高齢者の方でも安心して揃えておきたい6種類の非常食

地震や豪雨など、毎年のように日本各地で大きな災害に見舞われていますね。非常用持出袋やリュック、備蓄など、災害に備えて用意している方も多いのではないでしょうか。

しかし、高齢者の食料については見落とされがちです。特に、普段は普通の食事を食べているように見える高齢者は、一般の非常食を用意するだけで安心していませんか。今回は、高齢者の非常食について考えます。






1)高齢者用非常食の備蓄は必要?

【1】一般の非常食は高齢者には食べにくい?

避難所で配布された「乾パン」を、固くて食べられなかった高齢者は少なくなかったようです。また、冷たいおにぎりなども高齢者には食べにくかったといわれます。

好き嫌いではなく、歯や歯茎など口内の問題で噛むことが難しかったり、飲み込みにくかったりで、食べることができなかったのです。

入れ歯を使用していたり、歯周病など口内のトラブルを抱えている高齢者は多く、噛む力は弱くなっています。また、加齢によって唾液の分泌も減少し、筋力の低下もあって、飲み込む力も弱くなっているのです。

普通の食事をとっているように見える高齢者も、実は普段から軟らかめのものを選んでいたり、食べやすく調理していたりと、何か工夫がされていることが多いのです。

【2】高齢者にむいている非常食はどのようなもの?

高齢者は環境の変化に弱く、不安やストレス、睡眠不足で体調を崩しがちです。できるだけ食べ慣れている味のもの、それぞれの噛む力に合わせた柔らかさで、胃腸に負担のかからない消化の良いものが安心です。

普段から特別の柔らかい食事をとっている高齢者はもちろんのこと、普通に食事がとれている高齢者も、食べやすく、消化の良い非常食を用意しておくことをおすすめします。

2)主食として用意しておきたい3種類の非常食

高齢者の非常食では、冷たいままでも食べられ、体調を崩した時でも食べやすい主食を多めに用意しておくことをおすすめします。

【1】アルファ米のご飯

水やお湯を加えて待つだけでご飯ができるアルファ化米は、保存期間も長く、お粥や白米をはじめ、五目御飯、炊き込みご飯、ピラフなど味もバラエティ豊かで、好みのものを備えておくことができます。加える水分量で柔らかさも調節できるものも多く、噛んで食べることができる高齢者には便利です。

【2】お粥

水分も同時にとれて消化に負担のかからないお粥は、高齢者にはおすすめの非常食です。4つのタイプの商品がでています。

(1)レトルトタイプ

レトルトのお粥はそのまますぐに食べられますし、袋のまま熱湯に入れて温めれば一層美味しく食べられます。保存期間は短めですが、スーパーなどで普通に販売されているので、コスト面からも使いやすいのではないでしょうか。普段から時々利用することで好みもわかりますし、日常的に取り入れやすいので、ローリングストック法の備蓄に向いています。

(2)フリーズドライタイプ

フリーズタイプのお粥は、水分を加えて混ぜるだけですぐに食べられます。普通のご飯ではなく、お粥や雑炊になっています。

保存期間が長く軽いので、非常持出用など携帯にも便利です。

(3)缶詰タイプ

種類が少ないですが、缶詰タイプのおかゆもあります。缶を開けるだけでそのまま食べられます。

(4)アルファ米タイプ

アルファ米のご飯と同じタイプで、白がゆ、梅がゆ、たまご粥などがあります。加える水分の量で、全粥、七分粥などに調節できます。

【3】パンの缶詰

固い乾パンではなく、柔らかいパンの非常食は、普段からパンを食事に取り入れている高齢者にはおすすめです。

保存期間が長く、商品によって味やパンのタイプも違い、好みのものを選んで用意しておくことができます。おやつとして備蓄しておいてもいいですね。缶詰の他に、袋タイプもあります。

コーヒーを飲む老夫婦

3)噛める硬さに合わせて選べる”介護食”を非常食に

噛める硬さに応じた介護食が市販されており、ドラッグストアなどでも購入できます。それらを非常食として利用してはいかがでしょう。

時々利用して味に慣れておけば、非常時でも違和感なく食べられますし、好みのものもわかりますね。多めに備蓄して、食べた分を補充しておけば、賞味期限が切れてしまう心配もありません。

噛む力、飲み込む力に合わせて、「容易に噛める」、「歯ぐきでつぶせる」、「舌でつぶせる」、「かまなくてよい」、の4区分があり、それぞれにたんぱく質が摂れる肉や魚を使った副菜や不足しがちな野菜が摂れる副菜などがそろっています。

4)温かい汁ものは心も癒す?

慣れない環境と冷たい食事が続くと、高齢者は食欲が衰えがちです。そんな時におすすめなのは、温かい汁ものです。野菜の具材がたっぷり入った味噌汁で、食欲が出てくる人も多いのではないでしょうか。

高齢者以外でも、避難所で出された温かい汁ものでホッとした、心が癒された、という人も多かったようです。フリーズドライの即席の味噌汁や、野菜がたっぷり入ったレトルトのスープ、缶詰のスープ類を用意しておくといいでしょう。

5)おやつで栄養補給とやすらぎを取ろう

一度の食事で食べられる量が少ない高齢者は、ストレスの多い避難所や自宅での避難生活で食欲がわかず、十分に栄養を摂ることが難しくなることも少なくないようです。そんな時は、おやつで栄養や水分を補給できるよう用意しておくことをおすすめします。甘いおやつは、心にも安らぎや落ち着きをもたらしますよね。

【1】栄養補給食プリン

『やさしくラクケア』(ハウス食品)シリーズの栄養補給食は、デザートでエネルギー補給ができるよう、舌でつぶせるやわらかさのプリンやゼリーが用意されています。あずきや黒蜜きなこ、抹茶など和風のプリンは、高齢者も食べ慣れた味で楽しめるのではないでしょうか。常温保存でき、保存期間も1年ほどあります。

【2】えいようかん

高カロリーで、長期保存が可能な『えいようかん』(井村屋)は、噛むことができる高齢者なら食べられる柔らかさの羊羹です。甘いものが好きな高齢者にはおすすめです。

【3】水分補給ゼリー飲料

水分補給ゼリー飲料は、高齢者が飲みこみやすい柔らかさととろみで、水分とエネルギーを補給できます。『お水のゼリー』(ハウス食品)、『らくらくごっくんゼリー』(ニュートリー)、『ゼリー飲料』(キューピー)などの商品が販売されています。

ソファーに座る 老夫婦

6)高齢者の非常食についてのQ&A

【Q1】高齢者の非常食は何日分必要?

一般に食料などの備蓄は最低3日分、大規模災害に備えて1週間分の備蓄がのぞましいとされていますが、高齢者の非常食については、最低でも1週間分の備蓄をおすすめします。

支援物資の支給が始まっても、高齢者が食べやすい食事が配布されるとは限りません。もし高齢者用の非常食が配布されることがあったとしても、数が不足することが予想されます。体力が落ちて体調を崩さないよう、特に高齢者用の非常食は十分に備蓄しておきましょう。

【Q2】高齢者の食事に関して、非常食以外に用意しておいた方がいいものは?

水、加熱用品、使い捨てのスプーンやフォーク、ウェットティッシュなどを用意しておきます。加熱するために、カセットコンロとガスボンベは用意しておきましょう。また、携帯もできる発熱材セットも、レトルト食品などをあたためるのに便利です。

お粥はそのままでも食べられますが、温めることで一層美味しく食べられますし、汁ものも温かいお湯が必要です。寒い時期は特に、温かいものをとることで寒さも和らぎます。また、口内を清潔に保つためにも、入れ歯の洗浄用品なども忘れず用意しておきましょう。

【Q3】家族と高齢者で別々に非常食をすべて用意するのは大変

主食のご飯については、ご飯にもお粥にもなるタイプの商品を備蓄してはいかがでしょう。例えば『マジックライス』(サタケ)は、加える水分量を調節することで柔らかさを調節でき、普通のご飯としてもお粥としても食べることができるので、高齢者と家族の共通の非常食として便利です。

【Q4】普通のレトルトのお粥では飲み込みにくい高齢者用の非常食は?

飲み込む力が弱い高齢者用の非常食があります。例えば『非常備蓄用ミキサー粥』(まつや)は、高齢者が飲み込みやすいようにべたつきやはりつきを改善した、滑らかなペーストタイプのお粥です。お湯や水を加えて混ぜるだけで食べられ、水分量を調節することで3分粥〜7分粥まで調節できます。






この記事のチェックポイント

【1】高齢者は普通の非常食では食べにくいことも多いので、高齢者用の非常食も最低1週間分の備蓄をおすすめします

【2】水分とエネルギーが摂りやすく、消化に負担がかからないお粥は高齢者の非常食に便利です

【3】介護食を非常食としても利用し、ローリングストック法で備蓄しましょう

【4】一度に少量しか食べられない高齢者のために、栄養補給できるおやつも用意しておきましょう

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