これだけ押さえておけば安心!火事の対処での行動リスト4つ

毎年、空気が乾燥する季節になると、テレビでは火事のニュースが増えます。サイレンを鳴らして走る消防車を見かけることも、決して珍しくはありません。しかし、ほとんどの人は一生火事に合わずに終わります。万が一、火事に遭遇した時の対処法についてまとめます。






1)火事に備えて、事前にしておくべき準備

万が一の火事のために、各自で備えておくべきことはどのような事でしょうか?

【1】消火器を備えておく

消火器の役割は、炎が天井に到達するまでの火を消火することです。一般家庭では、火元となる可能性の高い天ぷら油や布団などに適応する消火器を、優先的に設置することが望ましいとされています。消火器はすぐ使える場所に備えておきましょう。

(1)火災の種類

燃えているものによって火災の種類をA・B・Cに分けています。

・A火災:木製品・紙・繊維製品・ゴム・樹脂などが燃えている火災

・B火災:ガソリン・灯油・天ぷら油などが燃えている火災

・C火災:通電中のコンセントなどが燃えている火災

(2)消火器の種類

消火器は、前記のような火災の種類(燃えている物の種類)によって、適している消火器が異なります。

・粉末系消火器:ABC粉末消火器(A・B・C、どの火災にも適応できます)

速やかに火の勢いを抑えて消火します浸透性がないので、可燃物によっては再燃の危険があります。放射時間が比較的短いので的確に火元を狙うことが必要です。

・水系消火器:強化液消火器、中性強化液消火器、機械泡消火器、水(湿潤剤等入)消火器

(A火災にはどの種類も適応しますが、B・C火災にはそれぞれ適応が異なります)

冷却効果が高く浸透性があるので、再燃を防ぎます。放射時間が長く、落ち着いて消火ができます。

・ガス系消火器:二酸化炭素消火器(B・C火災に適応します。A火災には適応しません)

対象物に入り込み、酸素を遮断して消化します。消火薬剤がガスなので、電気施設や精密機械などを汚損することがありません。

(3)どのような消火器を選べばよいのか?

住宅用には住宅火災に適した消火器として開発された、蓄圧式消火器があります。消火器本体に圧縮したガスが入っていて、レバー操作で消火剤を放出する仕組みです。誰でも簡単に操作でき、万が一消火器本体が老朽化などで穴が開いてしまっても、そこからガスは抜けるので、本体が破裂するなどの心配がありません。消火器といえば赤をイメージしますが、住宅用消火器の本体の色はメーカーによって異なり、必ずしも赤ではありません。適応する火災の種類が絵で表示されていますので、確認して購入しましょう。

(4)一般的な住宅用消火器の使い方

住宅用の消火器は小型のものも多くあります。スプレー式やホースのついているタイプなど、少しずつ使用方法が異なる場合もあるので、取扱説明書を事前によく読んでおきましょう。

1.火災に気づいたら、消火器の安全ピンを引き抜きます。

2.火元から近すぎない距離で、片方の手はレバーを握り、片方の手で消火器の底部を持ち、ノズルを火元に向けます。

3.炎ではなく火元を狙って、レバーを強く握ります。

4.放射時間はメーカーや種類によって異なりますが、最後まで放射しましょう。

5.消火を確認します。再発火の可能性もあるので注意しましょう。

【2】火災警報器の設置は自分できる!

消防法の改正により平成18年6月1日から、すべての住宅(一般家庭)に住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。住宅用の火災警報器の取り付けは、ほとんどの場合、特別な資格や技能は不要です。ホームセンターやネットなどで購入できますが、命を預ける機器ですので、信頼性の高い製品を選びましょう。

日本消防検定協会の検査合格品には「NSマーク」がつけられているので、安全性と信頼性の目安にしましょう。設置場所や機種については条例で規定されています。火災警報器を購入する前に、自宅のある市区町村のホームページなどで確認しておきましょう。

【3】消火訓練と避難訓練

学校や職場での消火・避難訓練は定期的に行われていても、家庭で消火・避難訓練をしている人は少ないのではないでしょうか。大がかりではなくても、家族で消火器の置き場と使用方法を確認し、避難のシュミレーションをしておくことは大切です。特に集合住宅や2階建て以上の住宅では、階段が使用できなくなった場合にどうやって避難するのか、避難ばしごがある場合はその使い方などを確認しておきましょう。

非常ボタン

2)火災が発生した時にやるべきこと

消防庁によると、住宅火災で死亡した人のうち約8割以上の人が逃げ遅れたことが原因です。逃げ遅れないためには、まず火災に早く気付くことが重要です。

【1】火災の初期対応3原則

火災を発見したら「通報」「初期消火」「避難」の順に行動することが基本です。その場に複数人いる場合は手分けして行います。しかし火災の状況によっては優先順位が変わるので、冷静に判断することが必要です。

(1)大声で知らせる

・火災を発見したら「火事だ!」と大きな声で叫び、周囲に知らせます。大きな声が出ない時は、非常ベルを鳴らす、物を叩くなどして、異変が起きていることを知らせましょう。

・小さな火でも119番に通報します。発見した当事者は消火を行い、通報は近くにいる人に頼みます。

(2)初期消火

・消火器が近くにあれば消火器を使用します。すぐに消火器がみつからない場合は、水や砂をかける、座布団で叩くなど、近くにあるものを使用して火が小さなうちに消火を試みます。

・火が大きくなり天井に燃え移っていたら、消火は困難です。消火活動を止めて避難しましょう。

(3)素早く逃げる!

・避難するときは、可能な範囲で燃えている部屋の窓やドアを閉めて、空気を遮断してから逃げましょう。

・煙を吸い込まないように、一気に走り抜けましょう。

【2】火元別・初期消火のポイント

住宅火災の場合、自分で行える消火活動は出火後3分といわれます。誤った消火方法はかえって火災を大きくしてしまう可能性があるので注意が必要です。

(1)石油ストーブの場合

消火器がある場合は、直接消火液を噴射します。消火器がない場合は、ストーブの真上から水をかけるか、水に濡らした毛布やシーツなどを前から被せ、空気を遮断してから消火にあたります。

(2)カーテン・ふすま・障子など

カーテンやふすまなどに火がついた場合は、天井に燃え広がると消化が困難になるため、カーテンの燃えている部分を引きちぎったり、ふすまや障子は蹴り倒すなどして、天井から遠ざけてから消火します。

(3)電気製品

感電の可能性があるため、水をかけてはいけません。コンセントを抜いてから消火にあたりましょう。ブレーカーを落としてしまうのもよいでしょう。

(4)油の入った鍋

油に火がついて燃えている場合は、絶対に水やマヨネーズなどをかけてはいけません。野菜などを入れるのも、油がはねて危険です。ガス栓に近寄れれば閉めてから、消火器で消火します。消火器がない場合は、大きめのタオルやシーツを水に濡らして絞ってから、鍋を倒さないように注意して、空気を遮断するように手前からかけます。

(5)風呂場内

急にドアを開けると、空気が供給されて火が大きくなる可能性があります。ガスの元栓を閉めて、少しずつ扉を開きながら消火器で一気に消火します。

【3】安全に避難する7つのポイント

避難するとなったら、命を守るために躊躇せず逃げましょう。

・天井に火が燃え移ったら初期消火の限界です。すぐに避難しましょう。

・高齢者、子供、病人を優先して避難しましょう。

・服装や荷物よりも命が大切です。できるだけ早く避難しましょう。

・有毒ガスを吸い込まないために、ためらわず一気に走り抜けましょう。

・煙の中を逃げる場合は、できるだけ低い姿勢で逃げましょう。

・いったん避難したら、再び戻ってはいけません。

・逃げ遅れた人がいる場合は、消防隊にすぐ知らせましょう。

お辞儀する女性

3)火災の事後対応

不幸にも自宅が火災にあってしまったとき、火災後にやらなくてはならない事があります。

【1】公共サービスの手続き

電気・ガス・水道・電話などの各会社に連絡し、必要な手続きをとります。火災の状況によっては、消防署から連絡が行き、各会社の担当者が現場に来ていることもあります。

【2】貴重品の紛失・焼失

実印、健康保険証などは市区町村の役所、通帳やキャッシュカードなどは銀行、年金は社会保険事務所、運転免許証は警察署、クレジットカード、生命保険などは各会社へ連絡し、再発行などの必要な手続きをします。

【3】お礼・お詫びなど

火災の状況に応じて、周囲の人へお礼やお詫びをします。公設消防からは費用の請求はありませんが、一言お礼の気持ちは伝えておきましょう。火災見舞いをいただいた場合、基本的にはお返しは不要といわれます。

しかしお世話になった方に対しては、お礼をする場合が多いようです。類焼で他人に損害を与えても、法律では賠償責任は負わないことになっています。しかし、日頃お付き合いしている近隣へ迷惑をかけてしまった場合は、お詫びの気持ちを表しておきましょう。

【4】その他の手続き

火災保険の保険金請求、罹災建物の滅失登記(全焼の場合)、罹災証明書の発行、税額の減免や控除など、必要な手続きはいろいろとあります。火災の状況によっても必要な手続きは異なるので、保険会社や役所などに問い合わせてみましょう。

住宅火災

4)住宅火災を起こさないために

住宅火災の出火原因は多い順に「放火」「たばこ」「コンロ」「たき火」「火遊び」です。これらを防止するためにできることがあります。

【1】放火の予防策は空き巣対策にも有効

まず必要なのは、家の周りに燃えやすいものを置かないことです。また外に置いたままにする自転車やバイクなどのカバーは、防炎の商品を使いましょう。敷地内に不審者が侵入しないように、センサーライトや防犯カメラの設置も有効です。防犯カメラは、設置場所や使用方法によってはダミーでも一定の効果が得られるようです。

【2】たばこの灰皿には水を入れておきましょう

寝たばこは絶対に止めましょう。たばこの火は小さいですが、火が残った灰が燃えやすいものの上に落ちると、あっという間に炎があがることがあります。また、灰皿には水を入れておきましょう。慌ててたばこを消すようなときでも、たばこが水に入れば安心です。

【3】たき火・火遊び

たき火は周りに燃えやすいものがない場所を選び、風が強い日には絶対に止めましょう。また、ライターやマッチなどは小さな子供の手が届かない場所に保管しましょう。子供には火の取り扱いについてしっかり教えておくことも必要です。

【4】コンロや他の家電製品でやってはいけない事

・コンロでの出火原因はやはり揚げ物による火災です。揚げ物にかかわらず、コンロを使用しているときは、絶対にそばを離れてはいけません。少しでもそばを離れるときには、必ずいったん火を消す習慣をつけましょう。

・ストーブの近くに衣類などの燃えやすいものを置かないようにしましょう。ストーブで洗濯物を乾かそうとすることは危険です。

・コンセントの掃除をしておきましょう。特に家具や家電の後ろになって隠れているコンセントには、ほこりが積もっていることがあります。そのほこりが出火原因となることがありますので、コンセントの清掃も定期的にしておきましょう。

消化器

5)火事の対処に関するその他のQ&A

【Q1】期限切れの消火器の処分方法は?

国内で製造された消火器はリサイクル処分ができます。消火器リサイクル推進センターの窓口に問い合わせてみましょう。ただし、エアゾール式消火具や外国製消火器は対象外です。これらの処分については製造元や購入店に問い合わせてください。

【Q2】住宅用の火災警報器が義務化になったのはなぜ?

住宅火災で亡くなる方が急増しているためです。亡くなる方の多くが逃げ遅れによるもので、その半数以上が高齢者といわれています。今後の高齢化に伴って、犠牲者の増加はさらに進むことが予想されるため、これを抑制するために義務化となりました。

【Q3】IHコンロなら、火事にならない?

IHコンロでも火事の可能性はあります。炎が見えない分注意が必要ともいえます。次のことに注意して安全に使用しましょう。

・周囲に物を置かない

通電する金属の物が危険です。金属と天板が離れていても発熱することがあります。

・使用していない時は主電源を切る

誤って加熱スイッチを押してしまった時に危険があります。炎が見えないので、スイッチが入っているかどうかがわかりにくいので、使わない時は主電源を切りましょう。

・揚げ物は油の量に注意する

揚げ物モードがある機種は必ず揚げ物モードを使用し、油の量も決められた量を守りましょう。

・空焚きに注意する

余熱をし過ぎると、油を入れた瞬間に炎が上がることがあります。






まとめ

【1】事前の備えは大切です。消火器、火災警報器の設置をしておきましょう。家庭内でも消火・避難訓練を実施しましょう。

【2】火災発見時の3原則は「1.大声で知らせる、通報する」「2.初期消火をする」「3.素早く逃げる」です。

【3】初期消火の限界は、炎が天井に燃え移るまでが目安です。出火から3分以内、火の小さいうちに消火活動を始めましょう。

【4】火災後にもやらなくてはいけない事はたくさんあります。住宅火災で多くの物を失わないために、日頃から対策をしておきましょう。

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