日頃から7つのチェックを!家庭でできる浸水対策まとめ

最近日本各地で頻発する浸水被害で、自宅の浸水対策を不安に感じておられる方は多いと思います。もしもに備えて、日頃から家庭でできる浸水対策をしておきましょう。何からやればよいのかわからない方も、対策をはじめられた方も、1つずつチェックをしながら、浸水対策を確認していきましょう。






1)我が家の危険度は大丈夫?

浸水する場所は特徴があります。専門的な知識は必要ありません。

【1】自宅周辺の危険度はハザードで確認

自宅周辺の危険度はハザードマップで確認しましょう。大雨による被害が中心ですが、場所によっては上流の大雨による被害の想定や、増水した河川で堤防を乗り越えるまたは、決壊により浸水が想定される場所もあります。この他に、特定の場所ですが上流のダムの放水による川の増水も想定しておきましょう。また、「海抜0メートル地帯」や河川が住宅地より高い所を流れる「天井川」、河川の合流地点など複数回浸水被害にあった地域は、特に注意が必要です。

そして坂の下の地域は、高台にあっても危険度は高くなります。住宅地はどんどん高い場所に造られていきます。家を建てた時点では、高い所でも年を経て、より高い場所に住宅地などができた場合、降った雨水は下ってくるので、道路が川の役割になってしまいます。都市部では舗装された道路が雨水を通さないため、内水氾濫が発生する可能性を指摘されています。

【現在地危険性確認システム】ハザードチェッカー

https://upper-bosai-apli-hyogo.ssl-lolipop.jp/confirm/about.html

このアプリは平成28年度国土地理院防災アプリ大賞を受賞、平成29年度も防災アプリ賞を受賞しました。兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科有馬研究室が阪神淡路大震災の経験をもとに作成されました。

ハザードマップや気象庁の防災気象情報から判断して、現在地が危険かどうかの判断を手助けするシステムです。iOS、アンドロイド両方のタイプがあり、上記のサイトのページの下の部分にあるQRコードを読み取ってダウンロードしてください。

【2】自宅の構造を確認

道路の路面より下の場所に自宅を建てておられる方は、浸水の可能性が高くなります。特に、出入り口が半地下または地下にある場合は注意しましょう。また、ガレージは車両の出入りを楽にするため、勾配をつけていない構造もあります。ご確認ください。

下水道管の場所にも注意してください。ほとんどのご家庭が下水道管より上に住んでおられますが、構造上下水道管が高い場所に設置されていることもあります。逆流の可能性が考えられますので、対策をしていきましょう。

【3】高層住宅のベランダは盲点

高層住宅の上層階だから安心というわけではありません。ベランダからの浸水被害も発生しています。ベランダに降った雨の排水が間に合わなければ、窓から室内に浸水することもあります。

スマホをいじるサラリーマン

2)防災情報のアプリ総まとめ

近年、集中豪雨やゲリラ豪雨が多発しています。浸水被害が発生するときは、ほとんどが短時間に大雨が降った場合です。稀にシトシト雨が河川の上流に降り続き、河川の水位が上昇することはありますが、時間をかけて降った雨は自然に流れていきます。

しかし、短時間に降る雨は、下水道の排水能力をこえてしまいます。

自治体の防災メールに登録したり、防災アプリを利用するなど、ゲリラ豪雨などの情報を事前に入手しましょう

【1】防災メール、防災アプリ

アプリで通知のタイプは、災害に関する情報が発信された場合に、メールのように自動配信されます。自分からアクセスすることなく、設定した内容に関する情報を受け取ることができます。スマートフォンなど受け取る機器によってOSが異なるため機能に違いがあることもあります。今回紹介していませんが、アプリによってはGPS機能を利用して、家族の居場所を確認できるものもあります。家族全員で利用することを推奨しています。

(1)防災メール:自治体の防災メール

お住いの自治体のサイトまたは、自治体+防災メールで検索して、登録してください。規模の小さい自治体は都道府県の防災メールに登録する際に地域設定で選ぶことで対応しています。また、自治体によってはツイッターなどを利用して、情報を発信していることもあります。普段は自治体のマスコットキャラクター(ゆるキャラ)が呟いていることもあります。検索してみてください。

(2)防災アプリ:Yahoo!防災速報

利用者数トップの人気アプリです。地震・雨雲レーダー・警報・避難勧告・Jアラートなど現在地を含む国内3地域の災害情報を通知します。格安スマホでも利用できます。

(3)防災アプリ:NHKニュース・防災

災害情報に特化したニュースを閲覧できます。災害時にはテレビ放送のライブ配信も視聴可能です。

(4)防災アプリ:goo防災アプリ

平成27年度国土地理院防災アプリ賞を受賞しました。最大3カ所の登録地域の災害情報を通知します。災害発生時には、設定地域の自治体から発信される災害情報、避難指示、避難所開設情報などを受信できます。

【2】気象情報アプリ

(1)気象情報アプリ:Yahoo!天気

雨雲や台風の接近がわかる気象レーダー搭載の天気予報アプリです。6時間先までの雨雲予報、台風レーダーなど便利機能を多数搭載しています。

(2)気象情報アプリ:tenki.jp

日本気象協会のアプリです。現在地の天気・気温と雨雲がわかり、気象予報士の解説付きです。10カ所登録できます。

(3)ウエザーニュースタッチ天気・雨雲レーダー・台風の天気予報アプリ地震速報・災害情報付き

ウエザーニュースのアプリです。花粉量・星空・災害情報・桜の開花状況・スキー場の積雪情報まで配信します。

土嚢袋

3)自宅周りの雨水ます&ベランダ

【1】雨水ますは機能していますか

プランターやカーステップを雨水ますの上に置いていませんか。雨水ますの上はあいていても、雨水が流れる場所をふさいではいませんか。雨が降った後に落ち葉やごみが溜まる場所は、ゲリラ豪雨など短時間に大雨が降った場合に雨水の流れをせき止めてしまい、浸水被害を誘発する可能性があります。日頃からチェックしてプランターの場所を変えたり、カーステップの場所を考えましょう。ゲリラ豪雨などが予想される場合には、雨水の流れを止めてしまわないように、一時的に移動するなど浸水対策を講じましょう。

また、雨水ますの上や雨水の流れるところは落ち葉や土を取り除くなど、こまめに掃除をしましょう。

【2】ベランダの掃除をしましょう

ベランダの冠水を防ぐために、ベランダの側溝と排水口の掃除をしましょう。雨水ますと同様に、排水口をふさいだり側溝の流れを妨げることのないように、物を置く場所に気を配りましょう。

4)土のうステーションとは?

浸水を防ぐためには、浸水の危険がある場所に土のうを積んだり、止水板を設置します。

【1】土のうステーションから事前に持ち帰り、自宅で保管

土のうは日常的に設置する必要はなく、大雨が予想される時にだけ設置すれば大丈夫です。ただ、一般家庭では土のうを入手することは難しいので、自治体によっては土のうステーションを設けているところもあります。ここで確認することは、次の3点です。

・土のうステーションの場所と距離

・自宅に運ぶ場合の方法と人手

・自宅での土のうの保管場所

せっかく自治体が設置した土のうステーションを利用したい気持ちはわかりますが、ほとんどの自治体が、自宅での保管を求めています。浸水の危険性が高まってから行動するのではなく、事前に土のうを自宅に持ち帰っておき、浸水の危険性が増す前に自分たちで土のうを積むよう明記しています。土のうは5キロ袋と10キロ袋が多いのですが、自宅に保管場所があるか、どうやって誰が運ぶのか。確かめてから行動しましょう。

【2】土のうの必要量と積み方

浸水対策に土のうは一般的ですが、どれぐらいの量が必要でしょうか。出入口1メートルあたりに1段積みであれば、5キロ袋で5袋から6袋、10キロ袋では3袋から4袋必要になります。浸水が軽微と思われる場合は、この量で事足りますが、相当量の浸水が予想される場合は、幅を2列にして3段積み(高さ30センチ)が必要という専門家もいます。単純に計算して、出入口1メートルあたり、5キロ袋で最低30袋、10キロ袋で18袋になります。

設置する場合は上流から下流に向けて積んでいき、縛り口を下に下流の方へ向けておきます。設置したら上からたたいて、落ち着かせます。そして2段目はレンガを積むように土のうと土のうの隙間を埋めるように置いていきます。

【3】使用後の土のうの処理

ほとんどの自治体が土のうは返却不要としています。雨が止んでから、1週間から10日間かけて、土のうを乾かして、自宅で再び保管します。土のうステーションの横には返却場所も設置されています。この場所は、未使用の土のうを返却する所です。長期間自宅に保管して、土のう袋が傷んだものは返却できません。中の土をあけて、袋だけを自治体のきまりに従って処分しましょう。

ダンボール

5)土のうの代わりに使える物4つを紹介

土のうを利用した場合、多くの労力と保管場所が必要であることがお分かりいただけたと思います。では、土のうの代わりに利用できるものを紹介します。

【1】水のう+ダンボール

多くの自治体では、水のうの利用を呼びかけています。事前に土のうのように保管することなく、ごみ袋やレジ袋を利用して作ることが可能です。また、利用後は中の水を捨てるだけなので、処分も簡単です。

2重にしたゴミ袋に水を入れて、口をしっかり縛って、ダンボール箱に入れて出入り口にセットします。水のうだけを並べるより、強度も増し、取り扱いも簡単です。

【2】プランター+ブルーシート(レジャーシート、シャワーカーテン)

ご自宅にあるプランターを利用して、土のうを作ります。ブルーシートまたはレジャーシートを出入り口の前に広げ、プランターでせき止めるように並べておきます。このプランターをくるむようにして、シートで巻いて、ひもで縛り、プランターの隙間をシートで塞いでしまいます。

ブルーシートやレジャーシートがない時はシャワーカーテンでも代用可能です。

【3】吸水性土のう

今話題の商品で、高分子吸水ポリマーを使用した土のうです。普段は小さく軽いのですが、設置して、水を含むと膨らんで重量が増し、土のうの役割を果たします。保管場所を必要とせず、設置も楽なので、高齢者のご家庭や女性だけで作業する場合など利用されると便利です。

使用後は乾かして、再利用できるタイプもあります。ただし保管中に濡れると使用できなくなるので、保管にはご注意ください。ホームセンターやインターネットで購入できます。

【4】止水板(ボード、こたつ板)+ポリタンク(土のう、水のう)

水のうにしても、1袋はそれなりの重量があります。ダンボール箱を準備しておく必要もあります。そこで止水板をおすすめします。専用の止水板を購入されても構いませんが、自宅にあるもので代用されてもかまいません。テーブルやボード、こたつ板など、少し重量のある板を置いて、両端を水を入れたポリタンクで挟んで固定します。

止水板は設置に時間がかかりませんので、急なゲリラ豪雨には非常に効果的です。出入口前やガレージの前などに使用可能です。また、ポリタンク4個で両端を固定できますので、運ぶ時は重くて大変ですが、ポリタンクの入手方法は簡単で、保管場所も必要ありません。ただし、設置するときは2人以上で作業したほうが安全で確実です。

雨水タンク

6)雨水タンクの利用も検討しよう!

一度設置すると、日頃からチェックしながら使用することでいざというときに役立ちます。

【1】雨水タンクの購入に助成金

浸水対策で水の侵入を食い止めるだけでなく、雨水タンクを利用して貯水し、降雨時の下水道に流入する雨水の量を減らし、災害時の生活用水に利用する動きが始まっています。政府もビルの地下貯水槽の設置(雨水貯留施設)や透水性のアスファルト舗装(雨水浸透施設)を進めるなどにより、雨水の河川への流出量を抑制する施策を進めています。また、家庭用には雨水タンクの利用を促進するため設置に助成するなど支援措置を行っている自治体もあります。

【2】雨水タンクって何?

雨水タンクはポリエチレン製のものが多く、屋根から雨どいに流れた雨水を集めて貯めておくタンクです。家庭用では100リットルくらいを最初に導入される場合が多いようです。購入はインターネットやホームセンター、ガーデニングのお店でも可能ですが、取り付けは業者に依頼した方が確実です。もちろん自分で工事もできますが、雨どいから取水するときに、落ち葉やごみが混入しないようにする必要があり、業者によっても対応が様々です。信頼できる業者に依頼して、長く使えるようにしましょう。

価格は100リットルで1万円くらいからですが、取り付け工事費は別です。多くの製品が、下の方に蛇口がついています。タンク内を消毒する必要はありませんが、内部の清掃を必要とする場合がほとんどですので、メンテナンスの対応も確認しましょう。

大規模なものは、家庭用でも生活用水として、普段からトイレ用水にタンクから配水工事をすることもできます。雨水タンクの増設や、タンク内の水が少なくなった時には水道の水に自動で切り替えられるように設定することも可能です。新築やリフォームの時に相談してみてください。

【3】雨水タンクのメリットと注意点

雨水タンクのメリットは、ゲリラ豪雨などのときに雨水の流出量を減らすことができるので、浸水対策になることと、貯まった水を庭の水やりや洗車に使用できますので、節水になることです。また、災害などの断水時に生活用水として利用できます。

注意する点は、設置場所が必要になることです。スリムタイプと言ってもそれなりの大きさがありますので、サイズを確認しましょう。また、メンテナンスも必要です。先ほどもお話をしましたが、タンク内の洗浄をしないと、藻の発生などもあります。その時に排水する場所を確保しなければなりません。この時フィルターの交換や蛇口の掃除などまとめてメンテナンスを行います。

また、自分で設置した場合、雨どいの流れを悪くしてしまったり、タンクに落ち葉やごみが混入することもあります。取水口のフィルターを使用するなど対応もありますので、専門店やサイトで相談してみましょう。

雨水タンク設置の助成金は、お住いの自治体でご確認下さい。設置するタンクの大きさや費用など規定があります。インターネットでは助成金も含めて相談できるサイトもあります。

7)防災グッズ・食料や水の備蓄とローリングストック

防災グッズや持ち出し袋を準備しておられるご家庭も多いと思います。日頃からローリングストックをしながら、食料品や生活用品の賞味期限や使用期限をチェックしましょう。

浸水対策としては、準備した防災用品を濡らさないように、浸水の可能性がある所に保管しないことと、貴重品はなるべく高い所に移動することです。貴重品以外でも電子機器など、濡れてしまうと使用できなくなるものは、浸水の可能性がある時には安全な場所に移動させましょう。

部屋 浸水

8)浸水対策に関するその他のQ&A

【1】都市部の浸水で「排水口逆流浸水」っていうのを聞いたけど、何?

下水道が大雨などで排水能力をこえた場合に、逆流して家庭内の排水口などから泥水などがあふれ出ることです。トイレの場合は被害が深刻です。下水道より低い場所にあるご家庭は、記録的な豪雨の場合は、発生の確率がかなり高くなります。また、逆流しなくてもトイレが流れにくくなることもあります。

対策としては、水のうを排水口の上にのせて、塞いでしまうことです。ゴミ袋のような大型のものでなくても、2重にしたレジ袋でもかまいません。浴室の排水口や洗濯機の排水口などに設置します。トイレの場合は便器の中に水のうを入れます。そして、大雨の時間帯は生活排水をなるべく出さないようにします。

日頃からチェックすることは、トイレの流れづらさがあれば、早めに対処しておきましょう。トイレを使用した際に、ゴボゴボ音がするなどは流れづらいと思われます。大雨の時にゴボゴボ音がする時もあります。これは下水道に一気に雨水が流れ込んで下水道管内部の空気が押し上げられた時に発生します。

自治体のホームページに、ビニールホースを使った解消方法が掲載されている場合もあります。自分で行うか、業者さんに依頼して早めに解消しておきましょう。また、大雨の時だけではなく、停電により下水道のポンプが長時間停止した場合、下水道管より下の方の家庭では「排水口逆流」が発生する可能性もあります。

【2】土のうや止水板を設置するタイミングって?

ゲリラ豪雨や集中豪雨が予想される場合は、事前に対応すればよいのですが、出入り口をふさいでしまうので、できれば直前が望ましいです。降り出してからの対応は短時間で行えるもので対応しましょう。

降雨が予想され、その時間帯に浸水が想定される場所にいることが不可能な場合は、事前に設置することもできますが、周囲に留守を知らせている状態になり、防犯上好ましくありません。特に倉庫など普段無人の状態の場所は、注意が必要です。いずれにしても、浸水してからではなく、雨が降り始めたら大雨が予想される場合は土のうなど浸水対策をはじめましょう。

【3】雨水タンクは手造りできないの?

雨水タンクの手造りは可能です。雨どいの水が集まる場所に大型のタンクを設置し、フィルターとふたをつければ完成です。タンクに蛇口があれば利用する際に簡単に水をくむことができます。雨水タンクの専門店に相談すると、フィルターやくみ上げポンプなど単品の販売にも対応してくれます。

手造りするときのコツは、ふたに雨どいの穴をあける時や、タンクに蛇口を取り付ける時に最初から大きな穴をあけないで、小さめの穴をあけて、徐々に調整することです。注意する点はメンテナンスです。雨水を貯めるので、衛生管理に注意しないとボウフラが発生します。また、雨どいの掃除もこまめに行いましょう。






この記事のポイント

【1】ハザードマップで地域の特徴を知り、出入口が半地下など道路より低い場合は注意

【2】高層住宅の上層階でもベランダから浸水する可能性があるので、油断しない

【3】日頃からゲリラ豪雨に気をつけ、防災アプリ・気象情報アプリを入手しておく

【4】自宅の雨水ますやベランダはこまめに掃除をし、排水を妨げない

【5】土のうステーションを利用したり、止水板を設置するための準備をする

【6】雨水タンクを設置して、浸水対策と災害時の備えとして有効に活用する

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