【最新】震度とマグニチュードの違いを徹底解説

地震が発生すると震源地とマグニチュード、震源の深さ、各地の震度と次々に発表されます。今回は震度とマグニチュードの違いを徹底解説します。東日本大震災以降、震度計の設置が増えているように感じませんか?緊急地震速報や、震度計と地震計の違いなど知っているようで知らないことも解説します。






1)震度はどうやって測るの?

【1】全国の4374地点で震度計により観測

1884(明治17)年に気象庁では震度の観測を開始しました。震度の観測は職員の体感で行っていましたが、阪神淡路大震災翌年の1996(平成8)年より震度計による観測を開始しています。諸外国では現在も職員の体感で震度の観測を続けている方が多いです。

震度計を導入したことで、客観的な観測はもとより、無人でも観測が可能なため、多くの場所に設置観測することが可能になりました。また、震度データの収集も自動化されたため、震度情報の迅速な発表ができるようになりました。

震度観測点は平成30年10月1日現在、気象庁671、地方公共団体2914、防災科学研究所789、総数4374地点で観測されています。観測結果は、気象庁のものは各管区気象台に、地方公共団体のものは都道府県庁または、防災科学研究所に電話回線と地上が被害を受けた場合を考慮して気象衛星も使用して2種類の方法で集約し、処理されて、地震発生から数分以内に、気象庁に提供されます。

【2】震度は10段階

震度は10段階で表します。日本では0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階に分けられています。

日本各地の震度計が「ズバリ今の震度はコレ!」と数値で表すことはありません。皆さんお馴染みの針が振れてギザギザの線が記録されています。震度計内部でこの記録に補正するフィルターをかけたり、計算式で計算をしてデジタル処理された「計測震度」が算出されます。地震情報などに発表される震度は、観測点における揺れの強さの程度を数値化した「計測震度」が気象庁の震度階級表に当てはめて求められ、震度計からデータとして送信されます。

地割れ

2)マグニチュードってなに?

【1】マグニチュードは地震のエネルギー

「マグニチュード」は地震そのものの大きさ(規模)を表すものさしです。マグニチュードと震度の大きな違いは、マグニチュードは地震のエネルギーを表す数値ですので、場所による変化もなく、1つの地震に1つの値しかありません。一方震度は震源地からの距離や地盤の性質などによって違うため、場所によって数値は異なり、1つの地震でありながら、観測した地点ごとに数値が存在します。

【2】マグニチュードは-2から10

マグニチュードは-2から10までの数字で表示されます。計算式で導かれるので、マイナスのエネルギーと聞いてもピンときませんが、理論上の最小値はマイナス無限大になってしまいます。実際には-2が最小値になることが多いようで、単位は「ジュール」です。

また、マグニチュードは数値が0.2上がるごとにそのエネルギーは約2倍になります。ですから、マグニチュードが1上がるとエネルギーは約32倍(2の5乗)になります。そして、地震の大きさとマグニチュードの関係は目安があり、気象庁の発表や報道各社が使用するときの表現として使用されます。アメリカでハリケーンの勢力によってカテゴリー分けをするときのような気象用語とご理解ください。

<地震の大きさとマグニチュードの目安>

・極微小地震マグニチュード1以下
・微小地震マグニチュード1~3
・小地震マグニチュード3~5
・中地震マグニチュード5~7
・大地震マグニチュード7以上
・巨大地震マグニチュード8クラス

ちなみに近年、日本で震度7を計測した地震は以下の通りです。

・1995年阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)

M7.3

・2004年新潟中越地震

M6.8

・2011年東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)

M9.0

・2016年熊本地震

M6.5

・2016年熊本地震

M7.3

・2018年北海道胆振東部地震

M6.7

こうしてみると、東日本大震災は巨大地震となり、熊本地震の本震が阪神淡路大震災と並ぶ大地震だったことがわかります。そして、最大震度は7までしかありませんが、マグニチュードが異なることがおわかりいただけると思います。

地震 観測機

3)海底地震はどうやって観測しているの?

【1】海底地震計は自己浮上式とケーブル式

現在、東京大学地震地殻変動観測センターの研究グループが使用する海底地震計の主力は「自己浮上式海底地震計」と呼ばれるもので、オレンジ色のチタン製耐圧容器に地震動センサ、時計、記録装置、電池が収納され、設置して1年間観測に使用し、回収して整備し再び使用しています。

以前はタイマー式で浮上時刻になると勝手に海上に浮上していましたが、海がしけて出航できない時に機器を全部回収できない事態になりました。そこで、「超音波切り離しシステム」を導入し、現在では設置海域に船が到着してから超音波で指令を送り、おもりが外れて地震計が浮上し、回収する方法になっています。

長年、陸上と比較して観測点が少なく観測網の整備が課題でしたが、地震計と津波計をつないだケーブル観測システムを設置して、リアルタイムの観測を1996年に開始しました。

しかし、ケーブル式海底地震計は中に入れる地震計が大きいので、ケーブルも巨大なため費用も高額になることがネックでしたが、2008年には海底地震計の小型化に成功し、2Ⅼのペットボトルサイズに収まる地震計の試作品が完成しました。将来的には、ペットボトルサイズの海底地震計を陸上のように20km間隔で多数配置したケーブル観測システムの構築を目指しています。

また、陸上と同じ観測網を海底でも構築するために、広い周波数にわたって観測できる「広帯域海底地震計」や強い揺れでも振りきれずに観測できる「強震観測用海底地震計」も実用化され始めています。

【2】海底地震・津波観測網の構築と運用

(1)釧路沖から日向灘まで続く観測網を構築中

東日本大震災の震源域となった三陸沖を含む釧路沖から房総沖にかけてと南海トラフ地震の想定される震源域に巨大な海底地震津波観測網が構築されつつあります。釧路沖(北海道)から房総沖(千葉県)の観測網は「日本海溝海底地震津波観測網(S-net)」で、東北地方太平洋沖を中心とする日本海溝沿いに整備されています。

現在房総沖は完成し、順次運用を開始しています。また、南海トラフ地震の想定震源域にはまだ、観測網を設置していない海域が存在し、高知県沖から日向灘(宮崎県)にかけては観測網の構築が急務です。この「南海トラフ海底地震津波観測網(N-net)」は近く着工されることになりました。どちらも強震計、広帯域地震計、水晶水圧計などの観測装置を光海底ケーブルで接続し、24時間連続で観測データを取得します。S-netでは150カ所に設置する予定です。

(2)尾鷲沖から室戸岬沖までの観測システム

この他に、「地震・津波観測監視システム(DONET)」も整備運用されています。現在運用されている「DONET1」は三重県尾鷲市から紀伊半島(和歌山県)をカバーする海域を地震計と水圧計が一体となったリアルタイム観測可能な高密度海底ネットワークシステムです。現在「DONET2」も潮岬(和歌山県)から室戸岬沖(高知県)の海域において整備中で近く運用が開始されます。

(3)観測システムの違いと共通点

初めにご紹介したS-net及びN-netは運用を防災科学技術研究所が行い、DONETは海洋研究開発機構が行います。最も違いが表れているのが、ケーブルの敷設された形です。S-netの方は一筆書きのように、日本海溝と日本列島の間をくねくねと往復しながら一本の長いケーブルがつながっています。

一方DONETの方は、基幹ケーブルから分かれたケーブルの先に5個1組で花が咲いたように設置されています。どちらも地殻変動のようなゆっくりとした動きから大きな地震動まであらゆるタイプの海底の動きを確実にとらえることができるようになりました。海底地震計を地上並みの密度で設置することにより、今後、地震や津波の早期検知に役立つと期待されています。

厚い雲と送電線

4)緊急地震速報ってなに?

【1】緊急地震速報はP波を捉えて推定する

緊急地震速報を一言でいうと、P波とS波の速度の違いを利用して、地震の発生を知らせるシステムです。地震はP波(初期微動)とS波(主要動)の2種類の揺れがあります。P波は伝わる速度が早くエネルギーが小さく、S波は速度が遅くエネルギーが大きいという特徴がそれぞれあります。地震の最初の「カタカタ」という小さい揺れはP波、次の「グラグラ」という大きい揺れはS波です。震源に近ければP波だけを感じる時間が短くなり、緊急地震速報が間に合わないといわれる所以です。

「緊急地震速報」では、震源に近い地震計でとらえたP波の観測データから震源や地震の規模を推定し、それをもとに各地に大きなゆれ(S波)が到達する時刻や震度を推定し、いち早く知らせます。海底地震の観測に携わる研究者の言葉です「より震源に近い地震計のデータを使うことができたら、もっと速く、より正確な緊急地震速報を出すことができるようになる。」地震津波観測網の構築はこのような必要性から進められています。

【2】全てのデータは気象庁に提供される

この地震津波観測網のデータは全て気象庁に提供されています。

・気象庁の観測データ地震・震度・津波・地殻岩盤ひずみ(東海地域)

・自治体や防災科学研究所震度観測

・大学関係機関地震観測

・国土交通省や海洋研究開発機構、防災科学研究所GPS波浪計・沖合水圧計

・国土交通省、国土地理院、海上保安庁潮位観測施設

気象庁は24時間体制で、提供された観測結果をもとに、緊急地震速報、地震情報、津波警報・注意報を発表します。このデータ処理と警報などを発表するシステムは「地震活動等総合監視システム(EPOS)」と呼ばれ、東京と大阪に設置され、いずれかで大規模な災害が発生した場合でも確実にシステムを運用し続けるために万全の体制を整えています。

地震でひび割れた道路

5)地震計って震度計と違うの?

地震計とか震度計とか似たような言葉が出てきます。違いはあるのでしょうか。

【1】地震計って何?

地震計は地震などの揺れを観測するものを言い、震度計もこれに含まれます。地震計には次のような種類があります。

・高感度地震計

無感地震等の微小地震による振幅の検出を行います。気象庁や防災科学研究所(Hi-net)により設置されています。

・広域帯地震計

地球の深部構造の近くの研究や震源のメカニズム解析に使用されます。温度や気圧の変化に敏感なため、地下の横坑の奥に設置されます。防災科学研究所が(F-net)を運用しています。

・強震計と震度計

強震計は震度計の一種です。強い揺れを記録します。気象庁は震度計を設置し、総務省・消防庁は自治体震度情報ネットワークとして、気象庁の震度計が設置されていない市町村に震度計を設置しています。国土交通省は所管の河川、ダムや道路などに強震計を設置しています。そして防災科学研究所は強震計による(K-net)を構築し、約1000カ所(20km間隔)に設置しています。

【2】地震計の値段はどれぐらい?

小型のもので20万円くらいからあります。このタイプは、車両の衝突時の衝撃を測定する技術を応用しています。鉄筋コンクリート構築物や橋梁、高架橋、共同溝、パイプライン構造物などに設置する目的で作られています。少し大きなタイプですが、30万円くらいのものは建物、地盤、橋梁や一般住宅に設置可能です。地震計を設置するだけでは利用することはできず、別途システム構築費用がかかります。

工場などに設置するタイプは100万円から130万円くらいになります。システムを構築し、オプションを組み合わせることで、地震発生時のメール受信やWebカメラによる監視も可能です。気象庁検定合格品は160万円くらいです。別途料金がかかりますが、地震情報ネットワークシステムの構築もできます。また、工場には強震計の設置も想定されていますが、いずれも税別で設置工事費用も必要になります。

【3】地震計を使った研究は?

「0.1満点観測」と呼ばれる観測が地殻ダイナミクスによって継続されています。通常地震計は10km間隔で設置されますが、この観測は直径35kmの範囲に約1000カ所(0.1万点)の高感度地震計を設置し、観測点密度をおよそ1km間隔で観測を実施しています。過去にマグニチュード7.3を記録し、現在も余震が継続している国内のある地域で観測中です。

収録したデータはオンラインで東京大学地震研究所にあるシステムにクラウドサーバーからダウンロードされ、自動処理によって、地震の検出が行われています。マグニチュード1以上の地震は年間で5000個以上と見込まれています。マグニチュード2を記録した地震の解析結果では横ずれ断層滑りが原因とわかり、精度よく断層の方向が決定できることも判明してきました。また、観測期間中に発生した2017年5月にバヌアツ付近で発生した地震を6400km以上離れたこの地域でも明瞭に記録していました。

地殻ダイナミクス研究グループは九州大学に事務局を置き、北海道、東北、新潟、名古屋、大阪、京都、鳥取、島根、九州大学の他地震及び地質学研究者によって構成されています。

地震 家

6)その他のQ&Aコーナー

【Q1】震度にもう1種類あるってホント?

大きな地震が発生すると、遠く離れた高層ビルでも周期の長い大きな揺れを観測することがあります。「長周期地震動」といわれ、東日本大震災の時に関西地方で観測されました。長周期地震動の震度は「階級」と呼ばれ、階級1、2、3、4まであります。震度1はほとんど感じることはありませんが、階級1では多くの人が揺れを感じ、ブラインドなどが大きく揺れます。最大の階級4では、立っていることはできず、家具の固定していないものは倒れてしまうほどの大きな揺れになります。

【Q2】昔の地震の震度やマグニチュードはどうやってきめるの?

昔の地震は古文書が唯一の手掛かりになります。計測機器がなかった時代ですが、多くの文献に記されていることもあります。地震研究者によって読み解かれた被害の記録から現代の地震の被害状況と照らし合わせて判断していきます。

例えば、木造家屋の全壊率と震度の関係や、墓石の転倒具合と震度の関係などを使って被害状況から震度を推定していきます。これに地盤の揺れやすさを考慮して被害の最も大きい所の真ん中を震源とします。そして震度4、5、6の広がりの半径や面積を求めていきます。最近の地震でマグニチュードと広がりなどの関係式がつくられていますので、当てはめていき、マグニチュードを決め、確定はできないので幅を持たせます。

ただし、海で発生した地震では、震度分布が海にかかってしまうためにうまく決まりません。そんな時は古文書に残る津波の高さを使ってマグニチュードを決めることもあります。

【Q3】どうして大きな地震が起きると機械に自動的にスイッチが入るの?

感震アダプターのように、地震を感じるとスイッチが入って装置を起動したり、逆に機械を安全に停止させるものもあります。小さいものは「振動センサ」と呼ばれ、電気製品の転倒OFFスイッチやファンヒーターの耐震センサとして利用されています。機械の中に半田付けする部品です。

もう少し大きな機械や設備に使われるものは7cm×9cmくらいの大きさの「地震感知器」です。震度5弱以上の揺れを感じると信号を出力します。この信号により停止プログラム実行や装置の通電遮断、施錠・開錠、非常放送設備の開始、無人運転の停止などに応用します。設置してある機械や設備の通電火災の予防や、安全を確認してから再起動する必要があるので、復旧は手動式です。






この記事のポイント

【1】震度は震度計で観測、数値化された「計測震度」を震度階級表にあてはめて決まる。

【2】震度は10段階あり、観測地点によって異なる。

【3】マグニチュードは地震のエネルギーの大きさで、-2から10まである。

【4】海底地震津波観測網の構築が進行中で、緊急地震速報に役立つと期待されている。

【5】地震計は幾つかの種類があり、それぞれの特徴を生かした観測が続けられている。

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