台風直撃に備えて日頃から準備すべきリスト6選【完全版】

台風に対する備えは、直前に行うものはごくわずかです。台風対策は防災の基本です。日頃から準備をしていれば、十分対応できます。「自分は大丈夫」という甘い考え方を捨てて、余裕を持って台風に対する準備をしましょう。






1)台風に備えることは防災の基本

【1】近年の台風の状況って?

近年、海水温度の上昇に伴い、以前よりも日本に近い海で台風の発生が多くなっています。そして強い勢力を保ったまま、若しくは勢力を強めながら、日本に接近してきます。台風は雨を伴った強い風と高潮、波浪が特徴で、毎年日本各地に甚大な被害をもたらします。台風本体による被害の他に、遠く離れた地域での大雨や海上の風は、接近前から始まり、想像以上に長期間広い範囲に影響を及ぼします。

このように、台風は複数の自然災害が重なり合って、大きな被害をもたらし、その上1年間に複数個が上陸します。かえって台風の上陸に慣れてしまい、「自分は大丈夫」とか「この地域は被害にあったことがない」と勝手に思い込んでしまっています。これこそが一番恐ろしいことです。

【2】最近の自然災害は想定外の連続

「今まで経験したことがない大雨」と被害にあわれた方は口にされます。台風も勢力が強い状態で日本に接近上陸するので、最大風速も日本各地で記録を更新し続けています。台風は接近を予想することができる災害です。いつ発生するかわからない地震に比べて、対応が可能です。甚大な被害をもたらしますが、台風の通過はほとんどの場合が、それぞれの地域で1~2日です。防災の基本を押さえて、日頃から準備を進め、台風に備えましょう。

2)日頃からできる準備ポイント1:情報を集める・共有する

家族や職場、地域の人と情報を集め共有することは、防災の基本であり、日頃から準備しなければならないことです。情報を集め共有することで、人間関係を構築し、災害発生時の「共助」につながります。

【1】ハザードマップ・避難場所の確認

自宅のある場所だけでなく、家族の職場や学校の周囲も家族全員で確認しましょう。また、避難場所の確認も大切です。帰宅困難になった場合、職場や駅などにとどまるのか、その近くの避難場所に移動するのか判断を迫られることも想定しなければなりません。その際、避難場所を把握していなければ、何もできません。情報を持たないことは、行動を制限されます。

そして、災害が発生するたびに問題になるのが、指定避難場所が安全ではないという点です。避難場所の確認とともに、避難場所のハザードマップも確認しましょう。確認事項は共有する。この流れを大切にしましょう。

【2】気象・避難・生活情報の把握

台風情報は刻一刻と変化します。被害の拡大を防ぐため、台風の接近に伴い公共交通機関の運行停止がかなり早い段階で実施されます。情報は鮮度が大切です。最新の正確な情報の把握に努めましょう。台風だからといって、台風に関する気象情報だけでなく、交通機関の運行状況や生活にかかわる情報は日頃からアプリをダウンロードするなど、直前になって慌てることのないように準備しましょう。

都道府県単位で、気象情報・交通情報・避難情報・生活情報などメールで配信しています。日頃から活用しましょう。また、配信している都道府県も昨今の自然災害時の避難のあり方について、他の地域の自治体のことであっても参考にして、様々な改良を重ねています。お住いの都道府県のサイトからメール受信の方法などを確認し、登録しましょう。

【3】避難経路の確認

家族で避難経路の確認をしておきましょう。台風が接近してからでは間に合いません。日中、夜間複数の人数で確認することで、一人では気が付かないことも発見できます。また、毎日通勤・通学で通る道も確認が必要です。災害時に通行止めになった時に、う回路を把握することは運転中など困難を極めます。川沿いの道路で、急に崩落する事故も発生しています。危険を感じた時に、いつもと違う経路で移動することも想定しておきましょう。

水を飲む女性

3)日頃からできる準備ポイント2:水の確保

生きていくために必要な水を確保することは余裕がある時にやるべき事です。

【1】飲料水の確保

災害時にインフラが破壊された状態で、最も影響が大きいのは水の問題です。命にかかわります。断水は停電が原因でも発生します。生活用水も必要量が多く困難を極めますが、飲料水は別物です。特に台風が接近する季節は、まだ暑く、もし停電が原因の断水であれば、エアコンの使用もできない状態ですので、熱中症対策としても飲料水は絶対に必要です。

飲料水は成人1人当たり1日2~3Ⅼ必要とされ、できれば3日分は確保したいものです。災害対策用として長期保存水も販売されています。家庭ではスーパーなどで販売しているペットボトルの飲料水と組み合わせて、家族全員の必要量を確保しましょう。大きいサイズのペットボトルや飲みきりサイズのペットボトルと組み合わせて、直射日光の当たらない場所に保管しましょう。賞味期限も忘れずに管理し、飲料水を生活用水に回すなど、無駄のない防災対策を行いましょう。

【2】生活用水の確保

生活用水は1人1日10Ⅼといわれています。水道水をポリタンクの汲み置きや、ペットボトルに保存することで対応します。台風の対策としては長期の断水を想定していません。大げさに考えずに、2~3日分をローテーションさせる感覚で挑戦してみてください。洗濯やトイレ用水などに使って断水になった時に、困らないように練習してください。

【3】災害時給水拠点(災害時給水ステーション)の確認

現在、各自治体において災害時給水拠点(災害時給水ステーション)の整備を進め、自治体のサイトに公表しています。基本的に指定避難場所が多いのですが、念のため確認しておきましょう。給水ステーションに行く距離や経路を確認したら、給水を受け取りに行く手段を確認し、必要な用具を揃えましょう。

折り畳み式の給水タンク、キャリーなど使い勝手や大きさなど本当に使うことを考えて準備しましょう。大きいサイズは一度に多くの量を確保でき、通う回数は少なくて済みますが、高層階であれば、停電時はエレベーターの使用はできません。高齢者の方やお子さんが小さい方など、支援が必要な方は緊急時にお願いできる方を探しておきましょう。

【4】災害救援自動販売機の確認

飲料メーカー各社は、災害支援協定を結んだ自治体などに、災害救援(災害対応)自動販売機を設置しています。これは災害が発生した時に、一定期間自動販売機の中の飲料が無料で提供される自動販売機です。各メーカーのサイトに公表されていますので、確認してみましょう。

また、カップドリンクのメーカーは、お湯や水をカップ式で提供します。赤ちゃんの粉ミルク用のお湯や、薬を服用するときの水として使えるように対応しています。インフラの状況にもよりますが、ありそうでないサービスです。ご確認ください。

【参考】株式会社アペックス

傘をさす 女性

4)日頃からできる準備ポイント3:持ち出し品

基本の持ち出しセットです。各自で準備しましょう。

【1】持ち出し品リスト

・リュックサック(難燃、防水)
・懐中電灯
・ラジオ
・携帯端末用バッテリー
・簡易トイレ・目隠しポンチョ
・救急セット(救急絆創膏、常備薬)
・カッターまたはハサミ
・使い捨てマスク
・ウエットティッシュ
・ポケットティッシュ
・飲料水
・非常食
・タオル・バスタオル
・エマージェンシー毛布
・歯ブラシ
・雨具
・軍手
・ビニール袋・レジ袋
・ホイッスル

【2】持ち出し品のメンテナンス

「入れて安心・揃えて満足」にならないように「肝心の時に役立つ」ためにメンテナンスを欠かさないようにしましょう。使用期限のあるものや、賞味期限のあるものは「ローリングストック」で入れ替えましょう。

(1)懐中電灯・ラジオ

電池・使用方法及びラジオは聴きたい放送局が選択されているか

(2)携帯端末用バッテリー

フル充電されているか

(3)飲料水・非常食

賞味期限は大丈夫か

(4)簡易トイレ

使用するときのセットは揃っているか

【3】台風対策として追加する:タオル・着替え

基本のセットでは、足りないものを必ず追加しましょう。また、台風シーズンが終われば、基本のセットに戻し、季節に応じて、使い捨てカイロなどを追加してください。もちろん使ったものは補充しておきましょう。

(1)タオル、バスタオル、着替え(下着も含めてⅠセット)

濡れないように、チャック袋かビニール袋に入れる。避難時に雨に濡れることが想定されるので、多めに準備する。

(2)大きめのビニール袋

濡れたタオルや着替えを入れる準備をしましょう。

(3)うちわ

まだ暑い時期ですし、台風が接近すると気温が上がります。

5)日頃からできる準備ポイント4:非常食

基本の持ち出しセットにも入っていますが、もう少し詳しく見ていきましょう。

【1】非常食リスト

避難時のリストです。すぐに食べられるものとしては「栄養補助食品・シリアルバー・一口ようかん・個包装のお菓子・野菜ジュース」特に災害用を準備しないで、賞味期限が半年ぐらいのもので対応しましょう。台風シーズン用ですので、季節によって、入れ替えてください。

【2】ローリングストック

持ち出し品の時にも触れましたが、災害に備えることで、最も大切なことは「肝心の時に役に立つ」ということです。特に食料品は賞味期限が重要です。災害時の緊張した中で、「やっと食べられる。」その気持ちは日常生活の食事とは比べようもありません。その時に賞味期限切れでは、「逆ギレ必至」です。困難な状況での精神的なダメージは取り戻せません。

ローリングストックで賞味期限を管理しながら、「食べる→補充する」という流れを日常生活に定着させましょう。季節も嗜好も変わっていきます。赤ちゃんは離乳食など特別な時期もありますし、子どもさんは好きなキャラクターも変わります。「余分の買い置き」くらいの軽い気持ちで、「次は何にしようかな」と楽しんでください。

【3】台風対策として追加する:瞬間冷却剤

台風シーズンはまだ暑い時期です。

・野菜ジュースなど水分を多めに準備しましょう。

・経口補水液やゼリー飲料なども有効です。

衝撃を与えると保冷剤になる、瞬間冷却剤があります。保冷バッグに入れて30分くらいは使用できます。100円ショップでも販売しています。保冷バッグとセットで準備しておくと便利です。いくつか種類があり、尿素を使用せず、硝酸アンモニウムと水のみを使用したタイプのものは使用期限が最長で3年くらいで、備蓄用としてはおすすめです。

この他に、使用後は冷凍庫で凍らせて再利用できるタイプもあります。食品を冷やす以外にも解熱や火傷の応急処置などにも使えますが、お子さんの場合凍傷の状態になる可能性もありますので、タオルで巻くなど慎重に使用してください。

エレベーター 閉じ込められる

6)日頃からできる準備ポイント5:停電対策

現在の社会生活において電気は、もはや欠かすことはできません。台風でよく発生するのが停電です。復旧は早いのですが、影響は大きく深刻です。

【1】情報収集・発信

台風が接近している状況で、情報の収集はとても大切だとお話ししました。これも電気があればこそで、停電であれば、状況は大きく変わります。携帯電話はバッテリーの残量を気にしながらになります。大規模停電であれば、携帯電話会社の基地局の状況によっては電話もつながりにくい状態になります。情報収集の手段が乾電池によるラジオだけに限定されます。

発信はさらに困難を極めます。各家庭の固定電話は多機能電話機が多く、停電では何の役にも立ちません。インターネット回線を使用した電話は、ネット回線との接続が前提条件ですので、これも使用不能です。接続業者によっては蓄電池を準備していますので、ご確認ください。情報発信ができないことはかなり危機的状況です。救助を求める方法を失うからです。携帯電話だけが唯一の情報発信ツールになってしまいます。

【2】断水・熱源を失う、エアコンの停止

集合住宅であれば、給水システムが止まり、断水になります。キッチンの熱源をIH調理器にされているご家庭では、調理をすることはできません。また、エアコンも使うことができません。台風の時に気温は上昇しますし、湿度も高くなります。

全ての電気製品及び電気設備が使用不可能になってしまいます。エレベーターの停止も大きな問題です。移動に困るだけでなく、閉じ込めなどの事故が発生するからです。

【3】停電に対する備え

水の確保の時にお話しをしましたが、生活用水及び飲料水の確保は最低限の準備です。「ペットボトルを何本も大変だなあ」と感じられるのであれば、本数を減らしてでも備えてください。「出来るように対応する」から始めましょう。備蓄があったから助かった、無かったから困った、そんな経験の積み重ねが災害に対する備えにも反映されます。

キッチンの困りごとはどうでしょうか。カセットコンロなど代替となる熱源の確保をすることが一番手軽で、冬には鍋でもという気持ちで準備しましょう。実際、エアコンも換気もできない状態で、熱源を使用することは、部屋の温度も上昇しますし避けたいのですが、食べないで済ませるわけにもいかないので、最低限の使用にとどめられるのが無難だと思います。

夜間であれば、部屋は暗いままです。懐中電灯を使用するとかローソクやキャンドルなどで灯りを確保することになりますので、準備しましましょう。案外忘れてしまうのがマッチやライターです。ローソクやキャンドルを使用するつもりであれば、セットにして準備しましょう。くれぐれも火事にならないように火の取り扱いにはお気を付けください。この他に、バッテリー内蔵型LED電球もあります。停電時には外せば懐中電灯になるものです。自宅の照明器具に使えるか、口金などを確認してください。停電時には役立ちます。ご検討ください。

【4】自動車から給電する

ハイブリッドカーの代表トヨタのプリウスPHVは給電が可能です。アクセサリーコンセント(ヴィークルパワーコネクター)を搭載した車両であれば、電源供給システムとして利用できます。家庭用と同じコンセントのAC100V1500Wが設置してあるので、その容量以内であれば、同時に使用できます。例えば炊飯器は500Wです。一緒に携帯電話やパソコンの充電も可能です。

電気自動車の日産リーフはもちろん給電可能です。その他のメーカーもPHVいわゆる、家庭用の電源プラグから充電できる車両は給電システムとして機能します。ご確認ください。そしてお試しください。

7)日頃からできる準備ポイント6:体調に不安のある方

【1】気管支喘息やリュウマチ・偏頭痛などの持病がある方へ

台風の接近に伴い、気管支喘息やリュウマチ、偏頭痛などは症状が悪化することがよく知られています。かかりつけの医師に、対応策や薬など事前に相談しましょう。処方箋が必要な医薬品も多いので、用法用量を間違えないように、かかりつけ薬剤師にも相談しましょう。症状が悪化した時の緊急連絡先は「命のダイヤル」です。本人はもちろん、家族の携帯電話にも登録し、日中、夜間、休日などいろいろな場面を想定して、事前にかかりつけ医師と相談し、確認しましょう。

また、避難するときには処方薬、普段症状を記録しているもの、おくすり手帳、健康保険証など、もし体調が悪化した場合に、かかりつけ医師以外にスムーズに緊急受診できるように、準備しましょう。

台風の接近時は体調が悪化しやすいので、ぎりぎりまで我慢せず、早めに家族や周りの人に伝え、適切な対応が出来るようにしましょう。家族や周りの人も受診のための移動方法や入院準備を念頭に行動しましょう。

傘を差す人々 横断歩道

8)台風の準備に関するQ&Aコーナー

【Q1】台風対策は防災の基本ってどういうこと?

台風は強風を伴う強い雨が特徴で、高潮も発生します。自然災害は様々なものがありますが、気象に関するもので雪害を除くと、ほぼ強風と大雨が原因に集約されます。つまり、台風に対する備えができれば、それ以外の災害にはほとんど対応可能ということです。これが「台風対策は防災の基本」といわれる所以です。まして風と雨の複合災害です。どちらか一つでも甚大な被害をもたらしますが、両方に対応できれば、災害に対する備えとしては合格といえると思います。

もちろん台風の進路によっては、比較的軽微なもので済むこともあるのですが、昨今は離れた地域での大雨や、想定外の迷走台風も多発します。1年間に複数回の台風を経験することで、対策として追加やレベルアップも可能です。経験は蓄積です。他者の痛みを我がものとし、できるだけ被害を発生させないようにしたいものです。

【Q2】どうして日頃から準備するの?

情報を集めている最中に停電になった場合、あなたは落ち着いてその続きの作業をできますか。家族は落ち着いていられるでしょうか。「早く何とかしたい。」「この状態はいつまで続くのだろうか。」と不安になります。連絡が取れない家族がいるとき、携帯電話のバッテリー残量を気にしながら、何ができますか。

準備や備えは、精神的な余裕がある時に行って、はじめてミスなくこなすことができます。アイディアもどんどん浮かんできます。窓の外の荒れ狂う景色を見て、落ち着いていられる人は少ないと思います。事前に集めた情報と知識があってこそ、その場にふさわしい決断もできますし、変わりゆく状況に対応もできます。

日頃から準備することで、無意識に防災の情報が入ってきます。今まで何気なく見ていたものが、「あっ、災害対応自販機だ」と気が付いたりします。案外子どもさんの方が見つけるのが上手だったりします。災害で全てを失うのか、被害を最小限に食い止めるのか、防げるものなら、守れるものなら、そう思いませんか。






この記事のポイント

【1】台風に対する備えは、日頃から余裕をもって準備を進めて防災意識を高める

【2】情報を取得するためのアプリは事前に入手する。情報は共有し、共助につなげる

【3】断水対策、停電対策は日常生活に取り入れる

【4】持ち出し品や非常食はローリングストックで賞味期限切れを防ぎ、台風に対応したものを準備する

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