地震のボランティアに行く前に!知っておくべき事前情報まとめ

災害ボランティアが体系的に整備され、その重要性が社会的に認識されたのが1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神淡路大震災以降といわれています。地震後の現地で、効率的なボランティア活動をするための心構えや準備について理解しておきましょう。






1)ボランティアとは何?3つの前提知識

従来日本では、「ボランティア活動」=「奉仕活動」と訳されることが多く、宗教的なイメージや特定の人が行うことのようなイメージもありました。しかし、近年頻発している自然災害のたびにボランティアの活動はテレビなどでも報道されるようになり、一般にボランティア活動への関心が高まっています。

【1】前提1:自発的行為であること

ボランティアはあくまでも自発的な活動です。個人の意思で行動するものであり、個人の利益を目的とせず、利他性が求められます。明確な定義はありませんが、一般的には「自発的な意思に基づき他人や社会に貢献する行為」を指してボランティア活動と言われています。

【2】前提2:無償であること

個人がボランティア活動を行う場合は「無償であること」が基本です。場合によっては、活動にかかる交通費や食事代の支給がある「有償ボランティア」も存在しますが、あくまでも、ボランティアを受ける側の「お礼の気持ち」ですから、ボランティアを行う側から請求するものではありません。

特に地震などの災害後は、それまでの日常が大きく変化している状況ですから、ボランティア活動を行うために必要なことは、すべて自分で用意して向かう必要があります。

【3】前提3:継続的であること

地震などの災害直後は多くのボランティアが駆け付けますが、時間の経過とともに減っていくのが現状です。状況が回復していけば、ボランティアの必要量と活動内容に変化はありますが、現地の状況に即した活動が継続して支援されることが必要です。

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2)ボランティア活動に向かう前に必要な準備は?

実際にボランティア活動を行うにあたり、必要な準備を具体的に挙げてみましょう。

【1】心構え

最も大切なのは、自分自身が自立していることです。自分のことは全て自分でどうにかするということと、現地の天候による状況の悪化や、特に震災では余震の心配もありますので、自分の身は自分で守る覚悟も必要です。

(1)現地の状況を知っておく

活動を始めるにあたり最初にすることは、現地の状況を把握することです。具体的な被害の状況と、今何が必要なのかを理解しておきましょう。

(2)コミュニケーションと意思の尊重

災害ボランティアは、被災地や被災された人たちの生活を具体的に支援することが目的です。「こうしてあげたらいいだろう」という勝手な思い込みで活動することは、最も避けなければなりません。しっかりとコミュニケーションをとり、相手が何を望んでいるかを理解しましょう。また被災した現地の人も、ひとりひとり異なる状況と気持ちを持っています。相手の気持ちを尊重して活動することが大切です。

(3)自己管理と二次災害の防止

自分の健康管理に注意しましょう。疲労や睡眠不足などから体調不良を引き起こさないようにしましょう。現地では、医療機関も十分に機能していない可能性があります。ケガや病気、事故には細心の注意が必要です。万が一の事故などに備えて、ボランティア保険には必ず加入しましょう。現地でも加入は可能ですが、事前に加入しておきましょう。

また、ボランティアとしてできること、できないことを考えて行動しましょう。自らが危険な目にあったり、無理をしてケガをしては本末転倒です。

【2】情報の入手

事前に必ず現地の状況について調べましょう。現地や現地の災害ボランティアセンターのホームページやSNS、関連団体のホームページなどで情報が得られます。災害の内容や経過時間によって必要とされるものは変化しますので、現地で必要な活動内容や役割を確認しておきましょう。活動に必要な事前の準備は状況により変化するので、同じ場所に複数回行く場合も、その都度確認しておきましょう。

【3】備品・その他の準備

災害の種類や気候・天候、活動内容によって必要な物は変わります。荷物はできるだけコンパクトにリュックに詰めましょう。活動時も貴重品は身に着けておけるように、小さなバッグがあれば便利です。

(1)服装

・動きやすい服装、帽子、防寒具、軍手、丈夫な靴、など。

服装は季節や活動の内容でも変わってきますが、基本は長そで・長ズボンです。あまり薄手の素材ではケガの可能性もあるので、服の素材にも注意しましょう。天候や昼夜の気温差なども考慮しましょう。

(2)携行品

・懐中電灯、雨具(カッパ、ポンチョなど)、ゴミ袋、携帯ラジオ、電池、など。

活動の内容でも変わりますが、ヘルメットや長靴が必要な場合もあります。

(3)食料

・飲料、食品(パン、栄養調整食品、飴、その他)、など。

飲料は、水とスポーツドリンクの両方が準備できれば安心です。活動時は汗をかく作業も多いので、体調管理にスポーツドリンクは有効ですし、水は、もしものケガの時などは傷口を洗うことができます。食品は手が汚れていても食べられるように、開封してすぐに食べられるものが適しています。

カロリーメイトやウイダーインゼリーに代表される、栄養素が調整されているものは体調管理の面でも有効です。食料も自分の分は自分で用意して持ち込むのが基本ですが、現地での滞在期間が長期に渡る場合は、現地、または現地周辺地域で飲料や食品の入手が可能かどうかについても事前に確認しておきましょう。

(4)生活品

・タオル、救急セット(絆創膏、飲み慣れた常備薬、滅菌ガーゼ、テープ、など)、マスク、ティッシュペーパー、ウエットティッシュ、など。

粉塵対策や感染症予防のためにもマスクは必需品です。万が一の体調不良のために、飲み慣れている常備薬も持参しましょう。

(5)その他

・保険証、運転免許証、筆記用具、宿泊場所の確保、ボランティア保険の加入手続き、など。

地域によって交通事情が異なりますが、活動に車を使用することもあるので、運転免許証は持参しましょう。大型免許や特殊車両の運転ができる場合も役に立つかもしれません。宿泊場所も各自で確保します。車中泊や寝袋を持参する人もいますが、滞在日数が長期間になると疲労も溜まります。近隣市町村のビジネスホテルなど、体を休められ場所に宿泊することを勧めます。

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3)災害ボランティアセンターとは?

全国から集まるボランティアの調整機関が「災害ボランティアセンター」です。混乱している被災地で、ボランティアの活動を円滑に進めるために設置されます。

【1】災害ボランティアセンターってどんな人たちが行なっているの?

一般的には、被災した地域の社会福祉協議会(略称:社協)とボランティア活動に関わる関係団体、そして行政が協働で組織されます。また、災害ボランティアセンターの運営について知識や経験があるボランティア関係団体が、被災地以外から駆け付ける場合もあります。

【2】災害ボランティアセンターの主な4つの役割とは?

災害ボランティアセンターの役割は、全国から集まったボランティアの人たちが、円滑に効率よく活動できるように取り仕切ることです。

(1)現地の要望(ニーズ)の把握

現地で困っている事は何か、どのような活動が必要なのか、ニーズの収集を行います。地域の状況を理解している地元関係者などに協力を得て、活動内容についてのチラシを配布したり、バイク隊を作り、直接被災地を回ってニーズの聞き取りをしたりします。ニーズを集めることで、必要な場所に必要な活動を届けることができます。

(2)ボランティアの受け入れ、調整(マッチング)

全国から集まったボランティアは、災害ボランティアセンターで受付をします。ボランティアに現地の状況や必要な作業内容などの情報を提供し、人員と派遣場所の調整をします。活動のために必要な備品や機材などがある場合は、それらを準備します。

ボランティア保険に未加入の場合は災害ボランティアセンターでも加入手続きができますが、原則としては、現地に入る前に加入しておきましょう。

(3)ボランティアの派遣

要請に応じて必要人員のボランティアを派遣します。少人数のチームで活動することが多くあります。出発前には活動時の注意点などの説明が行われます。

(4)報告と振り返り

活動が終了したボランティアは、活動の内容を災害ボランティアセンターに報告します。気づいたことや、

新しいニーズなどをセンターに報告し、その後の活動に生かします。

4)ここには注意を!モンスターボランティアって何?

ボランティア活動が特別なものではなく、身近なものになることは良いことですが、その本質を理解しないままボランティアに参加することで「迷惑なボランティア」になるケースがあります。「モンスターボランティア」と呼ばれるのは、そのような迷惑なボランティアの人たちです。

【1】モンスターボランティアはどんなことをするの?

具体例としては、

・無料の宿泊所(避難所)などを要求する。

・被災者用の物資を使ってしまう。(水・食料・トイレットペーパーなど)

・危険な作業を勝手に行ってケガをする。

・活動がニーズに沿っていない、身勝手な行動をとる。

などの行動があります。他にも、思いやりに欠ける言動や自分の価値観を押し付ける発言など、目には見えにくいけれども、周りの人たちが嫌な思いになるというケースもあります。

【2】モンスターボランティアにならないために

次のことを守りましょう。

・ボランティア活動は全て自己管理、自己責任です。

・事前に現地のボランティアセンターに確認をとり、活動はボランティアセンターの指示に従います。

・自分の安全は自分で守ります。

・自分で使うものは自分で用意します。

・被災した人たちを尊重し、個人のプライバシーを守ります。

ボランティア 文字

5)災害ボランティアについてのQ&A

【Q1】日本で最初の災害ボランティアは?

1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災の際に、当時の東京帝国大学の学生が被災者の救援にあたったという記録があります。

【Q2】「ボランティア元年」ってどういう意味?

1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災の際は、全国から延べ137万人を超えるボランティアが駆け付けました。同年7月に政府の「防災基本計画」が改訂され、ボランティアに関する項目が設けられました。これらのことから「ボランティア元年」という言葉が生まれました。

【Q3】救援物資を送りたいときは?

送る側の勝手な判断で物を送ると、かえって迷惑になりかねません。必ず事前に現地の情報を確認し、現地のニーズに合ったものを、現地の指示に従って送りましょう。物ではなく、募金をすることも大切な支援です。






この記事のまとめ

【1】最も大切なことは、現地のニーズに合った支援活動を提供することです

【2】行動する前に、必ず現地の情報を入手しましょう

【3】ボランティア活動は自己完結です。自分のことは自分で責任をとる覚悟をもって行動しましょう

【4】現地の人たちの意思を尊重し、プライバシーを守りましょう

 

【参照】

http://www.bousai.go.jp/kyoiku/volunteer/h28volunteer.html

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1203-5e_0001.pdf

https://www.saigaivc.com/

https://www.saigaivc.com/volunteers/

http://www.shakyo.or.jp/

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