地震から子どもを守るために知っておきたい8つのこと

首都直下地震や南海トラフ地震が高い確率で発生するといわれています。地震から子どもを守るために親として知っておきたい事を紹介します。親子が一緒に地震に備えていくことで、お互いを守り合い、共に成長しましょう。






1)地震が起きた時の行動とは?

地震が発生した時に、子どもが一人でも自分自身を守ることができるように伝えることは、親の責任です。

【1】頭を守る・体を守る

地震が発生した時は、まず頭を守ります。近くにあるもので上から落ちてくるものから、とりあえず頭を守ります。カバンや絵本、座布団、ヘルメットなどなんでもよいので、頭を守ります。

もちろん机の下に隠れることも正解です。体全体が隠れるように入ります。マンションなど出口が1カ所の建物は、ドアが歪んで開かなくなることもあります。できれば頭を保護しながら玄関ドアを開けて、机の下に隠れましょう。

【2】大地震の場合

大地震の場合、立っていることも、歩くことも動くこともできなくなります。そんな時も、とにかく頭を守ります。手の届く範囲にあるもので、頭を守ります。動けるようになってから、机の下に頭も体も入れて全身を守ります。

2)安全な場所・危険な場所の違い

日頃から地震が発生した時に、安全な場所と危険な場所を伝えて、一緒に点検しましょう。見つけて確認することで、子どもの記憶に残ります。

【1】家の中

(1)安全な場所

机の下はもちろんですが、何もない空間も安全です。上から照明器具が落ちてこない、家具も倒れてこないそんな空間を作ることも、とても大切です。「ここは安全な場所」と教えられた場所で遊ぶことは、自然と子どもの身を守ることにつながります。

(2)危険な場所

家の中で地震が発生した時に、最も危険な場所はガラスの近くです。窓やドアはもちろんですが、照明器具や家具にはめ込まれているものも注意しましょう。そして、下敷きになる事故が多い、家具の近くも危険です。この他テレビは設置型以外に壁掛け型で使用されているご家庭も増えています。オーディオスピーカーを天井近くに設置している場合も盲点になりやすいので、ご注意ください。

また、家具の上に物を乗せていると、上から落ちてきますが、それ以上に危険なのは家具から収納されているものが飛び出してくることです。食器棚の観音扉が開いて中の食器が落ちてきたり、本棚の本が降ってきたり、ワインセラーのワインも危険です。

【2】家の外

登下校は子どもたちだけで行動することが多くなります。安全な場所を確認し、危険な場所を避ける経路も一緒に考えます。

(1)安全な場所

公園や学校の校庭などの、広い空間は安全です。この他、緊急避難場所に指定されている建物や津波避難タワーなどもあります。また、病院や施設など近所で避難できる建物に指定されているものがあれば、親子で確認しておきましょう。

(2)危険な場所

建物のガラスや看板が落ちてくる場所は危険です。特に目の高さだけでなく、建物の上の方にまで、気を配って見てください。そして、ブロック塀による被害も後を絶ちません。地震が発生すると、自動車で避難する人で狭い道路は通行できなくなってしまいます。通学路は指定されていますが、緊急時のために複数の経路を確認しておきましょう。

手をつないで横断歩道を歩く女の子

3)外出先での行動は何に注意すべき?

子どもと一緒に外出している時に地震が発生した時、身を守るための行動をとれるようにしましょう。

親の方がパニックにならないようにしましょう。地震の揺れがおさまったら、子どもにゆっくりとやさしく笑顔で「大丈夫?だいじょうぶだよ」と話しかけてください。子どもを見ると不思議と落ち着きますし、「自分がパニックっている場合じゃない!」と冷静になれます。

【1】自動車を運転中

自動車の運転中は慌てずに、ゆっくりと減速し安全な場所に車を停車させます。高速道路や橋は落下事故も多発していますので、車の流れを妨げないように減速して、路肩に停車させます。車外に出るときは、周囲の状況を確認して安全を確かめてから行動しましょう、

【2】公共交通機関に乗車中

バスや電車に乗っている時に地震が発生した時は、座席やつり革にしっかりとつかまり、投げ出されないように体を支えます。小さいお子さんは特に危険ですので、できれば抱きかかえます。その後は慌てず、乗務員の指示に従ってください。

【3】エレベーターの中

エレベーターの中にいる時に地震が発生した時は、全部の階のボタンを押します。最も近くの階に停止しますので、停止を確認し、ドアを開け、降りる場所の安全を確認してからエレベーターの外に出ます。

緊急停止した場合は、深呼吸をして冷静になってから、操作パネルのところにある緊急時の案内に従い行動します。

【4】スーパー・デパート

スーパーマーケットやデパートの店内にいる時に地震が発生したら、まず身の安全を確保します。陳列してある商品が落ちてくることもありますので、カバンなどで頭を保護しながら広い場所に移動します。大人の目の高さにある商品も、子どもからは頭の上から降ってくることになりますので、子どもさんの頭を守ることを最優先にして移動してください。

エスカレーターを利用中は自動停止しますので、投げ出されないように体を支え、倒れないようにします。その後は係員の指示に従ってください。決して走らないこと、パニック状態にならないことを心掛けてください。

【5】地下空間

地下街や地下鉄など、地下空間にいる時に地震が発生した場合は、地震の揺れがおさまったら、出口から地上に移動します。大勢の人が一斉に移動して、危険ですので子どもを守る行動をとって下さい。エレベーターの使用はできません。また、停電であっても非常電源で照明は確保されているので、ガラスなどの危険物に注意して、係員の指示に従い、確実に地下空間から脱出しましょう。

【6】海や川の近く

海や川の近くにいる時に地震が発生した場合は、津波の危険がありますので、その場を離れて高い所を目指します。川沿いは危険ですので、川から離れてから、高台に向かいます。近くに津波避難施設があれば利用します。慣れない土地であれば、地元の人が避難する流れに合流して、一緒に行動します。

ok サイン女性

4)園や学校の対応の違いは?

子どもが保育園や幼稚園、学校にいる時に地震が発生した場合の対応を確認し、親子で共有します。

【1】園や小学校の対応を確認して子どもに説明する

保育園や幼稚園、学校での地震が発生した場合の対応を確認します。迎えに行くまでの保護や、安否確認の方法、食料の備蓄について説明を求めましょう。この後、家庭でも親子で話し合います。園や学校から受けた説明を子どもに話します。「迎えに行くから、待っていてね。」と必ず付け加えます。子どもを不安にさせないようにしましょう。園や学校での安全は、確保されていますので、親も慌てて連絡をしないで、ルールに従って行動しましょう。

【2】職場の対応を確認

勤務先で地震が発生した場合の対応を確認しましょう。帰宅困難者の発生を抑えるために条例で勤務先に留まるように定められていることもあります。確認した内容は家庭で子どもにわかりやすく説明します。「3日間会えないかもしれないけど、待っていてね。」と日にちを明確にすることで、子どもは頑張れます。

また、仕事によっては地震が発生した場合に出勤する方もあります。「うちは迎えに来ない」と子どもが不安にならないように、「地震で困った人を助けるために、仕事をがんばっている」と伝え、家族を誇りに思えるように話しましょう。

5)非常用品を持ち歩こう

子どもと外出するときも、非常用品を持ち歩きましょう。親が全部を持つのではなく、子どもが自分のものは自分で持つようにするだけで、防災意識が高まります。最低限の持ち物をご紹介します。

(親子でそれぞれ準備)小さい懐中電灯・使い捨てマスク・ホイッスル・飲み物・食べ物

(親だけ)抱っこひもまたはおんぶひも・携帯の充電器(電池式か手回し式)

(子どもだけ)おもちゃ・絵本

リュックサックに入れて、両手をなるべく開けましょう。いつでも抱っこできることも大切なことです。

家族

6)家族で確認すべき事とは?

家族の間のきまりは子どもだけに知らせるのではなく、みんなで共有します。子どもといっても侮れません。本当に力になる宝です。

【1】避難所・避難経路

自宅近くの避難所を確認しましょう。避難経路も確認し、ブロック塀や看板などの危険な場所がないか、確認しましょう。子どもが自宅に一人で留守番している時は、この避難所に移動することも合わせて確認しましょう。

津波の心配のある地域は、津波避難施設を確認し、周りの人が逃げる場所に一緒に避難する行動も確認します。

【2】連絡方法

家族間の連絡方法を確認します。伝言ダイヤルの活用や、遠くの親戚や友人などの連絡先を共有します。普段から連絡を取って、話しやすい仲になっておきましょう。

【3】合流方法「必ず守る、迎えに行く、それまで待て」

地震が発生した時、子どもは園や学校にいたり、親は職場にいたりと一緒に居られない場合の方が多いと思います。合流場所と合流方法を確認しておきましょう。そして、「必ず守る、迎えに行く、それまで待て」と約束します。それまでお互い頑張ろうと約束します。

【4】遠くの避難場所を探しておく

余震が続いて不安になったり、避難所で居づらくなったりした時は、思い切って遠くに避難しましょう。今までの大地震では、親戚のところに行ったり、仕事などの都合がつけば、遠くのホテルに短期間でも長期間でも避難する方も多くありました。揺れない安心感、普段通りの生活は笑顔を取り戻すための大切なサプリメントです。

7)絵本「地震がおきたら」

文:畑中弘子 絵:かなざわまゆこ ビーエル出版

この絵本を企画したのは、神戸市消防局垂水消防署の谷敏行係長です。谷係長は2人の子どものお父さんです。阪神淡路大震災を知らない子どもたちに、「災害への危機感を伝えるため」と、「自分がいなくても、子どもたちには災害を乗り越えて欲しい」という思いを込めています。

阪神淡路大震災は神戸市消防局の中では、「消防が負けた日」といわれるそうです。今、仮に地震が起きた時に、「地震に勝つ」ためには「自助・共助、市民の防災意識」が必要であり、絵本で「子どもの防災意識を高めていただきたい。」と谷係長は訴えます。絵本では消防の手が回らず、すぐに救助できなかったことを建物に「閉じ込められた」ではなく、「取り残された」に表現を変えています。

「本当に消防が私たちを置いて行っちゃったという気がした」という被災者の方の指摘を盛り込みました。「いつか地震に勝てる日が来てもいいかな。その一翼をこの絵本が担ってくれたらと思います。」谷係長の言葉です。

三世代家族 公園

8)絵本「やっぱりおうちがいいな」

絵本「やっぱりおうちがいいな~地震後トラウマで家に帰れない子どもたちのために~」

現在、熊本市のホームページではこの絵本が公開中です。日本語の他、英語、中国語、フランス語、インドネシア版、ハングル版、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、台湾語、タガログ語それぞれがダウンロードできます。

この絵本は熊本地震の際に、避難所から自宅に帰っても地震のトラウマで家に入れない子どもがいたことや、子どもの心のケアの必要性を感じた保育士の方が中心になって作成されました。

熊本地震の時は、夜中に目を覚まして泣いたり、食欲が落ちたり、眠れない子どもも多くいました。大人にできることは、子どもが安心して生活できるスペースを確保すること。親が守ると伝えることなどです。自宅に帰れない時は、一つひとつ「こわい」と思うものを解消していく作業を積み重ねていくことで、子どもの心に安心感を積み重ねていきます。地震の後の子どもの心のケアも忘れないで下さい。






この記事のポイント

【1】地震が発生した時は、頭と体を守ります。自宅でも絵本やカバンで確認します

【2】家の中と外で、安全な場所と危険な場所を知ることは、自分を守るために必要です

【3】外出先での行動は、子どもを守るために親が冷静に対応することが求められます

【4】園や学校の地震が発生時の対応は、連絡方法備蓄食料も含めて確認しましょう

【5】親の職場の対応も子どもに伝え、必ず迎えに行くから待っているように話しましょう

【6】自分自身で非常用品を持ち歩くことで、子どもの防災意識を育てましょう

【7】情報を共有し、絵本も活用して家族みんなで子どもを守りましょう

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