保存食を長期保存できるもの4選&保存のテクニック解説

相乗効果をご存知でしょうか。単体でも価値のあるものを複数組み合わせることで想像以上のものを作り上げます。保存食も長期保存の夢を叶えるため、保存のテクニックを組み合わせることで25年の長期保存食を可能にしました。






1)そもそも保存食ってどういうもの?

保存食は「長期間にわたって貯蔵するために、腐敗を抑制する加工や処理がされた食品」と定義されます。

食品の腐敗の原因の主なものは、細菌の繁殖によるものです。細菌の繁殖を防ぐためには、食品の水分を減らすことが最も効果的であると考えられ、腐敗を抑制する加工は、水分を減らすことに主眼が置かれました。具体的には、乾燥や塩蔵、燻製などがあげられます。また、このテクニックを組み合わせて相乗効果を上げ、更に発酵なども取り入れて保存の長期化に加え、食味を進化させました。

人類にとって、狩猟や農耕で得た食料をできるだけ長期間食べ続けるために、保存食は生きていくための必要不可欠なものでした。ある程度食料の保存が技術的に可能になると、よりおいしいものへ、また地域の特産品として流通させていくなど、暮らしに合わせて、変わっていきました。保存食の変遷は人類にとって食生活の歴史そのものといえます。

2)保存食の長期保存ができる理由って?

保存食をより長期保存するためには、缶詰や脱酸素剤を使用し、保存期間を相乗的に長期化させることで効果を発揮しています。従来の保存食は乾物や漬物など半年から1年が保存の目安とされてきました。一方保存容器としての缶詰は3年が目安です。これに脱酸素剤を使用して、缶詰内の環境をより保存効果の高いものに変えたことで、最低でも5年保存を可能にしました。

野菜チップス

3)5つの保存テクニックの解説

それでは、個別に保存テクニックを解説していきます。

【1】テクニック1:フリーズドライ製法

フリーズドライ製法は、日本語では「真空凍結乾燥法」といわれています。食品を凍らせたまま、真空状態で水分を取り除く乾燥方法です。これに対して、従来の乾燥方法は熱風乾燥と呼ばれています。熱風乾燥に比べてフリーズドライ製法で最大の長所は復元性が良い事です。乾燥させた食品のダメージが少ないので、栄養素が損なわれることなく、出来立てのおいしさが味わえます。

フリーズドライ製法は、当初液体の粉末化に使用されました。インスタントコーヒーや顆粒状のスープを思い出される方も多いと思います。ここから進化を始め、最近では具の入ったみそ汁や、ご飯、パスタ、丼の素に至るまで製品化されています。

また、保存期間も1年未満のものから水分を極力減らすことで5年以上保存できる商品も販売されています。

【例】永谷園:フリーズドライご飯(梅しそ味・わかめ味・ピラフ味・カレー味):5年間保存可能でお湯で3分、水でも5分で調理できます。そのままスナック菓子風にでも食べられます。

【2】テクニック2:脱酸素剤

脱酸素剤は鉄が錆びるときに酸素を吸収するという性質を利用した鮮度保持剤です。食品は酸素に触れると酸化して品質が落ちてしまうので、脱酸素剤を使用して包装容器の中を無酸素状態にすることで鮮度を保持します。これにより、真空状態にパックできないものや食品に保存料を使用することなく、長期保存を可能にしました。

この他に、コーヒー用は炭酸ガスを吸収し、同時にその1割程度の酸素を吸収します。青果物用は野菜や果物が呼吸して発生する炭酸ガスを吸収するもので、酸素は吸収しません。このように食品によりその特性に合った脱酸素剤と同時に包装容器を適したものを使用することで、その効果を高めています。また、海苔などの乾物に入っている保持剤は乾燥剤でパックの中の水分を吸収するもので同じように「食べられません」と書いてありますが、全く異なるものです。

【3】テクニック3:缶詰

保存食といえば、缶詰の方も多いと思います。缶に食品を入れ蓋を乗せ、高温高圧で加熱することにより、蓋をし、中の食品も調理してしまいます。加熱が圧力鍋と同じ状態で行われるため、魚は骨ごと食べることができ、肉は柔らかくなります。また、この調理方法で食品の殺滅菌も可能にしています。飲料缶はペットボトルに変わったものも多く、食品は以前に比べて保存食としての需要の高まりに対応して、減塩商品やユニバーサルデザインも販売されています。

【4】テクニック4:レトルト食品

レトルト食品は正式にはレトルトパウチ食品といいます。レトルトパックに商品を封入し、120℃で1分から4分加熱殺菌したものです。缶詰などに比べて殺菌時間が短いため、保存期間が1年程度のものがほとんどです。また、日本ではカレーが生産量の半分を占めています。軽量で、調理方法も湯煎または器にあけて電子レンジの使用が可能な食品が多くなっています。

【5】テクニック5:特殊フィルム包装(4層アルミパウチ)

食品添加物を添加せず、脱酸素剤も使用しないで、5年保存を実現した特殊フィルムがあります。食品の品質劣化の原因は「熱・光・酸素」です。この原因のうち光を遮断し、酸素を通さない特殊フィルムで缶詰をイメージしています。このフィルムは4層構造で、外側から・特殊なバリア層・アルミ層・ポリエチレン層・異なるポリエチレン層の特殊構造です。なおこのフィルムは特注で商品開発と併せて、5年保存を実現しました。

【例】井村屋

・えいようかん(5年保存ようかん:アレルギー物質不使用です)

・チョコえいようかん(3年保存チョコ味ようかん)

悩む主婦

4)保存食を長期保存できるもの:タイプ1

【1】保存食+缶詰×脱酸素剤=長期保存クラッカー・長期保存アメ

【例】

・江崎グリコ:ビスコ保存缶

・東ハト:ハーベスト 香ばしセサミ保存缶

・ヤマザキ:ルヴァン保存缶

・前田製菓:保存缶 あたり前田のクラッカー

・パインアメ:パインアメ保存缶

従来の商品を密閉性の高い缶に入れ、脱酸素剤を封入し酸化を防ぐことで5年の長期保存を実現しました。ビスコに続いて、各社が看板商品を投入しています。特に、ビスコが甘いということもあり、乾パンの代用としてクラッカーの参入が多いようです。

5)保存食を長期保存できるもの:タイプ2

【1】アルファ化米+酸素を通しにくい袋×脱酸素剤=アルファ米(5年保存)

アルファ化米は炊きあがったご飯を適度に乾燥させることで、アルファ化したご飯のデンプンをそのままに、水分を加えれば再び煮炊きをしなくても、やわらかいご飯に仕上がります。イメージは炊きあがったご飯をずっと保温してカピカピになった状態です。

【例】尾西食品:アルファ米ご飯シリーズ

アルファ米は100%国産米を使用しています。製品により品種を変えるこだわりです。調理時間はお湯で15分、水なら60分です。

(1)サタケ:マジックライス

白米・わかめご飯・青菜ご飯・梅じゃこご飯・根菜ご飯・パエリア風ご飯・五目ご飯・ドライカレー・エビピラフ国産うるち米100%使用のアルファ米です。調理時間は熱湯で15分、水なら60分です。注水量を変えると雑炊としても食べられます。

(2)サタケ:マジックパスタ

カルボナーラ・ペペロンチーノ・きのこ(デミグラス風味)。国内で加工されたショートパスタを使用しています。湯伸びしにくく、アルデンテの食感を楽しめます。ブロックソースは底に入っています。調理時間は熱湯で3分、水なら20分です。

(3)LA/PITA(ラピタ):レスキューライス

白米・わかめ御飯・ピラフ・ドライカレー・五目ごはん・おかゆ・梅がゆ。アルファ米を最新の乾燥技術と商品パッケージに工夫をし、保存期間7年を実現しました。原料は岡山県産の米だけを使用しています。調理時間はお湯で25分、水なら60分です。

悩む主婦

6)保存食を長期保存できるもの:タイプ3

【1】フリーズドライ+缶詰×脱酸素剤=25年間の超長期保存が可能な加工食品とクラッカー

【例】サバイバルフーズ

・チキンシチュー・野菜シチュー

・洋風とり雑炊・洋風えび雑炊クラッカー

フリーズドライ商品は国内生産(永谷園)です。フリーズドライ製法で食品の水分だけを98%(極限まで)除去しました。そして、封入する缶内は窒素重点や脱酸素剤を使用して酸素を98%除去しました。確実に缶を密封することで、保存状態が正しければ25年の保存が可能です。

シチューや雑炊は鍋に入れて水を加え、中火で加熱し、5分蒸らして完成です。

7)保存食を長期保存できるもの:タイプ4

【1】食品+4層アルミパウチ×窒素ガス置換包装×加圧加熱殺菌=ロングライフフーズ

【例】LLC

LLF(ロングライフフーズ)備蓄やわらかご飯・白粥・梅粥・鮭粥・超しっとりコッペパン・やわらかナポリタンスパゲッティ・豚汁・鯖味噌煮・きんぴらごぼう・ウインナーソーセージ・手作りデミソース煮込みハンバーグ・筑前煮・おでん・肉じゃが・野菜カレー

カテゴリーはレトルト食品です。全て6年間の常温保存が可能です。アルミパウチの品質向上とレトルト食品の加圧殺菌機の改良型が開発されたことで、常温長期賞味期限食品(ロングライフフーズ)が実現しました。このままでも食べることができますが、商品によっては温めるとよりおいしくなります。袋ごと湯煎で5分、電子レンジを使用するときは器にあけて3分です。

主婦 考える

8)長期保存に関するQ&A

【Q1】長期保存食って賞味期限何年?

一般的に保存食は缶詰の賞味期限が3年の商品が多いことから、缶詰以外の形態であっても、3年が目安です。一方長期保存食はほとんどの場合、5年以上を指します。以前は3年以上でしたが、技術の進歩で5年以上の商品が増えてきたので、現在は5年以上を長期保存食品と呼びます。ですから、将来はもっと長い期間が基準になる可能性があります。

【Q2】何で長期保存がいいの?

災害に備えた備蓄食料で困ることは、賞味期限の管理でした。特に自治体や企業の備蓄食料は、一般家庭と異なりローリングストックによる管理をする場合、期限近くのものを廃棄することもありました。せっかく買ったものに処分費用を使って廃棄してしまうことは二重の無駄になってしまいます。そこで、備蓄する食料の保存期間が長ければ長いほど、買い替えの必要がなくなります。賞味期限の管理も楽になり、購入費用も長い目で見れば割安になります。






この記事のポイント

【1】保存食は、長期間貯蔵するために腐敗を抑制する加工や処理がされた食品です。

【2】保存食に缶詰や脱酸素剤を併用して、相乗効果により長期保存を実現しました。

【3】保存のテクニックはフリーズドライ、脱酸素剤、缶詰、4層アルミパウチなどがあります。

【4】保存食の長期保存は保存食や保存のテクニックの技術の進歩が生み出しました。

【5】超長期保存食により、備蓄食料の管理が楽になり、経済的にもメリットがあります。

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