2019年最新版の台風での防災知識まとめ

2018年は巨大化した台風が勢力の強い状態で複数個上陸する1年でした。しかし、気象及び防災関係者は、今後この状況は増えると想定しています。元日に台風1号が発生した2019年版の台風の防災知識で、万全の備えをしましょう。






1)過去の災害に学ぼう

【1】2018年の台風被害の特徴

2018年は29個の台風が発生し、5個が日本列島に上陸しました。中でも、梅雨前線を刺激し西日本に甚大な被害をもたらした台風7号、逆走した12号、関西地方に大規模な停電と断水被害をもたらした21号、関西の各地で過去最高潮位を記録した24号など忘れることはできません。

昨年の台風の特徴は台風の勢力が強いまま日本に接近したことです。発生する海域もより日本に近くなり、勢力を強めながら接近してきます。経験のない暴風と大雨、波浪と高潮など複数の災害が同時に襲いかかってきました。

【2】過去の災害に学び意識を変える

2018年に多くの被害が発生した関西地方では、21号に対する備えと24号に対する備えは明らかに変化があったとされます。21号の接近前に高潮の発生が指摘され、過去最高潮位を記録した伊勢湾台風並みと警告されながら、特段の準備を行わなかった関西国際空港の被害は、凄まじいものがありました。そして24号接近の際は徹底した対策を行った結果、高潮は21号より高い潮位を記録したにも関わらず、被害は最小限で抑えられました。

避難する住民の意識も変わりました。以前の災害は「自分だけは大丈夫」といった災害時に特有の心理状態に陥って避難しなかった住民が、24号接近の際には自主的に数多く避難したと報告されています。この時避難しなかった人は「避難所に自分1人だったら恥ずかしい」といったもので、21号の教訓の方が人々に大きな意識変革を与えたといっても過言ではありません。

【3】現代社会に適した防災・減災の必要性

2018年台風21号の際、伊勢湾台風並みの被害が発生すると警告され、実際の被害内容が大きく異なったことも忘れてはなりません。気象情報の精度、メディアやインターネットによる情報の拡散、多くの時間と費用をかけて行った公共工事による防災施設により人的被害は軽減されました。

しかし、電気を使用したインフラや経済活動、快適な生活環境などが破壊された被害は、想像を絶するものがありました。この他、塩害や計画的な公共交通機関の停止など日常生活を直撃する事態の発生は、現代社会の脆弱さを露呈しました。

河川の改修や道路の建設、がけ崩れの防護柵の設置など防災施設による災害対策はほぼ完成しています。今後は、災害が起こることも想定した上で、被害を最小限に抑える減災施策と、適切な災害情報の提供によって、住民の行動を変えることが必要になります。

2)台風情報を読み解こう

気象情報の中で台風に関する情報は、テレビやインターネットの進路予報で接する機会が多いと思います。では、この情報に関して、イマイチわかりにくい部分を解説しましょう。

【1】台風の進路予報と予報円

台風の進路予報は予報円を使って表されます。この予報円は予想時刻に台風の中心が70%の確率で入る範囲を示しています。従って、予報円の中心を結ぶ点線は台風が進む可能性が高いコースを表示しています。同時に暴風警戒域も示され、台風が予報円を進んだ場合に予想される暴風域に入る恐れのある地域を表示しています。

【2】進路予報から読み解く自分に必要な情報

注意すべき点は、台風の影響はこの予報円より広い範囲に及ぶことです。日本に接近する前から、海上は波が高くなります。また、暴風域の周りには強風域があり、前線は離れたところにあっても刺激されて大雨を降らせることもあります。この他台風の勢力、速度によっては予想された暴風域に長くとどまることもあります。

台風の接近時には、こまめに情報を入手し、最新の情報を的確に読み解くことで防災に活用しましょう。

雨雲と街並

3)日頃から準備をしよう

台風が近づく前に、準備するできることも多くあります。

【1】台風に備えて「マイ・ハザードマップ」の作成

ハザードマップを利用して、自宅や職場、学校などの被害予想を把握することは大変重要です。また、近くの指定避難所を確認するほか、複数の避難所を把握しておきます。台風の被害状況によっては、異なる避難所に避難する必要が発生する可能性があるからです。

また、近隣の高い頑丈な建物を確認しておきます。気象状況によっては避難所まで移動できないことも想定されます。台風に対する行動の基本は建物の中で過ごすことですが、自宅での避難に危険を感じた場合は、近くの病院や保健施設、企業の施設などに避難することも選択肢の一つです。

避難経路の把握も欠かせません。ルート確認は複数の経路を抑えると同時に、道路が冠水した場合、足元が見えません。マンホールや側溝などできる限り確認し、「マイ・ハザードマップ」を作成し、家族みんなの見える所に貼っておきましょう。

【2】家族の間で連絡方法と合流方法を確認

家族の間で連絡方法を確認しておきましょう。同時に合流場所と合流方法を確認します。連絡方法は複数の方法を確認し、必ず練習しておきましょう。いつも登録番号のボタン1個でつながる電話も、台風で携帯電話の基地局が機能しなくなった場合は使用できません。公衆電話からかける練習もしておきましょう。

また、合流方法は様々なシチュエーションを想定します。平日の昼間、休日の昼間、それぞれの夜間、家族の居場所は異なります。想定外をなくす工夫をしましょう。そして日頃から、出掛ける先を家族に告げることも心掛けてください。

【3】建物の外回りの手入れを行う

台風が近づく前に、側溝や排水口、雨どいの掃除を忘れずに行います。特にベランダの排水口は忘れがちですので、気をつけます。そして、屋根や塀、外壁などの点検や補強は日頃から行いましょう。以前の台風や大雨で気になったところはもちろんですが、経年劣化が気になる所は早めに業者に相談しましょう。

4)避難情報を把握しよう

被害を最小限にする行政の対応は日々進化しています。

【1】避難情報を確実に入手する

自治体の防災メールに登録していますか?この他、各自治体ではサイト内で多くの緊急時の情報や避難に関する情報を入手できるように改良を加えています。都道府県単位ではスマートフォン版の情報サイトも充実させています。日頃からアプリをダウンロードして、確実に地域の情報を入手しましょう。

【2】避難情報を理解し行動につなげる

避難準備情報が出た場合は、高齢者や乳幼児、障がいのある方は避難の準備をして避難を開始します。避難所への移動が困難な場合は、近隣の高い頑丈な建物に移動するか、自宅内の2階以上の高い所に避難します。できれば崖のない方、窓ガラスより離れた場所を確保します。

避難勧告が出た場合は、速やかに避難します。悪天候や夜間で外出する方が危険な場合は自宅避難になります。行政の避難情報も大切ですが、気象情報を把握し家族や自分で判断して自主的な行動により早めに安全に避難しましょう。

【3】公共交通機関の運行情報と勤務先や学校の対応を確認する

台風の接近に伴い、公共交通機関の計画的な運行停止が実施される場合があります。2018年には首都圏でも初めて実施され、日曜日だったので混乱は避けられましたが、今後も様子を見て実施すると関係機関は公表しています。

公共交通機関の運行情報の入手を心掛けるとともに、それによって、企業や学校の対応も決定されていきます。また、通勤通学途中に運行停止などが発生した時の対応も注意が必要です。無理に移動しても、帰宅困難になることもあります。台風の接近に伴う気象警報・注意報などで判断できる目安を確認しましょう。

非常階段に向かう

5)避難時に気をつけよう

台風の接近に伴い避難する場合に気をつけることをまとめました。

【1】より高く、安全なところへ

台風の接近による被害は浸水と暴風によるものがほとんどです。自宅や施設内で避難する場合は、地下より地上へ、地上より2階以上へとより高い所へ避難します。また、頑丈な建物に避難することも大切です。台風の巨大化に伴い暴風域が広くなり、最大風速も過去最高を更新した地域が多くなりました。被害の発生を少なくするためにも、より安全な場所に避難しましょう。

【2】危険な場所には近づかない

台風が接近した時には危険な場所には近づかないようにしましょう。川や用水路など流れている水には決して近づいてはいけません。想像以上の速さで流れているので、大人でも簡単に流されてしまいます。また、山や崖などの急な斜面には近づかないようにしましょう。大雨で地盤が緩んでいるだけでなく、強風で揺れ続けた樹木が倒れたりおれたりする危険もあります。

海岸近くも大変危険です。強風による高波と台風の接近による高潮で、見たこともない潮位になっています。台風が離れた場所にあっても、波にさらわれる危険がありますので、興味本位での行動は絶対にやめましょう。

【3】複数で行動し、停電の可能性があるエレベーターを使わない

避難するときには、必ず複数で行動しましょう。高齢の方や子どもは必ず手をつなぎましょう。足元に注意して、ゆっくりと相手のペースに合わせて行動します。

また、エレベーターの使用は極力避けましょう。使用中に停電した場合、閉じ込められてしまします。持ち出し品など荷物があって大変ですが、リュックサックなどを利用し両手を使えるようにして避難します。傘などは飛ばされて危険ですので、リュックサックを背負った上からカッパなどの雨具を着て、避難しましょう。

6)台風接近時の浸水対策をしよう

台風では大雨以外に高潮や、バックウォーター現象など多くの原因によって浸水被害が多発しています。万全の対策を行いましょう。

【1】家の外回りは安全な時間帯に行う

台風接近時は、早めの行動が基本です。自分の安全が確保されている間に家の外回りの風に飛ばされそうなものを屋内に取り込みます。この他、雨水の流れを止めるような、ステップなども邪魔にならないところに移動します。

浸水が心配される場合は、土のうを準備します。特に、道路より入り口が低い構造の場所は、必ず土のうを積んでおきます。止水板を使用する場合は、大雨の時以上に風で飛ばされることのないように、しっかり固定します。また、家庭にあるもので止水板の代用をする場合は、背の高いものは風圧を受けやすいので注意が必要です。

【2】家の中の対策は逆流による浸水防止

家の中で重要なことは、浸水を避けたいものは高い所に移動させます。この他、以前浸水した場所は必ず手当てをしておきます。家の外に土のうや止水板を設置した場合、避難が必要になった時の出入り口の確保を忘れないようにします。また、排水口やトイレなど逆流によって浸水の可能性がある場所は、ビニール袋を利用した簡易水のうを使って対策を行います。

【3】ダムが上流にある地域は情報入手が命綱

ダムが上流にある場合、放水に注意が必要です。2018年の西日本水害の時、愛媛県ではダムの放流によって被害が発生したといされています。激しい雨で屋外の放送を聞き取ることができず、停電でテレビなどから情報を得ることもできなかったことが原因と言われています。

現在、ダムのある地域では行政によって、放流の情報を伝える方法を様々に検討しています。住民側も行政任せにせず、情報を入手する方法を積極的に検討しましょう。自分の命や財産は自分で守ることを忘れないでください。

防災グッズ

7)持ち出し品を揃えよう

防災グッズを準備していない方も、台風による被害が毎年発生していますので、最低限の備えを始めましょう。

【1】持ち出し品は暑さ対策と雨対策が必要

台風接近時の持ち出し品は暑さ対策と、大雨対策が必要になります。台風は夏から秋にかけて日本に上陸します。停電した場合、エアコンを使用できませんので、熱さまシートなどを準備することや、下着を含めた着替えを多めに準備します。

せっかく持ち出しても濡れていては使用できませんので、ジッパーバッグなどに入れて対策をします。台風24号接近の際、はじめて避難した大阪の方は懐中電灯やラジオも持たずに避難所に行った方もありました。避難所で停電になり、自分の備えが甘かったことを痛感したと聞いています。暗い避難所で情報も手に入らず、台風が過ぎ去る一夜を何もできないまま過ごしたそうです。避難所に行けば何とかなるは甘い考えです。

【2】非常食と飲料水を必ず準備しましょう

台風の避難は短期間と思い込まないようにしましょう。断水や停電など3日間くらい被害が発生するほどの強大な台風が接近するようになりました。避難所から帰ってきても、自宅に食べ物がない状態は避けたいものです。特に台風による物流停止も忘れてはなりません。

体調不良になりやすい時期ですので、お粥や雑炊など食べやすいものも必ず準備しましょう。そして熱中症対策の水分補給ができるように飲料水は多めに準備しましょう。






この記事のポイント

【1】昨年の台風災害を教訓に、より万全の台風対策を行う

【2】台風の進路予報を読み解き、自分に必要な最新の情報を確実に入手する

【3】マイ・ハザードマップの作成や家族間の連絡方法の確保など日頃から対策を行う

【4】避難情報を確実に入手し、避難行動につなげる

【5】避難時は安全確保を最優先に行動し、危険な場所には近づかない

【6】台風接近時の浸水対策は、安全が確保できる時に行う

【7】台風接近時の持ち出し品は暑さ対策と雨対策に重点を置き、飲料水を十分確保する

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