避難の3段階を全解説!段階別に注意すべきことまとめ

近年は台風や豪雨による水害、それに付随する自然災害によって、各地で毎年のように大きな被害が起きています。気象庁が発表する防災気象情報や市区町村が発表する避難勧告などについて理解し、命を守るための避難行動について段階別にまとめます。






1)防災気象情報で気象の動向を確認しましょう

災害の可能性がある気象現象が発生した場合、まず初めにどのような気象現象であるか、どの地域にどのような被害の可能性があるかを把握しておかなくてはなりません。気象庁ではいろいろな気象現象について、災害につながるおそれがある場合に防災気象情報を発表しています。

防災気象情報はテレビやラジオのニュースや天気予報の他に、気象庁のホームページや、該当地域の市区町村ホームページなどで確認することができます。都道府県や市区町村は、これらの情報をもとに避難勧告などの防災活動を行います。

防災気象情報は、その気象現象によって種類が分かれています。ここでは、最近ニュースなどでもよく耳にするようになった防災気象情報について挙げてみます。

【1】台風情報

台風情報は、天気予報などでよく目にする台風の予報円などを使って、台風の実況と今後の進路などの予測を伝えます。

(1)台風の実況

気象庁は台風が発生すると、その進路によって3時間ごとに台風の実況を発表します。台風の中心、進行方向と速さ、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風域、強風域が伝えられます。現在の台風の中心位置が×印で表され、×印を中心とした赤い実線の円が暴風域を表します。暴風域内では、いつ暴風が吹き荒れてもおかしくないので注意が必要となります。

(2)台風の予報

気象庁は3日先までの台風の予報を発表します。内容は、台風の中心位置、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域です。予報円は破線で表され、台風の中心が到達すると予想される範囲を示します。予報時刻にこの円内に台風の中心が入る確率は70%です。

予報円の中心を結んだ点線が台風の進路予想で、予報円の外側の赤い実線で示された円が暴風警戒域です。日本列島に大きな影響を及ぼす台風が接近しているときには、1時間ごとに現在の中心位置などが発表されます。地域ごとに警戒が必要となる時間帯を把握できるので、台風の接近までにできる準備をしておきましょう。

【2】気象警報・注意報

大雨や強風などによって災害が起こる恐れがあるときに、注意・警戒を呼びかける目的で発表されます。

・注意報:災害が発生する恐れのあるときに注意を呼びかけて行う予報です。

・警報:重大な災害が発生するおそれのあるときに警戒を呼びかけて行う予防です。

・特別警報: 重大な災害が発生するおそれが著しく高まっている場合に発表し、最大級の警戒を呼びかけます。

これらは、危険度の高まりに応じて段階的に発表されます。また情報の内容や発表のタイミングは、都道府県や市区町村と連携し、避難勧告などの防災活動に役立てられます。

【3】気象情報

気象警報・注意報に先立って、1日~数日前から注意を呼びかける目的で発表されます。警報や注意報の発表中に、現象の経過、予想、防災上の留意点などを具体的に伝える必要があるときに発表されます。

【4】記録的短時間大雨情報

大雨警報の発表中に、その該当地域において数年に一度しか発生しないような短時間の大雨を観測した場合に発表されます。土砂災害や浸水害、洪水害の発生につながるような、稀にしか観測しない雨量であることを伝える目的で発表され、大雨を観測した観測点や市区町村が明記されます。該当地域にいる場合は、周囲の状況や雨の降り方に注意し、危険を感じた場合は、躊躇なく避難行動をとりましょう。

【5】土砂災害警戒情報

土砂災害警戒情報は、大雨警報の発表後に土砂災害の危険度がさらに高まった時に、対象の市区町村を特定し、都道府県と気象庁が共同で発表します。土砂災害の危険度についてはハザードマップを確認し、土砂災害警戒区域に指定されているなどの場合は、速やかな避難行動をとりましょう。

【6】今後の雨・雨雲の動き

今後の雨(降水短時間予報)は、気象レーダーやアメダスの情報をもとに、15時間先までの1時間雨量を予報したものです。雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)も同様に、数十分後の強い雨について予測したものです。短時間内での大雨や集中豪雨の動向を把握できるので、避難行動や防災活動の参考となります。

防災無線

2)「避難準備情報」から「避難準備・高齢者等避難開始」への名称変更

平成28年の台風10号では、東北・北海道の各地で被害が発生しました。特に高齢者の施設において大きな被害が発生したことから、高齢者ほか、避難に時間を要する人たちが避難を開始する段階であるということを明確にするために「避難準備情報」が「避難準備・高齢者等避難開始」に名称が変更されました。

【1】早めの避難行動のために

自然災害に対しての避難行動は、自らの判断でとることが原則です。市区町村が発表する避難勧告などは強制力のあるものではないため、いつ、どこに避難するかは一人一人があらかじめ確認しておかなくてはなりません。

【2】自宅や職場、学校のある地域は大丈夫?

市区町村では、災害が発生する危険性が高まった時、災害の種類別に地域を示して避難勧告などを発表します。自宅、職場や学校のある地域にはどのような危険があるのか、市区町村が作成しているハザードマップを確認しておきましょう。災害の種類ごとに避難場所と避難経路についても確認しておきましょう。

3)「避難準備・高齢者等避難開始」とは?

災害対策基本法56条の規定に基づいて、市区町村長から住民に向けて出されます。

【1】「避難準備・高齢者等避難開始」の目的

人的被害が発生するおそれのある場合に、避難行動を促す目的で出されます。避難勧告や避難指示(緊急)につながる可能性があります。

【2】「避難準備・高齢者等避難開始」が出された場合にとる行動は?

・高齢者の方、障がいのある方、乳幼児など、避難に時間を要する人とその支援者は、躊躇せず避難を開始しましょう。

・その他の人は避難の準備を始めましょう。家族と連絡をとったり、非常持ち出しリュックの準備をします。防災無線や市区町村のホームページ、防災気象情報に注意し、実際の周囲の状況も確認しましょう。危険を感じたら躊躇せず、すぐに避難を開始しましょう。

待ち合わせ場所

4)「避難勧告」とは?

対象地域に人的被害が発生する可能性が高まった場合に、災害対策基本法60条に基づき、市区町村長の判断で出されます。

【1】「避難勧告」の目的

対象地域の住民などの生命と身体の保護を目的として、安全な場所へ早めの避難を促すために出されます。強制力はありませんが、勧告の尊重を期待して避難を促します。

【2】「避難勧告」が出された場合にとる行動は?

・速やかに避難場所への避難を開始しましょう。

・周囲の状況によって、外出することがかえって危険な状況では、近くの安全な場所や自宅内のより安全な場所に避難をしましょう。

5)「避難指示(緊急)」とは?

災害対策基本法第60条で定められており、市区町村長が行います。避難勧告発令時よりも状況がさらに悪化し、人的被害の危険性が非常に高まった場合に出されます。市区町村長が避難指示を行えない場合は都道府県知事が代行することができます。また、市区町村長の要求があった場合は、警察官や海上保安庁が避難を指示することもできます。

【1】「避難指示(緊急)」の目的

避難勧告に従って避難を開始した人は迅速に避難を完了し、避難を開始していない人は速やかに避難を開始するよう、緊急性が高いことを伝えます。

【2】「避難指示(緊急)」が出された場合にとる行動は?

・まだ避難をしていない人は、緊急に避難場所への避難を開始します。

・周囲の状況によって、外出することがかえって危険な状況では、近くの安全な場所や自宅内のより安全な場所に避難しなければなりません。

・命を守るための最大限の行動をとらなくてはなりません。

放送無線

6)避難の3段階に関するQ&A

【Q1】避難勧告等はどうやって入手できる?

防災無線やテレビやラジオのニュース、緊急速報メール、市区町村のホームページなどで情報が得られます。情報の伝達手段は市区町村ごとに違うことがあるので、確認しておきましょう。

【Q2】避難準備・高齢者等避難開始が出るまでは安全?

必ずしも「避難準備・高齢者等避難開始」→「避難勧告」→「避難指示(緊急)」の順を追って出されるとは限りません。これらの情報が出されていなくても、周囲の状況によって身の危険を感じる場合は、躊躇せず避難を開始してください。

【Q3】「避難命令」はないの?

現在日本には、自然災害時に、法的拘束力や罰則のある「避難命令」はありません。避難行動は、自らで命を守る行動をとることが原則です。






まとめ

【1】自宅や職場・学校など、よく立ち入る地域については、災害種類ごとのハザードマップと避難場所、避難経路の確認をしておきましょう。

【2】災害につながるような気象現象が発生した場合は、防災気象情報に注意し、必要な情報を積極的に入手しましょう。

【3】「避難準備・高齢者等避難開始」が発令された場合は、避難に時間を要する人は速やかに避難を開始しましょう。

【4】「避難勧告」が発令された場合は、速やかに避難場所への避難を開始しましょう。

【5】「避難指示(緊急)」が発令された場合は、緊急に避難場所への避難を開始しましょう。外出することが危険な状況では、近くの安全な場所や自宅内のより安全な場所に避難しましょう。

 

【参照】https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/ame_chuui/ame_chuui_p8.html

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