洪水の備えは何をすべき?自宅・町でできる施策まとめ  

大雨 長靴

日本では6月~10月にかけて梅雨や台風の影響で川の水位が上がりやすい『出水期』と呼ばれる期間に入ります。近年は特にも深刻な被害を及ぼす自然災害に見舞われることがあり、今回は『洪水』に関して自宅や町でできる具体的な対策を確認していきましょう。






1)いざ洪水で避難するときは?

近年は地球温暖化による気温の上昇に伴い、大気が従来よりも水蒸気を多く含むことで大量の潜熱が放出されるポテンシャルを持つことから、大雨や洪水など異常気象からくる災害がより一層増えつつあると予測されています。

【1】警報・避難命令には速やかに従って避難する

増水による川の氾濫は短時間で一気に危険な状態になりうることが多々あります。自治体から避難勧告が出るということは既にかなり危険な状態であり、油断をしていては命の危険に晒されるのです。市町村や消防署からの指示は速やかに従うとともに、テレビやラジオ、インターネットなども活用しながら正確な情報収集に努めましょう。

【2】一人で行動しない

単独で避難しようとすると川に流されたり、怪我をしてしまった際に救助を待つことになると長時間一人で危険な状態で助けを待ち続けることが想定されます。最低でも二人以上での行動を心がけましょう。またお年寄りや子供、病気の人は避難が遅れて危険な目に遭うことも考えられますので普段からの近隣住民の呼びかけも大事です。

【3】できるだけ身軽な状態で避難する

避難時には持っていく荷物はできるだけ少なくし、動きやすい格好、いちばんは運動靴があれば望ましいです。浸水している所を歩くと側溝やマンホールに気づかず落ちてしまう危険性があるので、浸水していない所を選びながら歩きましょう。周囲が浸水している場合は避難所よりも、自宅の二階以上やビルに向かう方が安全なこともあります。車での避難は水圧で扉が開けられなくなる場合があるので特別な場合でなければ使わないようにします。

【4】近づかない・見に行かない

大雨で川が急激に増水していると好奇心や不安感など様々な理由で川や用水路の様子を見に行こうとする人が現れたりします。もちろん増水した川に流される危険性がありますので絶対に様子を見に行こうとしないでください。

台風の集中豪雨

2)ハード対策って何?

洪水に対する被害を最小限に抑えるために治水工事を行うことをハード対策といいます。施行される具体的な工事は、川幅を広げる・川底を堀り下げる・堤防を築くことで川の断面積を大きくする工事。ダムを建設して一時的に洪水を貯めて安全に流す工事。新たな川を造り流れを分散させる工事。浸透桝、浸透側溝など雨水を地面に浸透させる工事が挙げられます。このように町全体で大規模な対策をとることも可能なのです。

3)ソフト対策って何?

ハード対策とは異なり、工事を行わない対策をソフト対策といいます。これは避難を想定した際のハザードマップの作成と配布をすること。避難時のために現在の雨量や河川の水位を情報提供することや、浸水の起こりやすい土地に家を建てないように制限をするなど、洪水が起こる前に準備をします。なお国土交通省はハザードマップの全国的なポータルサイトを持っていて区市町村の住民に向けて公開もしています。

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4)避難時はネット上の情報に注意!

2016年4月の熊本地震でSNSに「ライオンが逃げた」とデマが投稿されたということは皆さんの記憶に新しいと思います。後に投稿者は偽計業務妨害で逮捕されましたが、災害時にはどういうわけか非常事態に人々の混乱を煽るようなインターネット投稿が数多く出回ります。冷静さを欠いている状況だと情報源の不確かなネット上の投稿によって二次災害を拡大させるような誤った行動を取りかねないのです。

今や洪水に限らず災害時に避難をするときはインターネットでの情報収集が欠かせませんが、特にSNSで情報を収集する際は今見ている情報が情報源の確かなものなのか、どこの誰が発信している情報なのか『拡散』をさせる前に一呼吸置いてみましょう。もしも役に立つ情報であったとしても情報源が不確かで根拠がない情報なら軽率に拡散させるべきではありません。

5)洪水災害に関するQ&Aコーナー

【Q1】そもそも洪水って何?

洪水とは端的に言えば川の水が溢れて氾濫していることを指します。細かいことを言えば氾濫と洪水は同じ意味というわけではなく、氾濫は洪水によって引き起こされる被害の一つだということです。また水は高い所から低い所へ移動するという物理的な原則に則っている液体ですので、現象の仕組みを理解していれば避難時の行動も適切に行うことができます。

【Q2】洪水時の具体的な備えって何?

貴重品、衣類、防災用の保存食など災害時での基本的な備えが必要です。荷物は必要最低限が原則ですが懐中電灯やラジオの用意もしておくとよいです。懐中電灯やラジオはスマートフォンで代用が効くだろうと見落としがちですが、2015年9月に起こった関東・東北豪雨の際、大きな被害に見舞われた茨城県常総市の市役所では非常電源も水没し市民や自衛隊員が一時孤立状態となりました。このような事態も洪水では十分に想定されるので、電源を使わずに扱えるものを用意しておくとよいでしょう。

【Q3】浸水ってどの位で危険なの?

避難時は浸水していない所を歩くという風にこの記事でも触れていますが、具体的にはどの位のあると危険なのでしょうか。実は水深50センチメートル程で歩行が困難になると言われています。これは大体ヒザが埋まるぐらいの水の量で動けなくなると考えていいでしょう。自動車であれば水深30センチメートルほどで走行不能になると言われており、水圧で扉が開かなく危険性も高いのでやはり自動車での避難は極力避けるべきでしょう。

【Q4】災害時の特別警報について知りたい

気象庁では気象に関して災害の恐れがある場合に程度に応じて注意報、警報、特別警報というように大まかなレベルで分けて予想を発表します。近年では大規模災害が頻発したことを踏まえて『気象業務法』が2013年に改正され、従来までの警報に上位の位置づけとして特別警報という新たな基準が創設されました。特別警報というのは50年に一度程度の災害を想定して設定されているもので、洪水のように気象に関する災害だけでなく地震、津波、火山噴火も特別警報の発表対象となっています。






まとめ

2015年関東・東北豪雨で鬼怒川が決壊した際には多くの人から「災害を甘く見ていた」「避難指示が出てもよくわからないうちに水が来てしまった」と声が聞かれことを受け、翌年には東北から九州までにかけての決壊で大きな被害が予想される20水系で氾濫した場合の浸水想定区域及び、うち18水系で家屋倒壊等氾濫想定区域が指定されました。冒頭で述べたように、地球温暖化の影響により異常気象が原因となる災害が従来よりも発生しやすい気象条件となっています。この先も幾度となく私たちの暮らしに災害が襲いかかるのは想像に難くありません。

人間には非常時においても自分だけは大丈夫だろうという全く根拠もないのに思い込んでしまう『正常化の偏見』という心理的傾向があり、具体的な対処をすることにはついつい目を背けるという思考を誰しもが持っているそうです。洪水の備えは普段の日常生活から少しずつ行うことです。万が一の場合の備えをしようと思うと、なんだか億劫だなと思ってしまうかもしれませんね。ですがとても大事なことなので、まずはご家族で話をしてみてはいかがでしょうか。

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