巨大台風の対策に!見落としてはいけない11個のこと

ここ数年、巨大な台風が日本各地に大きな被害をもたらしています。農作物の被害だけではなく、交通機能のマヒや建物の損壊、人的被害が出ることもあります。巨大化する台風に対して、被害を最小限にするためにはどのような対策が必要でしょうか。






1)台風が巨大化するのはなぜ?

東京大学や関係機関の研究では、今世紀末には台風の規模は現在の1.2倍になると予測されています。一つ一つの台風は巨大化する代わりに、発生数は減少すると考えられています。

【1】巨大化の原因は地球温暖化

(1)台風ができる仕組み

海の上で湿った暖かい空気が上昇して雲ができます。この雲ができるときに熱を出し、周囲の空気を温めます。温められた空気は軽いので、気圧が低下して低気圧を形成します。海水付近では低気圧の中心に向かって湿った暖かい空気が渦を巻きながら吹き込み、上昇しながらさらに雲を生成して大気を温めます。これを繰り返すことで中心気圧はさらに下がり、回転が速くなって台風へと発達します。

(2)海水温の上昇で台風は大きくなる

海水温が上昇することで水蒸気の量が増えて、雲の高さが高くなります。雲が高くなった分、大気はより温められて軽くなります。高くなった雲の周りと台風の外側の気圧差が大きくなることで、強い風が吹き込むようになります。この仕組みによって台風の強風域が拡大し、巨大化すると考えられます。

この状態は、気圧配置図で見ると台風の等圧線の間隔が狭くなっていることで表されます。等圧線の間隔が狭いほど、強い風が吹き込むといえます。

【2】巨大台風の有効利用?

台風の大きなエネルギーをただ素通りさせずに、利用しようとする試みがあります。台風のエネルギーを電力に変換し「台風発電」をして役立てようというものです。

国土交通省の試算では、大型の台風1個がもつエネルギーは、日本の総発電量の50年分に相当するともいわれています。すでに実用化に向けて取り組んでいるベンチャー企業も存在し、注目を集めています。

台風の雲 上空から撮影

2)意外と知らない?台風に関する用語を解説!

気圧配置や台風に関する用語を理解して、防災気象情報を有効に活用しましょう。

【1】台風に関する用語12選

(1)熱帯低気圧

熱帯または亜熱帯地方に発生する低気圧の総称で、風の弱いものから台風のように強いものまであります。気象情報などで用いる場合は、台風に満たない、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s未満のものを指します。

(2)台風

北西太平洋にある熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s以上のものを指します。

(2)台風の目

台風の中心付近で風が弱く、雲が少ない部分を指します。

(3)予報円

台風や暴風域を伴う低気圧の中心が一定時間後に到達すると予想される範囲を円で表したものです。台風や低気圧の中心が予報円に入る確率はおよそ70%です。

(4)強風域

台風や発達した低気圧の周辺で、平均風速が15m/s以上の風が吹いているか、地形の影響などがない場合に吹く可能性のある領域のことです。通常その範囲を円で表します。

(5)暴風域

台風の周辺で平均風速が25m/s以上の風が吹いているか、地形の影響などがない場合に吹く可能性のある領域の言葉です。通常その範囲を円で表します。

(6)暴風警戒域

台風の中心が予報園内に進んだ時に、暴風域に入る恐れのある領域のことです。

(7)台風の上陸

台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸に達した場合を言います。

(8)大型の台風

風速15m/sの半径が500㎞以上、800㎞未満の台風を指します。

(9)超大型の台風

風速15m/sの半径が800㎞以上の台風を指します。

(10)強い台風

台風の災害風速が33m/s以上、44m/未満の台風を指します。

(11)非常に強い台風:

台風の災害風速が44m/s以上、54m/未満の台風を指します。

(12)猛烈な台風

台風の災害風速が54m/s以上の台風を指します。

【2】気圧系の発達や移動に関する用語

(1)発達した低気圧

中心気圧または最大風速から見て、最盛期または衰弱期にある低気圧のことです。

(2)発達中の低気圧

中心気圧または最大風速から見て、今後中心気圧が下がるか、または最大風速が増すことが予想される低気圧のことです。

(3)急速に発達する

低気圧や大封の中心気圧が12時間以内におよそ20hPa 以上下がることです。

チェックリストと男性の手

3)普段からしておくべき対策は?5つのチェックリスト

台風は予測できる自然災害ですが、普段から気を付けておかないと、台風が接近してからでは対策が間に合わないこともあります。

【1】チェック1:強風に備えて、家の中の対策は

強風による送電線のトラブルが起こると、停電の可能性があります。停電に備えて懐中電灯と予備電池、携帯ラジオと予備電などは常に用意しておきましょう。カセットコンロとカセットボンベも用意しておけば、停電時にも加熱調理が可能です。

強風で飛ばされたものが、窓ガラスを割って飛び込んでくる可能性があります。窓ガラスには飛散防止用のフィルムを張っておきましょう。カーテンは二重にかけ、長めにしておくのが有効です。屋根や外壁、排水溝なども普段から点検しておき、痛みがあるところはそのままにせず修理・補強をしておきましょう。

【2】チェック2:避難場所と避難経路の確認を

自宅周辺と職場や学校のある地域など、自分や家族がよく立ち入る場所についてはハザードマップを確認しておきましょう。近くに河川がある、低い土地で浸水の可能性が高い、土砂災害の可能性がある、などの場合は早めの避難を考える必要があります。避難所と避難経路を確認しておきましょう。

【3】チェック3:ご近所の人たちとの関係づくりと、家の周りの危険をみつけておく

高齢者だけの世帯や小さな子供がいる世帯などは、災害時に支援の手が必要なことがあります。日頃から近隣や地域の人たちとの関係を作っておくことで、いざという時には助け合うことができます。自宅周辺の建物や看板、街路樹など、台風による強風で壊れそうなものがないかを確認しておきます。公共の物であれば行政に修理や補強の相談をしてみましょう。水害や土砂災害のリスクが高い地域では、避難訓練を実施しておくことも大切です。

【4】チェック4:非常持ち出しリュックの準備

地震などの自然災害の時と同様に、リュックに3日分の飲料水や食品をリュックに準備しておきましょう。懐中電灯、ラジオ、予備電池、常備薬、タオルなど、余裕をもって避難ができるように、あらかじめ常備しておきます。強い雨風の中を避難しなくてはならない場合もあります。荷物が避難の妨げにならないように調整し、実際に持って歩いてみることも大切です。

【5】チェック5:家族との連絡方法と対応を決めておく

普段から災害時の連絡方法を確認しておきましょう。家族が別々の場所にいることを想定し、あらかじめ避難場所や避難経路を決めて、家族みんなで共有しておけば安心できます。

4)台風が接近する前にできる4つのこと

台風が発生して接近が予想されたら、雨や風が強くなる前に対策をとっておきましょう。

【1】家の周りを再点検する

庭やベランダ、玄関等に置いてある飛ばされそうなものは、全て家の中にしまいます。自転車やバイクなども、外に置いたままでは危険なことがあります。室内にしまうか、固定しておきます。庭木には支柱を立てるなどの補強をしておきましょう。側溝や排水溝なども、掃除して流れを良くしておきましょう。強風で飛ばされたゴミや落ち葉などが詰まる可能性があります。

【2】最新の台風情報を入手する

テレビやラジオ、スマートフォンの防災アプリなどで、台風の進路など最新の情報を確認しましょう。地域の防災無線や市区町村のホームページなどでは、より詳しい地域の情報が得られることがあります。特に上流にダムがある場所は、ダムの放流により河川の水量が急激に変わることがあります。防災気象情報と合わせて、避難勧告などの地域の情報にも注意しましょう。

【3】窓の補強、雨戸やシャッターを閉める

必要に応じて窓の補強をし、雨戸やシャッターを閉めます。ただし、まったく外が見えなくなっては状況確認ができないので、周囲の建物や家の向きなどを考慮して安全と思われる窓や扉は、台風が最接近

するまで開け閉めができるようにしておき、外の状況を確認できるようにしましょう。

【4】浸水対策

河川の近くや低い土地など、浸水被害のリスクが高い場合は、貴重品や家電を家の中のより高い場所に移動しておきましょう。使用していない家電のコンセントは抜いておきます。

避難で自宅を離れる場合は家中のコンセントを抜き、ブレーカーを落としてから避難をしましょう。

防災無線

5)台風の接近中にできることは?

台風の接近中は、外に出ることは非常に危険です。特に用水路や河川、海岸の近くなどの様子を見に行くことは絶対にやめましょう。日が落ちて暗くなってからは危険が増します。夜間に台風の最接近が予想される場合は、明るいうちに避難することを考えましょう。

【1】避難勧告に従う

市区町村から出される避難勧告には従いましょう。「避難準備・高齢者等避難開始」が出されたら、避難に時間を要すると思われる場合は、躊躇なく避難を始めましょう。周囲の状況を確認し、避難勧告や避難指示が出されていなくても、危険を感じたら自主的に避難を始めましょう。

【2】避難するとき

避難をするときは、ガスの元栓を閉めて電気のブレーカーを落とし、戸締りを確認しましょう。

(1)避難するときの服装

頭を守るためヘルメットを用意しておきましょう。傘ではなく、雨合羽を用意します。リュックの上から着られるものもよいですが、ポンチョタイプで風を受けてしまうものは危険なこともあります。体に合った雨合羽を選びましょう。長袖・長ズボンを着用し、履きなれている底の厚いスニーカーなどを履きます。長靴は、中に水が入ってしまうと重くなるため、かえって危険なことがあります。状況によって判断しましょう。

(2)避難する際に注意すること

避難は明るいうちに、できるだけ複数人で行動しましょう。浸水が始まっている場所は通らないようにします。マンホールや側溝などは逆流していることもあるため、大変危険です。

外に出ることがかえって危険な場合は、近所の頑丈な建物に避難したり、自宅内の高いところに避難します。命を守ることを最優先として、命の危険を感じた場合は、消防や警察、自治体に救助を要請しましょう。

6)巨大な台風の対策に関するQ&A

【Q1】台風の目が通り過ぎればもう大丈夫?

台風の目は台風の中心付近で、風が弱く雲が少ない部分です。台風の目に入っているときは、いったん雨風がおさまることがありますが、台風の中心が移動すれば再び暴風域に入ります。台風の進路に注意して、安全な屋内で過ごしましょう。台風が通り過ぎても、周囲の前線や気圧配置によって、強い雨や風が継続することもあります。すぐに気を緩めずに、防災気象情報などには注意しておきましょう。

【Q2】台風の名前は誰がつけるの?

平成12年(2000年)からは、日本を含む14か国などが加盟する、台風委員会がつけることになりました。北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には、同領域内で用いられる固有の名前を付けることになっています。例外もありますが、発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に繰り返して用いています。

【Q3】塩害って何?

主に沿岸地域に起こる被害です。台風によって大量の海水がしぶきとなってかかることで、海水の塩分が残り、被害につながることがあります。農作物では枯れてしまうこともありますし、送電線などから火災につながる危険性もあります。






まとめ

【1】台風が発生したら、防災気象情報に注意し、進路予報など最新の情報を確認しましょう。

【2】普段からハザードマップを確認し、予想される被害について、家の中や家の周囲の対策をとっておきましょう。

【3】台風が接近する前に、家の周りを片付けておきましょう。余裕を持って避難ができるように、準備を整えておきましょう。

【4】台風の接近中は外に出ないようにしましょう。危険を感じたら、躊躇せず早めの避難を開始しましょう。

【参照】

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54553?page=2

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/haichi2.html

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