【最新版】防災で大切なペットの為にできる8つのこと

大きな災害が発生する度、ペットに関する多くの問題も悲しい出来事もありました。災害時のペットの対応が検討され、環境省がペットの防災に関するガイドラインを策定しました。大切なペットのためにできる防災準備をしましょう。






1)住いの防災

ペットを守るためには、今住んでいる環境を見直すことが大切です。室内で飼養している場合は、大きな家具を固定することで、ヒトだけではなくペットが下敷きになる事故を防ぎます。また、ペットの多くは高い所が好きなので、家具の上にペットハウスを置いておられる家庭も多いと思います。地震の際は危険ですので、転倒防止や落下防止の措置を行いましょう。この他、ケージの固定も合わせて行いましょう。

屋外で飼養している場合は、使用している場所の安全確認を行いましょう。外塀の近くやガラス窓の近くなど、危険な場所を避けましょう。そして、ケージなどペットの隠れ場所や避難場所を必ず確保しましょう。

2)しつけと健康管理

【1】ペットのしつけは安全確保とストレス軽減の必須条件

イヌは、飼い始めてから社会性を持たせるため、「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけをされている家庭も多いと思います。防災の観点から見ると、必要最低限のしつけをすることは、飼い主の責任であると同時に災害時の飼い主とペットの安全確保とストレス軽減に欠くことのできないものです。特に「不必要に吠えないようにすること」「人や他の動物を怖がったり攻撃的にならないように慣らしておくこと」は避難所での共同生活の場ではとても大切です。

ネコも、イヌと同様に「キャリーバッグなどの中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておくこと」「決められた場所で排泄ができるようにすること」などしつけをしておきましょう。特にネコは放し飼いでいると災害時に行方不明になることが多いので、できるだけ室内で飼養しましょう。

【2】ワクチンの接種や寄生虫の駆除をしましょう

ペットのために各種ワクチンを接種しましょう。イヌの狂犬病予防接種は義務です。忘れないように、1年に1回接種しましょう。また、犬フィラリアやノミ・ダニなどの寄生虫を予防、駆除し、シャンプーやトリミングにより身体を清潔に保ちましょう。ネコも各種ワクチンを接種するほか寄生虫の駆除を行いましょう。また、ペットの不妊去勢措置を行うこともお願いします。

ゴールデンレトリバー

3)ペットが迷子にならないための対策

大規模災害で最も多い問題の一つがペットの行方不明です。地震の恐怖でパニック状態になったり、放し飼いでどこかに行ってしまったりして、災害が落ち着くと捜索することも度々です。家族同様のペットが行方不明になることは、飼い主にとってもたまらなく切ない問題です。飼い主の責任として、迷子にならないための対策を行いましょう。

イヌの場合は、首輪に連絡先を書いた迷子札をつけましょう。オシャレなタイプも多くあり、「うちの子」と一目でわかるように準備しましょう。また、飼い犬は狂犬病予防法により鑑札の装着、年1回の狂犬病予防注射をしたことの証明となる注射済票の装着が義務付けられています。この装着を利用して、目印にしましょう。

ネコの場合も首輪に連絡先を書いた迷子札をつけましょう。ネコの首輪はひっかかりを防止するために、力が加わると外れるタイプが良いといわれていますが、このタイプを使用される場合はマイクロチップを必ず装着しましょう。

ペットの迷子防止対策として、環境省はマイクロチップの装着をすすめています。マイクロチップを挿入した際は、日本獣医師会などに飼い主情報や動物情報を登録する必要があります。

マイクロチップが入っていれば、迷子のペットが保護されたときに、チップの読み取りを自治体、警察、動物病院が行い、ペットの飼い主に連絡することができ、飼い主のもとに確実に戻ることができます。

犬に手で水をあげる

4)ペット用の避難用品や備蓄品の確保

災害発生に備えてペットのために避難用品や備蓄品を確保しましょう。支援物資はペット用のものはほとんどなく、飼い主が自分で準備する必要があります。優先順位の高いものからご紹介します。

【1】ペットの健康や命にかかわるもの

・療法食・薬

ペット用の療法食や薬は、災害時にはほぼ手に入りません。必ず準備しましょう。慣れない生活で体調を崩すこともありますので、元気でも念のために準備しましょう。

・ペットフード、水、食器

少なくとも5日分できれば7日分以上備蓄しましょう。最初にお話ししましたが、支援物資は期待できません。また、ヒトのものを与えると周囲から強い批判を浴びることもあり、今までもトラブルの原因になっています。

ペットフードはウエットタイプとドライタイプを準備して、賞味期限切れにならないように、ローリングストックしながら、普段から多めに準備しましょう。食べ慣れたものや、好きなものを組み合わせたり、ローリングストックで慣らしていきましょう。

この他、水は面倒でもペット専用を準備してください。避難生活では水は貴重品です。「人間が我慢しているのに」と不満をぶつける人もいます。ペットの体格によって必要な量も異なりますので、不足しないようにしましょう。特に夏は多めに準備しましょう。

・キャリーバッグやケージ

ネコや小動物には避難時に欠かせないアイテムです。避難先で、放し飼いにすることはできません。必ず準備し、ネコは入ることを嫌がらないように慣らしておきましょう。

・予備の首輪、リード(伸びないタイプ)

避難先はペットを好きな人ばかりではありません。また、災害時にはペットもパニック状態になってしまいます。予備の首輪やリードを準備して、慌てないようにしましょう。

・ペットシーツ、排泄物の処理用具

トイレ用品は必需品です。ネコの場合は使いなれた猫砂、または使用済猫砂の一部を準備して、いつもの排泄場所でできるように準備しましょう。

【2】ペットの情報

・ペットの連絡先

飼い主の連絡先を迷子札などに書いておきます。この他、ペットに関した飼い主以外の緊急連絡先や預け先などの情報も書いてあると、迷子になった時に連絡がつきやすくなります。

・ペットの写真

ペットの写真を準備しておくと、迷子になった時に見つかりやすくなります。プリントしたものの他に、携帯電話などに画像を保存することも有効です。また、「うちの子」の証明になりますので、飼い主や家族と一緒の写真も準備しましょう。

・健康に関する情報

ワクチン接種状況、既往症、投薬中の薬情報、各種検査結果、健康状態の他、かかりつけの動物病院などを手帳にまとめておきましょう。性格も書いてあると体調不良の時に、かかりつけの獣医師以外の診察を受けるときに、スムーズに受診できます。

【3】優先順位3:ペット用品

・タオル、ブラシ

使いなれたものやニオイのついたものを準備しましょう。タオルはおもちゃにもなりますが、防寒にも使えます。ペットが安心できるものはストレス軽減に役立ちます。

・ウエットタオルや清浄綿

目や耳の掃除など多くの用途に利用できます。自宅にいる時のように、シャンプーなどできませんが、清潔を保つことは体調管理の上でとても大切です。災害で大変な時こそペットはかまってほしいですし、我慢もしています。飼い主もペットと一緒に居るだけで癒されます。少し時間をとって世話をするためにも準備しましょう。

・ビニール袋(排泄物の処理)

・お気に入りのおもちゃなどニオイのついた用品

・ガムテープやマジック(ケージの補修や、段ボールを用いたハウスつくり)

など揃えておきましょう。避難するときに、飼い主自身の持ち出し袋や非常食も運ぶ必要があります。全部を一度に持ち出す必要はありません。特にペットフードや水は最低限を持ち出して、翌日取りに帰るとか、預け先を確保し備蓄を分散させるなど運ぶ量も現実的な対応をとりましょう。

池で泳ぐ犬

5)情報収集と避難訓練

【1】ペットのための情報収集

ハザードマップでの危険個所の把握をしたら、ペットの受け入れが可能な避難場所を確認しましょう。わからない時は自治体に確認するか、かかりつけの動物病院に相談するなど、必ず事前に確認します。環境省は基本的に同行避難(ペットと一緒に避難する)を推奨していますが、現場の対応は自治体の判断に委ねています。

ペットの受け入れ可能な、避難場所までの所要時間の確認をしましょう。ガラスの破損や看板の落下などの危険な場所の把握も一緒に行います。また、通行できない時の迂回路など複数の経路を確保します。

【2】ペットのための避難訓練

災害時はペットがよほど大きいサイズでない限り、キャリーバッグなどに入れて飼い主が持って移動することになります。エレベーターの停止を想定して、階段を使って徒歩移動が原則です。普段から天気の良い時や、飼い主が時間や気持ちに余裕のある時など練習して慣れましょう。

もし避難訓練があれば、ペットと一緒に参加しましょう。避難所でのペットの反応や行動の把握するためのチャンスです。慣れない場所では反応などが変化することもあります。知らない人が大勢いる中も経験させましょう。そして、避難所での動物が苦手な人への配慮も忘れないように心がけましょう。

場合によっては同伴避難(避難所の建物内にペットも避難する)も可能な避難所もあります。多くの同伴避難は、飼い主とは異なるスペースにペットだけを集めて飼養します。訓練では避難所での飼養環境の確認も必ず行いましょう。

避難所が被災した場合の2次避難先の想定も必ず行います。津波など災害の種類によっては避難所が危険な地域にある場合は2次避難先も必要になります。念には念を入れましょう。そして、事前にペットの受け入れを確認していたにも拘わらず事情により避難所へのペットの同行が不可能になった場合の避難先や預け先も考えておきましょう。「想定外をつくらない」ことで、ペットと共に避難しましょう。

6)家族や地域住民との連携

家族や地域での話し合いは災害対策を考える上でとても重要です。連絡方法や集合場所の他、ペットの避難方法や役割分担を話し合いましょう。ペットだけが自宅にいた場合どうするかは必ず起こりうる場面です。留守中の対処方法と協力体制を確認しましょう。この他、緊急時のペットの預け先の確保も必ず行いましょう。

物資の持ち寄りや共同飼養の申し合わせなど、飼い主仲間でできることは協力して行い、共に災害を乗り切るために準備しましょう。

7)ペットの一時預け先の確保

避難場所での飼養以外にも、親戚や友人など、複数の一時預け先を探しておくことが大切です。お願いできる先にはペットと一緒に行って、環境に慣れておくことも大切です。「ここは安心できる場所だよ」と教えておくことは、ペットにとっても預かる方にとってもストレス軽減に大いに役立ちます。

瓦礫と犬

8)災害発生時に飼い主が行うべき行動

避難先を確保したら、飼い主が災害発生時に取るべき行動を確認しましょう。ペットのための防災は、避難時の行動を把握しておくことで完成します。

【1】ペットとの同行避難

イヌの場合はリードをつけ、首輪が緩んでいないか点検します。また、首輪に鑑札、狂犬病予防注射済票を装着しているかを確認した上で小型犬はリードをつけたまま、キャリーバッグやケージに入れます。そして避難用品をもって事前に確認して置いた避難場所へ向かいます。

中・大型犬は肉球を保護するためのクツをはかせてから歩いて移動すること、またはバギーでの移動も想定してください。ネコの場合はキャリーバッグやケージに入れますが、キャリーバッグなどの扉が開いてネコが逃げださないようにガムテープで固定してから、避難用品を持って緊急避難場所へ向かいます。

【2】避難中のペットの飼養環境の確保

(1)避難所で飼養する場合

各避難所が定めたルールに従い、飼い主が責任を持って世話をすることが原則です。飼養環境の維持管理には、飼い主同士が助け合い、協力することが必要です。

(2)自宅で飼養する場合

自宅の安全確認を確実に行った上で、避難生活を続けます。支援物資や情報は、必要に応じ避難所などに取りに行く必要がありますが、プライバシーが保護され、ペットにとっても普段に近い状態で過ごせるので、快適です。大切なことは無理をしないことです。一緒に避難できないから、自宅から離れないではなく、自宅が安全であることが最も大切な条件です。

(3)車の中で飼養する場合

いわゆる車中泊での避難です。支援物資や情報は、必要に応じて避難所などに取りに行かなければなりません。

ペットだけを車中に残すときは、車内の温度に注意し、十分な飲み水を用意しておくことがとても大切です。寒い時期であっても飲み水の確保を忘れないようにしましょう。長時間、車を離れる場合には、ペットを安全な飼養場所に移動させ、安全の確認とエコノミークラス症候群には十分注意することも重要です。

(4)知人や施設などに預けることも検討する

被害が及ぶ可能性が低い遠方の親戚や知人に預けることも検討しておきます。帰省先など慣れたところに連れていくことで、離れて淋しい想いをしますが、ペットと飼い主両方が結果的には早く一緒に生活できるようになることが多いようです。

また、施設に預ける場合は、条件や期間、費用などを確認し、後でトラブルが生じないよう、覚書などを取り交わすように万全の対応をとりましょう。災害時は特別な状況ですが、預ける方も預かる方もお互いに納得いく形で話をすすめましょう。






この記事のポイント

【1】住いの防災を行うことで飼養環境を見直し、ペットも飼い主も安全確保に努めます

【2】しつけと健康管理は避難生活の安全確保とストレス軽減のために、必ず行いましょう

【3】迷子対策はマイクロチップを装着し、日本獣医師会に登録することで完了します

【4】避難用品、備蓄品の確保は飼い主の責任です。忘れないように準備しましょう

【5】ペットの受け入れ可能な避難所を確認し、一緒に避難訓練をして慣れておきます

【6】災害時の協力と預け先の確保は事前にお互いがよく話し合って決めましょう

【7】災害発生時の飼い主のとるべき行動を把握して慌てないようにしましょう

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