非常食にチョコレートを!選び方と効果的な理由5選

チョコレートは、子供がお小遣いで買えるお手頃なものからショコラティエが作る高級なものまで、種類はとても豊富です。実はチョコレートが非常食に適しているといわれます。その理由と、非常食に適しているチョコレートはどのような商品かをご紹介します。






1)チョコレートはいつごろから食べられている?

日本にチョコレートが伝わったのは江戸時代です。しかしこの頃は、オランダ人が私的に持ち込んで、オランダ人と付き合いのあった人だけが知っていたようです。本格的に日本にチョコレートが広まったのは幕末以降のことのようです。

2)チョコレートは、もともとは薬だった!?

16世紀のアステカではカカオ豆をすりつぶし、他の香料などを加えて不良長寿の薬として飲んでいたそうです。不老長寿だけではなく、滋養強壮、消炎、解熱など、多くの効果が期待されていました。しかしカカオ豆は非常に高級品であったため、これを飲めるのは皇帝などのごく一部の人でした。

【1】チョコレートの原料、カカオの効果

チョコレートの原料となるカカオマスは、カカオ豆の種子の部分から作られます。カカオ脂肪分(ココアバター)と非脂肪カカオ分に分けられます。カカオ脂肪分は文字通りカカオの脂肪分のみを集めたもので、カカオマス特有の色や風味、ポリフェノール、テオブロミン、カフェインなどの薬効が期待できる成分は、非脂肪カカオ分に含まれています。

【2】チョコレートに含まれるカカオポリフェノールがすごい!

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、とても多くの健康効果が期待されています。

・血圧を下げる:血管を広げる作用が期待できます。

・動脈硬化予防:強い抗酸化作用で、体内に生じる活性酸素の働きを抑制します。

・美肌効果:活性酸素の働きを抑制することで肌の老化を防ぎます。

・アレルギー改善:活性酸素の働きを抑制することでアレルギーの発症を抑えます。

・脳の活性化:脳の栄養といわれる「BDNF」に働きかけて、認知機能を高めます。

【3】テオブロミンは毒?

カカオに含まれるテオブロミンは、大脳を刺激して集中力や記憶力、思考力を高めます。カフェインと同じような覚醒効果がありますが、カフェインよりも穏やかです。また自律神経のバランスを整え、リラックス効果もあります。このように人にはプラスの効果が大きいテオブロミンですが、犬はテオブロミンの代謝効率が悪く、チョコレート中毒を起こして死んでしまうことがあります。

チョコレート

3)チョコレートを非常食にするメリット・デメリット

多くの健康効果が期待できるチョコレートですが、チョコレートを非常食にするときのメリットとデメリットを知っておきましょう。

【1】メリット

(1)みんなに好まれる

「チョコレートが嫌い」という人は少なく、多くの場面でチョコレートは喜ばれます。極稀に、チョコレートに含まれるチアミンとニッケルによるアレルギーを持つ人がいますが、チョコレートは年齢や出身国などにかかわらず好まれる食品といえます。

(2)少量で多くのエネルギーが摂れる

商品によって差はありますが、板チョコでは50gで300Kcal前後の物が多いようです。板チョコの1かけがおよそ5gとすると、1かけで30Kcalが摂れることになります。ごはんの一口分(およそ15g)が25Kcalですから、チョコレートの方が少しの量で多くのエネルギーが摂れることがわかります。

(3)リラックス効果がある

チョコレートに含まれるテオブロミンには、自律神経を調整したり、血流が良くなることでリラックス効果があるといわれています。災害時のストレスの多い状況に適している食品といえます。

(4)疲れていても食べやすい

疲労感が強かったり食欲がないときでも、ひとかけ口に含んでおけば体温で溶けるので、食べることができます。

(5)小さな子供から高齢者まで、安全に食べることができる

食べる機能が十分に成長しきっていない小さな子供や、咀嚼・嚥下機能が低下してきている高齢者まで、非常に幅広い人が安心して食べることができます。口の中で体温でゆっくりと溶けるので、飲み込んで窒息しない程度の大きさにして口に入れておけば、エネルギーの補給ができます。

【2】デメリット

(1)体温で溶けてしまう

体温で溶けるということは食べやすい反面、保管には温度管理が必要ということになります。一般的なチョコレートは17~34℃程度で溶け、保管は15~25℃が適しているとされています。夏季は室温でも溶けてしまう可能性があるため、非常食としては保管が難しいといえます。

(2)口腔内が不衛生になりやすい

災害時の水が貴重な状況では、歯みがきに使用する水も節約が必要なことがあります。チョコレートには砂糖が多く含まれており、その物性から歯や歯ぐきに付着しやすく、口腔内が不衛生な状態になりやすいといえます。適切な口腔ケアができないと虫歯や歯槽膿漏の原因になったり、場合によっては誤嚥性肺炎の要因となる可能性もあります。

粒チョコレート

4)非常食に適している商品

日常的にローリングストックするのであれば、好きなチョコレートを冷蔵庫内に買い置きしておけば大丈夫ですが、非常持ち出し袋などに入れて一定期間保存することを考えると、やはり溶けにくいことが必要といえます。

【1】粒チョコ(糖衣型チョコ)

チョコレートをあめでコーティングすることで溶けにくくなっています。もともとはアメリカの戦時下で、兵士が食べるために考えられたものです。

(1)M&M‘Sミルクチョコレート

アメリカで1941年に販売が開始されました。厚紙の筒状のパッケージで販売され、どんな環境にも持ち運べて便利で手軽な軽食として人気となりました。日本では1981年にテスト販売が開始されており、現在はミルクチョコレートの他にもピーナッツ、アーモンド、クリスピーなど種類も増えています。カラフルなチョコレートとかわいいキャラクターのパッケージで、日本でも人気のチョコレートです。

(2)明治:マーブルチョコレート

1961年に発売されました。欧米の糖衣チョコを参考に、夏でも売れるチョコレートを目指して商品化されました。当時の日本ではチョコレートといえば「板チョコ」のことを指していたので、画期的な形状といえます。テレビCMとおまけのシール入りで、爆発的人気となりました。

【2】東京コロニー:チューブ入りチョコレートスプレッド

チューブから直接食べたり、パンやクラッカーにつけて食べることができます。製造から3年の賞味期限があります。お湯やホットミルクなどに溶かしてココアにして飲むこともできます。1本80gで、1本あたり約478Kcalです。

【3】森永製菓:ベイク<ショコラ>

溶けないチョコレートとして発売されたチョコレート菓子が「ベイク」です。チョコレートを焼く独自の製法で外側はサクサクとした食感、内側には濃厚なチョコレートが隠れていて、手を汚さずに食べることができます。数年前、2年の賞味期限で非常食用の缶詰として販売された「ベイク缶」がありましたが、現在は製造中止となっています。

チョコレートチップ

5)チョコレートに関するその他のQ&A

【Q1】ホワイトチョコレートは普通のチョコレートと同じなの?

原材料は通常のチョコレートと同じココアバター、砂糖、乳類ですが、その成分が異なります。ココアパウダーを含まないのでチョコレート独特の色が取り除かれています。また、テオブロミンを含まないので、疾病や宗教上の理由でテオブロミンを避ける人でも食べることができます。

【Q2】ファットブルームって何?

チョコレートに含まれるココアバターが、温度が高くなることでチョコレートの表面に溶けだして、白い結晶となって浮き出てくるものです。食べても体への影響はありませんが、風味やくちどけは損なわれることがあります。

【Q3】チョコレートは便秘に効くの?

チョコレートのカカオに含まれるカカオプロテインに、便通改善の効果があることがわかっています。消化されにくいたんぱく質が、小腸では消化吸収されずに大腸まで届きます。便の量を増やしたり、腸内細菌のえさとなって腸内環境を整えることで、便秘改善の効果が期待できます。






まとめ

【1】チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、多くの健康効果が期待できます

【2】チョコレートは少量で高エネルギーなため、非常食として効率よくエネルギーを補給できます

【3】チョコレートに含まれるテオブロミンの作用により、リラックス効果が期待できます。強いストレスのかかる非常時に適しているといえます

【4】多くの人に好まれ、小さな子供から高齢者まで比較的安全に食べることができます

【5】非常食には、糖衣チョコやチューブ入りなどの溶けにくい商品が向いています

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です