非常食のおにぎり3選!選び方のポイントを比較解説

おにぎりは昔から携帯食の王様です。おにぎりがあればおかずは要らない方も多いと思います。そして、なぜかおにぎりは思い出も詰まっている不思議な食べ物です。非常食の不動のトップランナーであるおにぎりを取り上げます。






1)お弁当・炊き出し・携帯食はおにぎりで決まり

随分昔から、お弁当の定番はおにぎりでした。日本人にとっておにぎりおかずがなくても食べられる、最もシンプルな携帯食でした。そして、日常のご飯はお茶碗で食べるので、ある意味特別な食べ物でした。

【1】災害時の炊き出しとしてのメリット

災害時の炊き出しに食されていたおにぎりのメリットは、その携帯性と手で持って食べる手軽さ、そして具材を入れることで食事として完結する事です。現在の非常食はまずパンなど個包装の食品が配布されることが多いのですが、特に高齢者の方にとっては、パンはおやつであり食事を摂った気がしません。一方おにぎりであれば、たとえおかずがなくても、具が入っていなくても食事として認識されます。

おにぎりが炊き出し用の非常食として優れている点は、普段食べている食品で嫌いな人がほとんどいないこと、誰でも作ることができることです。炊き出しは大量調理を必要としますが、ご飯さえあればだれでも協力して作ることができ、また、簡単に交代できます。誰でも参加できることは、役割分担として受け入れやすくやりがいや居場所を感じ、災害時の精神的な落ち込みを救う面もあります。

また、コンビニエンスストアのおにぎりが普及したことで、炊き出しの時にラップでおにぎりを作ることが一般的になりました。これにより、食べる時間と場所を選ばない携帯性と、今まで克服できなかった衛生面を飛躍的に向上させました。

【2】種類の豊富なことが栄養価を高める

そして、最大の魅力はそのバリエーションの豊かさです。具材をかえることもですが、混ぜご飯にしたり、炊き込みご飯で作ったりと、地方ごとに名物おにぎりがあるほどです。栄養面ではどうでしょうか。具材を入れることで、多少バランスは悪いのですが、食事として成立することの他に、十分な熱量を確保できることや、食物繊維を摂取できることで、便秘の解消に役立ちます。また、具材に食物繊維の多いものを組み合わせると、急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。

意外に思われるかもしれませんが、昭和30年代から40年代にかけてのまだ食生活が欧米化するまでは熱量の6割以上を炭水化物特に米飯を中心にとっていた時期があり、高コレステロール血症や痛風の発症が少なかったことから、「日本型食生活」として、世界的に評価されていたころがありました。その頃は米飯からタンパク質やミネラル、食物繊維を摂取していました。どうしても「ご飯のおとも」は塩分が高くなるので、そこは改善の余地がありますが、日本人の体質にあっていたと評価する専門家もいます。

おにぎり

2)レトルト食品・アルファ米のおにぎりとは?

非常食用のおにぎりがあります。レトルト食品やアルファ米が三角おにぎりのかたちで包装されています。握る必要もなく、袋から出さないで食べることができるので、非常食として衛生面に配慮されています。混ぜご飯が多いのですが、味がついていることで食べやすくなっています。ただ、自宅で作るより少々割高になります。

【1】株式会社エメラスNE:おにぎり醬油味

袋から出してすぐに食べられる調理不要のおにぎりです。国産米をダシのきいた醤油で炊き上げ、握ってあります。おこげが入っていることもご愛敬です。

100g172kcalはコンビニおにぎりとほぼ同じで、賞味期限5年です。

【2】尾西食品:携帯おにぎり

非常食のご飯といえばアルファ米。アルファ米といえば尾西食品が製造しています。アルファ米ですので、お湯または水を入れて、20回振った後お湯の場合は15分、水なら60分経つと完成です。切り取り線に従って、3カ所切り取ると袋から取り出すことなく、持って食べることができます。賞味期限は5年で、混ぜご飯の鮭、わかめと五目おこわと3種類あります。鮭を例にとると出来上がり109g152kcalで、注水量は67mlです。

【3】コジマフーズ:有機JAS発芽玄米おにぎり

おにぎりにも発芽玄米の登場です。レトルト食品で賞味期限は1年です。サトウのごはんのようにトレイごと電子レンジまたは湯煎であれば15分加熱します。2個1パックになっていますが、分割して1個ずつ加熱して食べることができます。

玄米はよく噛んで食べると食べ応えがあり、腹持ちも良いのが特徴で、独自の発芽加工によって玄米の甘味を感じる美味しさに仕上がっています。わかめ、おかか、しそ、小豆、プレーンの合計5種類あり、1こ90gと小さめで、カロリーは白ご飯とほぼ同じですが、ビタミンB群とミネラル、食物繊維が多くなっています。

冷凍焼きおにぎり

3)家庭で作る冷凍おにぎりのポイント3つ

家庭で非常食用におにぎりを冷凍保存される方も増えています。余ったご飯を冷凍するときにおにぎりにしておくと、白ご飯のままより食べやすくなります。また、お弁当のご飯だけでも準備してあると、朝の時間も経済的にも助かります。

【1】雑菌の繁殖を防ぐ

冷凍おにぎりを家庭で作る時に気をつけたいことは、雑菌の繁殖を防ぐことです。冷凍するから大丈夫と思いがちですが、冷凍するまでの温度が雑菌の繁殖にとっては最適温度ですし、冷凍状態では休眠するだけです。解凍すると休眠状態だった雑菌が一気に繁殖してしまいます。

ご飯に酢を少し入れると雑菌の繁殖を防ぐ効果があり、お寿司は酢のこの防腐効果を利用しています。ご飯3合に対して酢大さじ1~2杯が効果的で炊く前に加えることもできます。これぐらいの量であれば酢のニオイも気になりません。あくまでも繁殖を防ぐ効果であって、滅殺菌ではありません。

酢を入れることに抵抗のある方は、調理器具の手入れで雑菌の繁殖を防ぐ方法はどうでしょうか。完全に沸騰させた熱湯をご飯しゃもじにかけることで簡単に消毒ができます。薬品の残留を気にすることもありませんし、使用前に洗う代わりになります。次に、握る時に気をつけることは素手で握らないことです。ラップで握ってそのまま保存する方法が最も簡単です。使い捨ての食品用手袋を使用されても構いませんし、おにぎり型を使用するときにはラップに取ったご飯ごと型に入れれば問題ありません。

この他、中に入れる具材を腐りにくい食材にすることと、海苔や漬物でまかないでご飯の状態でラップすることです。海苔は傷みやすい食材ですし、漬物も細菌が繁殖しやすく食中毒の原因になります。食べるときに巻いて食べましょう。

【2】熱いうちに作って蒸気を中に閉じ込める

粗熱をとってから調理するより、熱いうちに握って蒸気を閉じ込めた方が美味しくなります。冷凍おにぎりは自然解凍の状態ではご飯のデンプンがアルファ化していないので、パサパサの食感になってしまいます。そこで電子レンジで加熱することになりますが、電子レンジで加熱するとラップの中に水分が必要になります。この水分を冷凍するときに一緒に閉じ込めることで、加熱後にふっくらとしたおにぎりに仕上がります。ですから調理するときは、炊きたてご飯でラップを使っておにぎりを作り、粗熱をとってからフリーザーバッグに入れて冷凍するという手順になります。

【3】保存期間は1か月

保存期間は1か月で、肉などを具にしたときは1週間を目安にしてください。ラップに直接かけるペンもありますので、中の具を書いておくと後で食べるときに便利です。また、ジッパーバッグに作った日付を書いておくと保存期間を忘れることなく重宝します。

食べるときは、前日に冷蔵庫に入れ替えて自然解凍し、朝、電子レンジで加熱すると昼までは十分保存できます。どうしても電子レンジで加熱すると雑菌の繁殖が始まりますので、可能であれば自然解凍したおにぎりを持参し、食べる直前に電子レンジで加熱した方が安全で美味しく食べることができます。特に夏は気温も高くなりますので、そのまま冷凍庫から出して、食べるときに加熱した方が安心です。そして、電子レンジで加熱してからは、なるべく早く食べきることが大切です。

【4】家庭で作る冷凍おにぎりの具材選びのポイント

冷凍おにぎりの大切な具材選びのポイントを解説します。

(1)具材選びのポイント

具材選びのポイントは雑菌の繁殖を防ぐために、「水分が少ないもの」と「味が濃いもの」を選ぶことです。この他、冷凍することを考えると「油は少なめ」の方が日保ちはよくなります。おにぎりの定番のツナマヨはツナの油をしっかり切ってマヨネーズ少なめで作るか、やめた方が無難です。食べるときに加熱するので「生食用は避けます」。いくら、明太子はやめましょう。ただし、明太子やたらこは焼いてから使うのはかまいませんし、具として入れた明太子が生の状態ではなく加熱すると、焼いてから入れたものと食感が異なりプチプチとした食感を楽しめます。

(2)オススメ具材を紹介します

・具材を入れるタイプ

塩昆布・ゴマ昆布・おかか・じゃこ・焼き鮭

肉そぼろ・刻んだ鶏の唐揚げ

焼き肉・やきとり・ミートボール・ハンバーグ・ウインナー

特にきまりはありません。お好みのものや、おかずの一品までお試し下さい。

冷凍するので、電子レンジで加熱した時に、火の通りが均一になるようにご注意ください。ウインナーを入れるときは、具材が出ないように形を工夫してください。

・混ぜご飯タイプ

ゆかり・梅干し(種抜き)は刻んで混ぜると防腐効果が上がります。

ヒジキ、きのこ、切り干し大根など水分の少ない具材を濃いめの味付けにして入れます。

市販の混ぜご飯のもとを使われてもかまいません。

・炊き込みご飯・おこわ、炒飯、焼きおにぎりタイプ

炊き込みご飯のこんにゃくは冷凍すると食感がゴムのようになるので、細かく刻みます。この他、おこわも同じように冷凍することができます。また、中華ちまきも冷凍できます。ラップで包む必要はありませんが、竹の皮のままでなく冷凍やけによる乾燥を防ぐために、必ずジッパーバッグに入れましょう。炒飯はなるべく油分を少なくし、水分の少ない具で作ります。どちらも保存期間は1週間を目安にしてください。

焼きおにぎりも自宅で作ることができます。ご飯に醤油、みりん、ごまを加えて混ぜておにぎりを作り、オーブントースターにホイルをひいて焼いてから粗熱がとれたら、ラップに包んで冷凍すると完成です。

おにぎり

4)非常食のおにぎり その3:オイルおにぎり

食べるオイルにこだわる方も増えています。そこでオイルおにぎりも人気です。冷凍も可能ですし、ご飯だけのおにぎりより腹持ちがよく、安いお米が美味しく大変身と評判です。ご飯茶碗1杯に小さじ2分の1~1杯のゴマ油に塩昆布から試してみてください。オリーブオイルはオイルによって酸味や苦味を感じる方もあります。オイルおにぎりで人気のあるオイルはココナツオイルとマカダミアナッツオイルです。どちらもくせがなく、ほんのりと香りがして、いつものおにぎりとは一味違って楽しめます。

具材を入れたおにぎりの他に、具材をオイルで炒めて混ぜご飯にしてもオイルの風味を感じるおにぎりになります。オイルおにぎりが初めての方は、ごま油を入れたお試しタイプをホイルを敷いたオーブントースターで焼いて、焼きおにぎり風にすると美味しく召し上がれます。また、いつものおにぎりを手にオイルをつけて、作ってみる方法も初めての方にはおススメです。いきなり保存用に挑戦されるより、普段の食事でお試し下さい。

オイルブームのオイルは生で食することでオイルの持つ成分を美容や健康に生かすことが目的です。加熱するとそういった意味では期待できませんが、風味を味わったり、腹持ちをよくするなどのダイエット効果に変わりはありません。

おにぎりをにぎる

5)非常食のおにぎりの選び方の3つのポイントとは?

非常食のおにぎりを選ぶポイントはいくつかあります。

【1】保存期間と保存方法

まず選ぶポイントは、保存期間です。今回ご紹介したおにぎりは最初のアルファ米などを使用した本来の災害時のために長期保存する目的で製造されています。その点家庭で作る冷凍おにぎりは、オイルおにぎりも含めて、保存期間は1か月程度とアルファ米などに比べると極端に短くなります。

また、備蓄用に開発されたおにぎりは常温保存が可能です。直射日光を避け、一般的な食品を保管する状況であれば十分保存可能です。一方、冷凍おにぎりはその名の通り冷凍保存ですので、冷凍庫以外では保存できません。ですから、備蓄用として準備するのであれば、アルファ米やレトルト食品など非常食として販売されているものを購入することになります。

【2】調理方法

調理方法も大きく異なります。調理不要のものや、水やお湯だけで調理可能なものが備蓄用おにぎりは中心ですが、冷凍おにぎりは加熱が必要です。今回は電子レンジで加熱する方法をご紹介していますが、自宅で冷凍したご飯を自然解凍してから蒸して食べることもできますので、おにぎりでもこの方法は有効です。災害時であれば、ポリ袋クッキングで再加熱することもできます。

市販の冷凍チャーハンは凍ったままフライパンで調理可能ですが、おにぎりは固まりですので、凍ったままでは火の通りが外側の直接加熱されるところだけにとどまり、中まで火が通りません。炒める場合も自然解凍してからの方が手早く短時間に、均一に火が通って調理できます。この他、自然解凍した状態であれば、雑炊のようにだしで煮るとか、お茶碗に入れて熱いお茶やすまし汁をかけてお茶漬けにできますが、いったん冷凍したものは再加熱が望ましいので、鍋に入れて加熱調理されることをおすすめします。

【3】バリエーションと価格

バリエーションの豊富さは手作りにはかないません。どうしても備蓄用は混ぜご飯タイプか炊き込みご飯タイプになってしまいます。では、手作り冷凍おにぎりはどうでしょうか。中心に具材の入ったものから混ぜご飯、炊き込みご飯と様々で、具材も好みのものを入れることができます。

そして、価格に関しても備蓄用のおにぎりは開発費用や、加工費用、包装資材など、どうしてもおにぎり1個の値段としては割高になってしまいます。ところが、自宅で手作りであればコンビニおにぎりよりも低価格で作ることも可能です。お弁当用に作り置きする場合でも、食事の支度のついでに作れば、具材を準備する手間もかからず効率も良くなります。

自由な発想で作ることや、何が入っているか想像しながら食べる楽しみは、市販のものにはありません。自分で食べたいものを作ることと、家族が作ってくれたことはどちらもお金に換えられない、おにぎりが昔から愛される所以です。






この記事のポイント

【1】昔から日本人にとっておにぎりは携帯食や非常食として、親しまれてきました

【2】非常食としておにぎりも市販され、価格面では割高ですが、商品は徐々に増えています

【3】非常食として家庭で作る冷凍おにぎりが人気は、好みの具材で作る人が増えています

【4】非常食としてオイルおにぎりも種類豊富なオイルから選んで楽しめます

【5】家庭で作る冷凍おにぎりは衛生面を考慮し、ラップで握り食べる直前に温めます

【6】非常食として準備するおにぎりは目的や用途に合わせて選びましょう

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