おすすめ保存食の野菜のあれこれ5選!作り置きができる?

保存食は食材を無駄にせず、保存性を高め、安全においしく食べるために考えられてきた、先人の知恵です。野菜で保存食を作っておけば日常の食事だけでなく、災害時の野菜不足を補うことにも役立ちます。災害時に有効な野菜の保存食についてまとめます。






1)災害時に野菜が必要な理由

災害時の非常食というと、アルファ米、お粥の缶詰、パンの缶詰など主食にあたるものがまず思い浮かびます。しかし最近では、災害時の食事にも栄養のバランスが大切ということが言われています。

【1】まず必要なのは水とエネルギー

人が非常時に、最も必要な栄養は水とエネルギー(カロリー)です。水とエネルギーが枯渇すると、人は生命を維持することができません。ですから、災害時に水を備えることは必須ですし、効率の良いエネルギー源として糖質が主であるごはんやお粥、パン、お菓子類を備えておくことは有効です。

【2】貴重な被災された方々の意見

阪神・淡路大震災後の調査の中で、被災された方々が最も食べたかった食品は「野菜」という結果が出ています。被災地に届く食品の支援物資は菓子パンやおにぎりが多かったこと、家庭に備えられている非常食もインスタントラーメンや缶詰が多かったことなどから、避難生活が長期化する中で、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が不足し、体調を崩したり便秘に苦しんだ方が多かったということです。

【3】被災生活で野菜を摂ることは難しい?

多くの野菜は、食べるために洗浄と調理が必要です。災害時、ライフラインが停止した状況では、野菜を洗って食べることは難しくなります。また停電により冷蔵庫が止まってしまうと、冷蔵庫で保管していた生野菜も腐ってしまいます。

2)野菜の摂り方を時間経過で考える

災害発生から数日間は、災害の種類や程度によって状況は大きく変化します。また、地域によってもその状況は大きく異なります。臨機応変な対応がとれるように備えておき、できるだけ早い時期に野菜を食事に取り入れていきましょう。

【1】発災直後から3日

ライフラインの停止を予測して、水も熱源も使用しないで食べられるものを備えましょう。野菜ジュースは水分摂取も同時に摂取できるので有効です。好きな種類のものをローリングストックしておくことをおすすめします。特に子供は、飲み慣れない野菜ジュースを嫌がることがありますので、日頃から好きな野菜ジュースをみつけて一定量を買い置きしておきましょう。また自宅避難が可能な場合は、冷蔵庫で保管していた野菜の保存食や常備菜を食べるのもこの時期です。冷蔵庫内の食品を悪くなる前に食べてしまいましょう。

【2】4日以降

缶詰やレトルトのおかず類を使って、可能な範囲で主食とおかずのある、普段の食事に近づけます。カセットコンロが使えれば、レトルト食品を温めたり、乾燥野菜などを使って汁物を作ることができます。周辺環境やライフラインの状況に応じて、可能な調理を始めましょう。

【3】1か月後

多くの地域で周辺の環境が落ち着き始め、ライフラインが復旧し始めます。常温でも長持ちする根菜類(じゃがいも・玉ねぎ・ニンジン・ゴボウなど)は、食べられる状態で残っている可能性があります。店舗の営業が再開されたら、葉物や果菜などの生鮮野菜も取り入れましょう。

乾燥トマト

3)野菜の保存食を作るポイントとレシピ

食物は微生物の働きによって腐敗が進みます。微生物の活動に大きく影響するのが「水分」「温度」「酸素」の3つといわれます。つまりこの3つをうまくコントロールすることで、微生物の活動を抑え、食物の劣化を遅らせることができるのです。

【1】水分を除く

食品から水分を除く方法は、食材を乾燥させることです。干しシイタケや切り干し大根などは一般的ですが、同じように他の野菜も乾燥させることができます。乾燥することで栄養素やうま味もアップします。特にビタミンDはきのこ類を天日に干すことで大幅に増えます。

(1)乾燥野菜の作り方

野菜を適当な大きさに切って、表面の水分を拭き取り、ザルや市販のネットに広げて天日に干します。表面積は大きく、厚さは薄く切る方が乾燥しやすくなります。できるだけ重ならないように並べて干しましょう。お天気のいい日中に外に干し、上下を返すなどしてしっかり乾かします。乾燥が不十分だと、すぐにカビが生えるので注意してください。天日だけで完全に乾燥することが難しい場合は、電子レンジで追加乾燥することもできます。

<電子レンジでの追加乾燥の方法>

1.耐熱の平らなお皿にキッチンペーパーを敷き、天日に干した野菜を重ならないように並べます。

2.電子レンジ500Wで30秒から1分くらいを目安に、短時間ずつ繰り返します。

3.カラカラに乾燥したらできあがりです。

※やり過ぎると焦げてしまします。危険なので、電子レンジのそばを絶対にはなれないでください。

(2)ドライトマトの作り方

1.プチトマトは洗ってヘタをとり、水分を拭き取り半分に切って、種を取り除きます。

2.平たいザルに並べて、お天気のいい日中に干します。

3.天板にオーブンシートを敷いて切り口を上にして並べ、まんべんなく塩を振ります。

4.140℃に予熱したオーブンで30分~1時間ほど焼きます。トマトから水分が出てきたら、キッチンペーパーなどで水分を拭き取り、さらに30~1時間焼き、水分がにじみ出なくなれば完成です。

※しっかり冷ましてから、スライスしたニンニクやお好みのハーブと一緒にオリーブオイルに漬け込んでおくと、パスタやピザに手軽に使えます。

【2】塩漬けにする

塩には、浸透圧により食物から水分を出す作用があります。これを利用したのが塩漬けです。白菜の漬物、梅干しなどがその代表といえます。保存性を高めるには塩分濃度は10%程度が必要です。塩分2%程度の場合は冷蔵庫で保管し、早めに食べましょう。

(1)きゅうりの塩漬け

1.きゅうりは洗って粗塩をまぶしつけて、まな板の上で転がします。この作業を板ずりといいます。

2.漬物容器にきゅうりを入れます。容器の大きさに合わせて切っても大丈夫です。

3.きゅうりが半分浸かるくらいの2%の塩水を入れて漬けます。

4.重しをして、一晩から食べられます。漬け汁を絞って、適当な大きさに切って食べましょう。

※生姜の千切りや昆布を一緒に漬け込んでもおいしくできます。

(2)白菜の塩漬けの作り方

・材料(作りやすい分量 小さめの白菜1株分くらい)

白菜     2㎏
粗塩     80g(白菜の4%)
昆布     5㎝角くらい
鷹の爪    1~2本
柚子の皮   適量(お好みで)

1.白菜は洗って外葉を外し、白菜の根元に十字に切り込みを入れて、手で4つに割ります。

2.平らなザルに切り口を上にして並べ、数日外に干します。外した外葉も一緒に干します

3.容器の底に粗塩を軽く一握り振ります。昆布は布巾などで汚れを落とし、1㎝幅に切ります。

柚子の皮は適当な大きさに切っておきます。

4.白菜の切り口を上にして根元と葉先を交互にして、2個を入れます。葉先は曲げて詰めて大丈夫です。5.昆布、柚子の皮、鷹の爪を散らし、塩を振ります。

6.4.5.をもう一度繰り返し、最後に外葉を並べます。食品用ラップを敷いて2㎏の重しを乗せます。

7.ビニール袋をかぶせて、風通しの良い気温の低い場所に置きましょう。冷蔵庫に入れても大丈夫です。

8.2~3日で水が上がってきます。水が上がってきたら、重しを半分に減らしましょう。

9.密閉容器に入れ替えて冷蔵庫で保管しましょう。

【3】砂糖漬けにする

砂糖には保水する性質があり、微生物の活動を抑制します。また、糖度を高くすることで酸化防止の効果もあります。砂糖漬けの代表はフルーツなどを使ったジャムですが、保存性を高めるためには糖度が60~65%以上必要といわれます。自家製のジャムは甘さを調整できるのが良い反面、砂糖を減らすことでカビが生えやすくなるので、早めに食べきりましょう。

(1)ミニトマトのシロップ漬けの作り方

1.ミニトマトは湯むきしておきます。

2.水300mlに砂糖150gを入れて火にかけて沸騰させ、レモン汁を数滴入れます。

3.煮沸してよく乾かしたビンにミニトマトを入れておきます。

4.ミニトマトが浸るように、シロップが熱いうちに漬けます。

5.冷蔵庫で冷やしてから食べましょう。

(2)レモンの砂糖漬けの作り方

・材料(作りやすい分量)

レモン     3個(国産ノーワックスのレモン)
砂糖      150g

1.レモンは良く洗って、薄く輪切りにスライスします。

2.煮沸してよく乾かしたビンに、レモンと砂糖を交互に入れます。一番上は砂糖で終わるようにします。

3.数日で水分が出てできあがります。

※はちみつや黒糖を使っても作れます。冷蔵庫で保管しましょう。

蜂蜜レモン作り

【4】酢漬けにする

酢には殺菌効果があり、さらに酸性度を高くする頃で微生物の活動を抑制します。らっきょう漬けやピクルスが代表です。酢漬けにするときは、漬け込む野菜全体が酢に浸っていることが必要です。酢から出て空気にふれている部分があると、そこからカビが発生しやすくなります。

(1)基本のマリネ液の作り方

・材料(作りやすい分量)

水       200ml
コンソメ    適量
酢       200ml
塩       大さじ1/2
砂糖      お好みの量

1.水にコンソメを入れて火にかけて沸騰させます。

2.1.が冷めてから、酢、塩、お好みで砂糖を入れてよく混ぜます。

※お好みでニンニクやドライハーブ、香辛料などを加えると、よりおいしくなります。

(2)野菜の酢漬け(生のまま漬ける)

1.きゅうり、ミニトマト、パプリカなどは、加熱せず生のまま漬けることができます。

2.きゅうりのイボは包丁の背でこそげ落とし、よく洗って水けを拭き取り、適当な大きさに切ります。

3.ミニトマトは湯むきしておきます。

4.パプリカはヘタと種を取ってから、洗って水けを拭き取り、適当な大きさに切ります。

5.それぞれを、煮沸してよく乾かしたビンに詰めます。

6.野菜が浸るように、マリネ液を注ぎます。

(3)野菜の酢漬け(加熱してから漬ける)

1.きのこ類、レンコン、ニンジン、ゴボウなどは、加熱してから漬けることができます。

2.それぞれ洗って適当な大きさに切り、湯通しします。

3.ザルにあげて、水気をよく切っておきます。

4.それぞれを、煮沸してよく乾かしたビンに詰めます。

5.野菜が浸るように、マリネ液を注ぎます。

【5】油漬けにする

油で食材をコーティングすることで、水分と空気を遮断します。油に漬け込む前に塩で下処理し、油で加熱することで保存性が高まります。酢漬けと同様に、食材が空気にふれないように油の中に浸っていることが必要です。

(1)パプリカのオリーブオイル漬け

1.パプリカは半分に切って種を取り、洗ってよく水気を拭いておきます。

2.オーブントースターやグリル、焼き網などで、少し焦げ目がつく程度に焼きます。

3.冷ましてから、煮沸してよく乾かしたビンに詰めます。

4.パプリカが浸るように、エキストラバージンオリーブオイルを入れます。

※お好みでドライハーブを一緒に漬け込んでもよいです。

(2)大豆のオリーブオイル漬け

1.大豆の水煮は水気をよく切っておきます。

2.鍋に大豆を入れて、浸る程度にオリーブオイルを入れます。塩・コショウ、お好みのドライハーブを入れます。

3.火にかけて、100℃程度で10~30分(作る量によって異なります)、ゆっくりと加熱します。

4.そのまま冷まし、煮沸してよく乾かしたビンに詰めます。

※加熱中は温度計で温度を測り、絶対にそばを離れないでください。

野菜ジュース

4)備えておきたい、保存できる野菜

野菜を摂りにくい状況の災害時、野菜の代替として野菜ジュースを備蓄しましょう。好きなものを揃えてローリングストックすることをおすすめします。

【1】野菜ジュースを備えるメリット

野菜ジュースをローリングストックするメリットはたくさんあります。

・水分補給にもなる。

・開封してすぐ飲め、手を汚さない。

・常温でも比較的飲みやすい。

・一人一人に分けやすい。

・持ち運べる。

・食欲がないときにも飲み物なら摂りやすい。

・比較的賞味期限が長い。

【2】アルファ米を野菜ジュースで作る⁈

通常アルファ米は、必要な量のお湯や水で戻して食べます。同じように、お湯や水の代わりに野菜ジュースを使って戻すこともできます。おかずがなくて白いご飯だけでは食の進まない場合や、小さな子供には特に喜ばれるようです。気になるほどの甘みは残りませんが、食べる前にお好みで塩・コショウなどで味を整えれば、さらにおいしく食べられます。

野菜

5)保存食・野菜に関するQ&A

【Q1】保存ビンを割らずに煮沸する方法は?

保存ビンを煮沸するときは、必ずたっぷりの水から火にかけます。10分ほど沸騰を保ちますが、あまりグラグラ煮ると鍋や他のビンとぶつかって割れることがあります。お湯から出した後も、急に冷えると割れることがあるのでゆっくり冷まします。網の上などに逆さにしておくと自然に乾き、拭かなくて済むのでさらに衛生的です。

【Q2】どんな野菜でも乾燥野菜にできる?

乾燥野菜に向いているのは、水分の少ない野菜といえますが、ほとんどの野菜は乾燥野菜にすることができます。野菜の切り方によっても食べるときの食感が変わるので、切り方を変えて乾燥させるのも良いと思います。葉物野菜の葉先と茎などは、切って分けてから乾燥させましょう。

【Q3】手作りの乾燥野菜の日持ちはどのくらい?

しっかり乾燥させたものは、冷蔵庫で1年以上の日持ちが可能な場合もあります。長期間日持ちをさせるには、お天気のいい日にしっかり日光を当てて干し、乾燥が不十分な場合は、電子レンジなどで追加乾燥しましょう。






まとめ

【1】災害時の食事に不足しがちなのは野菜です。

【2】日頃から野菜の保存食を作っておくことで、災害時にも野菜を摂ることができます。

【3】野菜で保存食を作るには「乾燥」「塩漬け」「砂糖漬け」「酢漬け」「油漬け」の方法があります。

【4】野菜ジュースは災害時に野菜の代替になります。ローリングストックしておきましょう。

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