防災に備えて会社ができる準備リスト!緊急時の3つの行動基準

会社にいる時に防災が発生した?そんな時はどうしたら良いでしょう。オフィスにいる時に会社での過ごし方、また防災に備えてできる企業の事前準備。災害・防災に関わる「もしも」の時の備えをご紹介します。






1)帰宅困難ってどんな状況?

【1】帰宅困難者の定義とは?

(1)自宅まで20km以上離れている

帰宅困難者とは、大災害発生時、自宅まで20km以上離れており、公共交通機関が停止して自宅への帰還が困難になった者を指します。一般的に、10km以内であれば徒歩可能とされます。江戸時代には、女性でも一日30km(約8里)は歩いたと言われますが、現代人には10kmが限界なのでしょう。

災害時には道路の状態も通常とは異なりますから、その辺の事情も加味されたと考えられます。10km~20kmは、個人の運動能力によって判断されるとされています。20km以上になると、徒歩による帰宅は困難と認定されます

首都直下地震帰宅困難者等対策協議会(中央防災会議設置)策定のガイドラインでは、「帰宅困難者が一斉に徒歩による帰宅を開始すると、応急活動に支障をきたすため、災害時には一斉帰宅抑制対策を行い帰宅しない。企業は三日分の備蓄を行う。」と呼びかけています。

(2)災害に備えて家族でのルールを

上記のように、公的機関は救助活動の妨げにならない行動を推奨しています。そのため、大多数が一斉に帰宅しないよう要請していますが、2011年の東北大震災や2018年6月の大阪北部地震の時には、多数の帰宅困難者が街にあふれました。

どうしても家族の安否を確認したいという理由で帰宅を選択する人が多くいました。帰宅を抑制するためには、普段から災害時にどのように連絡を取り合うのか、家族でシミュレーションをしておく必要があります。

大阪北部地震から1ケ月たって、当日の人々の行動の検証が行われました。「ターミナルにあふれた人々に正しい情報を提供できれば、人々は落ちついて行動できたかもしれない。」「帰宅を選択しなかったかもしれない」という意見も出ました。

一斉帰宅を抑制するためにも、広場の大型ビジョンなどを利用して、携帯の充電できる場所や、利用可能なトイレ、訪日外国人に対応する語学ボランティアの提供場所などの情報を発信できる対策が必要であることが解りました。

【2】帰宅すべき?会社に留まるべきか?

(1)ステップ1:帰宅すべきかどうかの判断

消防庁によれば、遠距離を無理に帰宅しようとすると、却って二次災害に巻き込まれる恐れがあるとのことです。 駅などには人が押し寄せてパニックが発生し危険です。道路状態も悪く渋滞し、人々の心理状態も通常ではありません。職場が、安全であると確認できて、家族の安否が確認できたら、無理に帰宅する必要はありません。

(2)ステップ2:それでも帰宅すると判断した場合

会社から支給される非常用持ち出し袋を持って帰りましょう。様々な災害用グッズが入っているので便利です。帰宅ルートの安全と交通機関の回復についてできる限り情報をあつめましょう。ラジオが有効です。

デマも多いので惑わされないように。確かな機関からの情報を得るようにしましょう。どのルートを通って帰宅したか、メモを残しましょう。ケガをした場合、通勤労災の申請や、民間の保険会社への申請に役立ちます。

※絶対に無理をしないように。帰宅が不可能と判断したら会社に戻りましょう。

(3)ステップ3:会社にとどまる選択

・点呼

死傷者がいないか確認しましょう。ケガ人は応急処置をして、救助を待ちましょう。大災害では、病院も崩壊している可能性があります。どこの病院に運ぶべきか、情報と救助を待ちましょう。

社員全員の点呼をして、記録を取っておきましょう。死傷者の確認、帰宅者の確認が必要です。後に、行方不明者の捜索に役立つ場合があります。帰宅者の連絡先も記入しておきましょう。

・安全確認

会社に留まる場合、建物内外の安全を確認しましょう。大地震では余震が続くので、室外にいたほうが安全である場合があります。ガス管や水道管が破損していないか調べましょう。近所でそのような事象が起こっていないか、火事が発生していないか確認することが重要です。チェックすべき点を確認後、安全を確保して救援を待ちましょう。

・公的援助があるまでのサバイバル

公的機関では、大災害後、人々に自力で3日間のサバイバルを要請しています。救援体制が整うまで時間が必要だからです。会社では、3日のサバイバルができるよう、社員の人数分の備蓄が行われています。一人々の社員には、非常持ち出し袋が支給されます。この袋は、軽いケガの応急処置や会社でのサバイバル、徒歩による帰宅時に役立ちます。

災害時の安否確認

2)安否確認はどうするの?家族との緊急連絡の方法

安否確認の方法として、災害用伝言ダイヤル(171)や携帯電話の災害伝言板があります。災害時には、これらの特別な方法で家族と連絡をとりましょう。事前に、操作方法を確認しておきましょう。

【1】災害用伝言ダイヤル(171)

地震などの災害が発生した場合、被災地での通信困難な状態になった時に提供されます。利用できる電話は、固定電話、公衆電話、携帯電話、PHS、IP電話等です。音声ガイダンスに従って操作します。

(1)171をダイヤルします。

(2)録音の場合は1を、再生の場合は2をダイヤルします。

(3)連絡を取りたい相手の電話番号をダイヤルします。

(4)録音の場合は、録音をしてください。

再生の場合は、相手が録音した音声が流れます。

【2】災害伝言板(伝言の登録方法)

登録できるのは被災地エリアからだけです。

(1)自分の携帯電話会社の公式サイトにアクセスします。

(2)災害時に、トップ画面に「災害用伝言板」が設定されます。

(3)「登録」をクリックします。「登録」完了。

(4)登録が完了するとメッセージを入力できます。

(5)1つの電話番号からメッセージは10個まで登録できます。

このメッセージは、災害用伝言板が終了するまで保存されます。テレビやインターネット上で、災害用伝言版サービスの開始が告知されます。開始の時期や伝言板を利用できる被災地エリアの範囲が知らされます。

【3】災害伝言板(伝言の確認方法)

(1)安否を確認したい人は、自分の使っている携帯電話会社のサイトから「災害用伝言板」にアクセスします。携帯でもパソコンでも可能です。

(2)画面上の「確認」をクリックし、安否確認したい人の電話番号を入力します。

(3)「検索」をクリックすると、伝言の一覧が出てきます。伝言を選択し安否を確認します。

3)会社・企業はどんな準備をすべき?必須マストのものって?

【1】会社で用意する防災グッズについて

防災品を取り扱っている会社では、10人分・20人分・50人分・100人分を基本セットとして水や食料や備品をパック状態にして売り出しています。以下に一人分の例を示します。

(1)1名・3日分のパックの内容

水は1.5本(調理水含む)が入っています。安心保存水2.0Lです。アルファ米は、「五目ご飯2食分」「山菜おこわ2食分」「ドライカレー2食分」が入っています。熱湯や水を注ぐだけで簡単に調理できます。

乾パンは、プチバゲット2缶・氷砂糖入り2食分が入っています。パリッと軽いフランスパン風スナックと、氷砂糖の入ったひと口サイズのパンスナックです。オリジナルCANパン一缶が入っています。誰でも簡単に開けられるイージーオープン缶です。1缶2個入りで一食分です。

インスタントイレ処理セット4.5パックが入っています。1人6回/日が3日分です。排泄物の処理セットは、臭いの分子をほぼ100%閉じ込めることが可能です。毛布・フリース各一枚が入っています。A4サイズに圧縮されています。

常備用カイロ3個が入っています。非常時の体温低下の場合に使用します。持続時間20時間です。最高温度65℃、平均温度51℃です。

※保存水・保存食の消費・賞味期限は、すべて製造日より5年です。

【2】持ち出し袋の中身

一般的に以下のような製品が入っています。

保存水・保存食(カンパン類・ようかん)・保温シート・マスク・絆創膏・給水袋・防災ウェットティッシュ・ポリ袋・非常用トイレ・ホイッスル・軍手・タオル・ガーゼ

・FMラジオLEDライト(携帯電話充電機能付)など

【3】その他の備品

LEDランタン数個を用意します。停電時、数個あると安心です。野外用のテントを用意します。屋内で留まるのが危険な場合、野外に設営します。

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4)防災時のQ&Aコーナー

【Q1】トイレはどうなるの?使えるの?

大災害に於いて、トイレは使用できないと考えたほうが良いでしょう。断水している場合や、多数が使用して詰まらせた場合などが想定されます。驚くべきことに、避難所に指定されている施設などでは、緊急時に「トイレを使用させない」という取り決めをしているところが多いのです。

人は、一日に5~6回トイレに行くとされ、そして約2.3Lの水分を排泄されるといわれます。よって、非常排泄袋が必要になることが想定されます。モノタロウなどで販売されている非常排泄袋は、排せつ物を30秒前後で素早く固めるので、匂わず衛生的です。使用後は可燃ゴミとして処分できるので便利です。

大災害時、避難所に指定されている小学校などでは、非常用のトイレ(下水溝に直接接続するタイプなど)が開設される場合があります。しかし、圧倒的に数が少なく、災害発生直後に設営されるのは難しいと考えられます。よって、個人々でこの問題の対処法を考えておく必要があるでしょう。

【Q2】食料と水は一日どれくらい摂取すべき?

東京都条例によると、人間は、一日水約3L、食料1800kcalが必要であるとされます。食料は、非常食用の乾パンやビスケットで代用します。賞味期限は5年です。保管は、劣化を防ぐため日光や多湿を避ける場所に保管します。

上記は理想ですが、少しぐらい摂取量が少なくても3日ぐらいは生存できます。水や食料が不足気味であった場合は、少量を分け合って救援が来るまで持ちこたえましょう。社員に支給される日本防災協会認定の持ち出し袋などにも水や食料が入っています。持ち出し袋は、各自がいつでも持ち出すことのできる場所に置いておくことが重要です。

【Q3】災害時に会社から徒歩で帰宅途中、二次災害に合った場合は通勤労災になるの?

個々の事案で条件が大きく異なるために、通勤労災にあたるかどうかを一概には言えません。しかし、大災害時の通勤災害の認定は、要件が通常の場合よりも厳しいと考えられます。

通常、通勤災害と認定されるためには、災害を被ったのが通勤ルートの途上であったことが合理的に説明されなければなりません。しかし、大災害時、通勤ルートは寸断され通行不可能な場面に遭遇し、迂回路をとらなければならないことも多々あると考えられます。

このようなルート変更を後に合理的に説明し(または証明し)、書類を作成して公的機関に申請しなくてはなりません。当然、素人の手の及ぶところではなく、弁護士、または、社会保険労務士に頼むことになるでしょう。労災保険法では、通勤災害について以下のように述べています。

『労働者の移動が通勤に該当するためには、就業に関し、労災保険法7条2項各号が定める三つの類型の移動を、合理的な経路及び方法により往復する、という要件を満たさなければならない(労災保険法7条2項)。中断または逸脱があってはならず、業務の性質を有するものは除かれる(労災保険法7条3項)。

労働者が被った災害が通勤災害として保険給付の対象となるためには、通勤と災害との間に相当因果関係がなければならない(通勤起因性)。』

大災害時、帰宅途中の災害による死傷については、通勤起因性が否定されて保険給付を受けられない可能性もあります。そういった場合、民間の傷害保険でカバーできる場合もあるので、専門家に相談するとよいでしょう。






この記事のチェックポイント

【1】帰宅困難になったら、安全を確認の上、会社に留まりましょう

【2】家族の安否確認の方法は、普段から話し合って取り決めておきましょう

【3】徒歩で帰宅する場合は、二次災害などに気を付け、ルートはメモしておきましょう

【4】会社に留まる場合は、まず点呼をして死傷者の確認をしましょう

【5】建物の安全を確保し、全員で食物をシェアーして公的な救援を待ちましょう

【6】会社では、サバイバルに必要な防災グッツを事前に備蓄・保管しておきましょう

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