語は覚えて欲しいという思いから対応表が作られています。例えば「地震」「津波」「大雨」「洪水」「警報」「避難場所」「避難指示」などです。テレビや自治体の緊急放送で、この言葉が聞こえたら行動を起こすよう求めています。

【2】海外では我が身

では、日本人が海外旅行へ出かけるときはどうでしょうか。国内とは逆の立場になります。もちろん現地の言葉を完璧に理解し、その場所で多発する災害とその対応を熟知し、最善の行動ができる方もおられると思います。そのどれかができる方や、どの行動もできない方もおられるのではないでしょうか。日本国内で言葉を理解できない方に求められているものを今度は、海外に出掛ける準備として持って行く必要があります。

現に、防災の専門家によっては、海外に出掛ける時は現地の気象や災害に関する情報は事前に入手する必要を求められ、「自己責任」の範疇に入ると強調される方もあります。日本国内で「言葉の壁」によって苦労される立場を、海外では我が身と自覚して、災害時に必要な単語や文章、情報の入手方法などもぜひご準備ください。

考える女性

3)どうして海外旅行に非常食を持って行くべきなの?

最初にお話をしましたが、旅行は非日常体験です。楽しいはずのものですが、時として想定外も発生します。日本国内であればなんとかなることでも、海外ではどうにもならないこともあります。旅の達人に言わせると、体調不良に備えることが最も大切だと口を揃えます。そして、どうしても現地の食事が口に合わない場合も考慮する必要があると教えてくれます。そんな時に、食料を持参してよかったと思うのだそうです。

では、持参する食料はどんなものが良いのでしょうか。

・かさばらない(重くない、場所をとらない)
・調理が簡単、食べやすい
・常温保存、保存期間が比較的長い
・美味しい日本食

達人の意見の共通点はこのようなものです。この特徴を兼ね備えているのが、非常食です。ですから、海外に持参する食料は非常食ということになるのです。また、余った時に持ち帰らず、現地の方や現地在住の日本人の方におみやげとして渡すと、大変喜ばれるそうです。

4)旅行に持って行くべき非常食リスト

このリストは海外旅行の達人たちがおすすめとして紹介しているものの中から、厳選しました。

【1】フリーズドライみそ汁

達人たちが最も多く挙げている日本食です。特におすすめはアマノフーズのものです。具が多いこととバラエティーが豊かなことです。インスタント味噌汁の生みそタイプは液体扱いになるので、機内持ち込みではなくスーツケースに入れます。また、この時ジッパーバッグなどに入れてもしもに備える重要性を強調されています。

【2】アルファ米

やっぱりご飯がほしくなる時に備えて、持参するなら尾西食品です。スプーン入りで、水でも調理可能なので、移動中の食事としても推しメンです。ただし逆算して、早めの調理が大切です。そして、様々な味を準備することを薦めておられます。おにぎりタイプも人気です。

【3】フリーズドライにゅうめん・ぞうすい、レトルトおかゆ

こちらはお子さん連れの方や高齢の方にオススメでした。どうしても現地の食事が口に合わなかった時や、体調不良の時の食事です。旅行先ではお腹の調子が悪くなることも多く、そんな時に少しでも食べられるように準備される方もありました。フリーズドライの簡便性と汁と一緒に温かい麺やご飯が食べられることが、「もしもフーズ」として隙間に入れておきたくなるのだそうです。保険以上の安心感と表現される方もおられます。

【4】カップ麺

不動の人気を誇るインスタント食品です。器が要らないこともポイントとして大きいそうです。海外でも売っているのですが、見たこともないような値段の場合もあるそうで、持参する方が間違いないと評価されています。

【5】ポカリスエットパウダータイプ

体調不良のために、持参するものとして必ずポカリスエットが出てきます。日本茶を挙げられた方もおられましたが、あくまでも飲みたいから。ところがポカリスエットは下痢の時や発熱時に水分補給として、脱水症状を回避するためのものとして持参する方が多いそうです。ミネラルウォーターのペットボトルに直接入れて作るためにもパウダータイプが良いそうです。

【6】カロリーメイト

携帯食の代表カロリーメイトです。小腹の空いたときに、重宝するそうです。食べ慣れていることも理由にありました。この他、同じようにすぐに食べられる類似の商品名を推しておられる方もあります。

【7】梅干・ふりかけ・お茶漬けのもと・アメ

高齢の方は、海外旅行には必須アイテムだそうです。梅干しは胃腸を整える働きがあるとか、毎日食べているからとか、暑い地域での塩分補給として挙がっていました。ご飯のお供としても優等生ですし、ふりかけやお茶漬けのもとは、簡単な自炊をすることがあれば、パスタに絡めて和風パスタに便利だそうです。

アメは物売りの子どもたちに渡すと、効果ありという意見もありました。

カップラーメン

5)旅行に持って行く非常食のためのグッズってなに?

こうして、非常食のリストを見ていると必要なものが見えてきます。お湯を沸かすために「湯沸かしポット」を持参する達人もいました。必ずあるとは限らないもので、持って行くべきオススメなのだそうです。行く先にもよると思いますが、参考にしてください。

同時に必要なものとして、「使い捨て食器・カトラリー(スプーン、フォーク、ナイフ)」も欠かせないものです。フリーズドライ食品は食器が必要ですし、カトラリーがないと食べられません。そして、「ジッパーバッグ」。水漏れ防止だけではなく、大切なものを分けて入れるとか、ぬらしたくないものを入れるとか、用途は様々です。大きさもいろいろあると便利です。

6)海外旅行に欠かせないものと防災って似てる

達人たちの旅の準備は必要最小限が鉄則です。その中で欠かせないものは、以下の通りです。

・パスポート
・パスポートのコピーと証明写真2枚
・チケット
・海外旅行保険の証書
・現金・クレジットカード
・メモ帳(大使館・旅行会社など緊急連絡先、フライトスケジュール、宿泊先リスト)

大使館と聞いて驚かれるかもしれませんが、パスポートの紛失とリンクさせて考えてください。そして、大使館は海外における緊急連絡先であるということを認識してください。

必要最小限をもって、非常食を準備する。まさに防災と同じです。そして、パスポートの紛失に備えてコピーを準備したり、大使館の連絡先を控えたりと益々BCP(事業継続計画)と重なります。非常事態に備えて、持ち物や食料を準備し、旅行という業務を継続するために必要な情報も欠かさない。

どうしても、旅行というと準備は極端に分かれます。最小限の荷物で現地調達を旨とする方、持ちきれないほどの荷物を持って使うことなく結局また持って帰る方。防災も同じです。しかしどちらが良いと言い切れないのも防災です。現地調達が不可能な場合もありますし、防災グッズを必ず取り出せる保証もありません。でも言えることは「備えあれば患いなし。」準備なくして、できることは何一つありません。いつも防災意識をもって、自分にできることをできる範囲でやっていきましょう。






この記事のポイント

【1】海外では災害時にSNSを活用して、現場以外の人も被災地を支援しています。

【2】「言葉の壁」が災害弱者を作るので、お互いに一歩踏み出していきましょう。

【3】海外旅行へ出かける際、非常食はとても役立つアイテムです。

【4】もしもに備えることで、海外旅行の準備する内容は異なってきます。

【5】海外旅行の準備は防災と似ています。達人たちの極意を防災に活用しましょう。

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