自衛隊のご飯は最強?防災時にもってこいの理由5選

自衛隊の食事『ミリメシ(ミリタリー飯の略称)』を知っていますか。一昔前では非常食といえば決しておいしい食べ物というイメージは持っていませんでしたが、現在では味もメニューも見違えるように進化して食事としてもより身近なものになっています。






1) ミリメシは50年以上前から作られている

自衛隊の食事は大きく分けて自衛隊員が駐屯地の食堂で食べる平常食、通常の食事が食べられない病気の自衛隊員に支給される患者食、そして災害派遣や地震防災派遣の際の非常食として支給されるのがいわゆる私たちがミリメシと呼んでいる『戦闘糧食』というものです。

戦国時代の日本では戦に駆り出される兵士は加熱した米やサトイモの茎を乾燥させたものをそのままかじったりお湯で戻して食べるという保存食を活用していましたが、ここでいう戦闘糧食の元祖は米軍で作られたものが先駆けといわれ、その後各国の食事に合わせて開発が進みました。日本では1965年に採用された『とり飯』をはじめとして現在では実に22種類があります。

2)防災時だからもってこいの『ミリメシ』5つのポイント

ポイント1:保存性にすぐれている

非常時を想定しての食事なので長期保存がきくというのは不可欠なポイントだと言えます。ミリメシは缶詰タイプのカンメシと呼ばれる戦闘糧食Ⅰ型とレトルトパックタイプのパックメシ呼ばれる戦闘糧食Ⅱ型に分けられ、缶詰タイプのカンメシは3年、レトルトパックタイプのパックメシは1年保存することが可能です。これらの自衛隊が実際に利用している戦闘糧食はカモフラージュのため濃い緑色の地味なパッケージで支給されています。

ポイント2:必要なエネルギーをしっかり補給

人間はエネルギーとタンパク質が欠乏すると健康な体を維持し活動するために必要な栄養素が不足します。これを低栄養といって栄養素が欠乏している状態が続くと骨、筋肉、免疫力、気力、体力、認知機能まで低下する恐れがあります。

通常の場合なら、低栄養は少食になる高齢者に注意すべき状態なのですが、食糧の不十分な災害時には低栄養状態に陥る可能性が平常時よりも高いと言わざるを得ません。生命維持のために必要なエネルギーは成人で約1300~1500kcalが必要とされていますが、自衛隊のミリメシは1800kcalを摂取できるよう作られているのでエネルギーが欠乏するという事態を避けることができます。

ポイント3:携帯性

戦闘糧食は災害派遣時に用いられるだけに重くて場所をとるようでは話になりませんが、ミリメシ(市販されているパックメシ)は500グラム程度です。500グラムという重量だけ聞くとレトルト食品としてはかなり重いように感じられますが、高カロリーでボリュームのある食事をかさばらず十分に持ち運べるサイズにしっかりと凝縮して作られているのです。

ポイント4:調理の手間は一切なし

災害時には電気・ガス・水道のライフラインが一時的に使えなくなることが想定され、カセットコンロの備蓄がない限り加熱調理するということは難しいです。ミリメシは開封すれば食べられるので調理の手間や火の心配は全くありません。

パックメシのなかには簡易加熱材を使用して温めるタイプのものもあります。また付属のスプーンと容器で食事がすべて済ませられるので洗い物をするための水を節約でき、またゴミを処分する手間を簡略化することもできます。

ポイント5:味はお墨付き

ただ単に栄養を取ればいいということでは決してなく、おいしい食事ができると脳から満足感が得られるホルモンが分泌されて精神的にも良好な状態が得られます。

災害時では不便な避難生活が続くとどうしてもストレスが蓄積してしまうのですが、それを解消するためにもおいしい食事が食べられるというのはとても大事なことです。自衛隊のミリメシは1992年の国連平和維持活動のカンボジア派遣の際『戦闘糧食コンテスト』で参加国1位の成績を残し、そのおいしさが世界でも認められています。

炊き出しをする自衛官

3)保存のコツってどういうところ?

目安として常温での賞味期限が半年以上あるものを選び、災害時でなくとも1年に1回程度は保存食の日付を確認するようにしてください。

普段の食事にも活用して、賞味期限が迫っている順に一つ食べたら一つ補充する『ローリングストック法』を実行していれば、いざ非常事態の時に賞味期限切れで食品を無駄にすることもありません。また日常的に食べ慣れているものであればより食事に関するストレスはより一層抑えられるでしょう。

4)備えるのは物だけじゃない

自衛隊のミリメシは調理の手間をかけずに高いエネルギーを補給でき、おいしさも国連平和維持活動の際のコンテストで世界的に認められており食事としても非常に満足のいく仕上がりになっています。

もちろん食糧の十分な備蓄がされていることは重要ですが、食糧だけではなく常備薬や日用品などの備えも十分にしておく必要があります。「備えあれば患いなし」という諺が古くから伝えられているように、備蓄をしておくということはただ単にモノを用意するということに留まらずいざという時にパニックに陥らないための『安心感』を蓄える行為でもあります。

自衛隊

5)ミリメシ・保存食に関するその他のQ&A

【Q1】ミリメシは買えますか?

実際の自衛隊員が食べているミリメシは自衛隊の中だけ消費されるものであり市販されているものではありません。また自衛隊員が個人で持ち帰ったり転売をすることも一切認められていません。私たちが購入できるのは自衛隊に戦闘糧食を提供している製造メーカーが同じ食材・製法で一般消費者向けにパッケージを改変して販売しているパックメシ(戦闘糧食Ⅱ型)です。市販のパックメシはインターネット通販で手軽に購入することができます。

【Q2】売っているのはパックメシだけですか?

戦闘糧食の製造メーカーが一般向けに販売しているミリメシはパックメシ(戦闘糧食Ⅱ型)のみで、缶詰タイプのカンメシ(戦闘糧食Ⅰ型)の民生品は作られていないそうです。

【Q3】防災食って何日分あればいい?

農林水産省のホームページによると緊急時の家庭用での食料品の備蓄は『最低3日分、できれば1週間分以上』用意しておくことを推奨しています。保管場所も一か所に全部まとめるよりも家庭内で数か所に小分けにして保存しておくほうが望ましいです。

もちろん保存がきく食べ物とはいえ賞味期限というものがあるので「とりあえず買っておけば大丈夫だろう」と買ったまま何年も放置しておくことはお勧めしません。

【Q4】それでも自治体に備蓄があるんじゃないの?

自治体に備蓄されている食料は東日本大震災後の2011年4月の時点で1,230万食でした。これは人口一人当たりで計算すると10人に1人分の食事しか行きわたらないという計算になります。その後も大きな災害が起こるたびに備蓄食糧が足りなくなるという事態がかならず起こっています。

つまり、自治体では最低限の分ですらまったく賄えないということです。それぞれの家庭で必要最低限の保存食を用意しておけば配給の行列を待つ不安や食事が満足にできなくなるストレスも解消されます。






まとめ

自衛隊が半世紀以上にわたって加工技術を進歩させながら作ってきた『ミリメシ』は災害時の不安やストレスを抱える状況での食事にあたってこれ以上ない安心感を与えてくれる最強の保存食であるといえるでしょう。災害時の心強い備えとして皆さんのご家庭にも『ミリメシ』を置いてみるのはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です