4大知識!耐震対策として最新の知恵まとめ

首都直下地震や南海トラフ巨大地震など大地震の被害を最小限に食い止め、建物の損壊や倒壊から命を守り、二次被害を防ぐためにも必要なのが建築物や住宅の耐震化です。自宅や周辺の建物は大丈夫でしょうか?知っておきたい耐震対策についてまとめます。






1)耐震とはどういうことか?

耐震とは、建築構造物や土木構造物が地震の際に、破損や損傷を受けることを避けるためにとる措置のことをいいます。大地震が起きた時にその建物の居住者または利用者の生命を守ることを目標とし、たとえ建物に損傷があっても安定性を損なわないようにすることが必要です。

【1】命に関わる、建物の倒壊・崩壊

1995年1月に起きた阪神・淡路大震災では、亡くなった方の約9割が建築物の倒壊や家具などの転倒によるものであったといわれています。その後の調査で、被害の大きかった建物は昭和56年以前に建てられた、耐震基準を満たさない建築物に集中していたことがわかっています。

【2】大地震に備える、耐震化の促進

これまでの震災の調査・研究から、2013年11月25日に改正された耐震改修促進法に基づく国の基本方針において、住宅の耐震化率及び多数の者が使用する建築物の耐震化率を2020年までに、少なくとも95%にすることを目標としています。そして2025年までには、耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標としています。

住宅模型を手で守る日本人

2)建物の耐震

建造物の耐震とは、どのように決められ管理されているのでしょうか?

【1】耐震基準とは?

一定の強さの地震が起きても倒壊または損壊しない建築物が建てられるように、耐震基準が建築基準法で定められています。耐震基準は大地震が発生するたびに改正されてきました。1978年の宮城県沖地震を受けて1981年6月1日に大幅改正された耐震基準がターニングポイントとなり、この改正以前を旧耐震基準、以降を新耐震基準と呼びます。

(1)旧耐震基準

1981年(昭和56年)5月31日まで用いられた基準です。「震度5強の地震で建物が倒壊・崩壊しない」という条件が定められています。言い換えると、旧耐震基準に基づいて建てられた建物は震度5強程度の地震で、建物が倒壊はしていなくても、建物の各部分が損傷する可能性があるということです。また旧耐震基準では、大規模地震についての記述は何も定められていませんでした。

(2)新耐震基準

1981年(昭和56年)6月1日以降に用いられている基準です。震度5強以上の地震でほとんど損傷しないことに加えて、震度6~7に達する程度の地震で倒壊・崩壊しないという条件が定められています。2016年4月の熊本地震では、新耐震基準による建物の倒壊は7.6%だったというデータがあります。大規模地震を想定した新耐震基準において7.6%の倒壊率をどう見るか、今後さらに耐震基準が強化される可能性も予想されます。

【2】耐震・制震・免震の違いは?

それぞれ建築物に対する地震の対策ですが、その内容、方法は異なります。

(1)耐震

建物の基礎を固めることで強度を高くする技術です。建物全体で地震のエネルギーを受け止めて、揺れに対して耐えます。地震の大きさに相当する大きな揺れは生じるため、建物自体に破損や倒壊がなくても、建物の中の物は落ちたり倒れたりします。

(2)制震

建物の建築時に制震材を組み込むことで地震の揺れを吸収する技術です。建物が揺れにくくなり、倒れにくくなります。制震材にはいろいろな種類の物があり、使用する制震材によってその効果は変わります。

(3)免震

建物と地盤の間に免震装置を置くことで、地震のエネルギーが建物に伝わらないようにします。一般的に使用される免震装置は積層ゴムやローラーベアリングで、安全性が高いといわれています。

【3】新しい耐震対策の技術

今後起こる可能性のある大きな地震に備えるための、新しい技術も開発されています。

(1)超制震住宅

建物の建築時に制震テープを用いることで建物が地震のエネルギーを吸収し、建物全体が地震の揺れに対して粘り強くなります。複数回の大きな揺れに対しても建物の変異が抑えられるといわれています。

(2)エアー断震住宅

地震の揺れを感知するとコンプレッサーが作動して、建物の基礎とその下のコンクリート板の間に空気を送り込み、建物を浮上させる技術です。地面と建物が離れる(浮上する)ため、地震の影響を受けません。まだ一般的に浸透している技術ではないようです。

ダイニングで家の模型を持つ男性

3)耐震診断と改修

自宅の耐震について心配なときは、どのように調べたらよいのでしょうか?

【1】耐震診断とは?

建築士などの専門家が、建物の壁の強さ、バランス、接合部の状況や劣化状況などを調査・検査し、総合的に耐震性を評価したうえで、耐震改修の必要性について判定します。

【2】耐震診断の流れ

耐震改修促進法に基づく耐震診断ができるのは、建築士か国土交通大臣が定める講習を修了した者と定められています。自宅のある地域の市区町村の担当窓口に問い合わせるか、耐震改修支援センターのウェブサイトから建築士事務所を探してみましょう。また耐震診断にかかる費用については、国や地方公共団体による助成制度が受けられる場合があります。助成制度についても、自宅のある地域の市区町村の担当窓口に問い合わせてみましょう。耐震診断の流れは次の通りです。

1.予備調査:設計図書や計算書、増改築などが分かる資料を用意、提出します。

2.本調査:現地で構造躯体や非構造部材・設備機器などを実際に見て調査します。コンクリートや手金を採取する調査なども実施します。

3.耐震性の評価:予備調査、本調査の情報をもとに、耐震性能を評価します。

【3】改修が必要なときは

耐震診断の結果、倒壊の可能性があると判定された場合は耐震改修工事が必要です。その場合は、建築士などと一緒に耐震改修計画の策定や設計を行います。耐震改修工事の費用についても、国や地方公共団体による助成制度が受けられる場合があります。自宅のある地域の都道府県または市区町村の担当窓口に問い合わせてみましょう。

4)家の中の耐震

家の中の重い家具や背の高い家具は、耐震マットや固定金具を利用した耐震対策が必要です。大震災の場合、家具や家電は凶器になります。

【1】家具の転倒や落下の防止

大きな家具の転倒や落下物による怪我を防止するために、必ず対策をしておきましょう。

(1)本棚、タンスなどの大きな家具

L字金具で壁に固定するのが有効ですが、固定する壁の強度を確認する必要があります。壁に固定できない場合は、支え棒(突っ張り棒)と滑り止めシートなどを併用するとより安心です。背の高い家具で上下に分割できるタイプの物は、つなぎ目も金具で固定しておきましょう。

本棚の場合、本の飛び出しを防ぐために、本の滑り止めテープを貼ったり、紐やゴムを渡しておくなどの対策が必要です。

(2)食器棚

扉が勝手に開いてしまわないように、留め金をつけておきましょう。棚板には滑り止めシートを敷いておきます。扉がガラスの場合は、ガラスの飛散防止シートを貼っておきましょう。

(3)テレビなどの家電

できるだけ低い位置に置くようにしましょう。付属の固定具がある場合は活用しましょう。滑り止めシートなどを併用すればさらに安心です。家電製品の近くには、水槽や花瓶など水の入ったものは置かないようにします。

(4)照明器具

天井吊り下げ型の照明器具は、鎖と金具で数か所を止めておきましょう。揺れが大きい場合、落下の危険があります。照明器具の形によっては蛍光管が落下する危険もあります。蛍光管を耐熱テープで押さえておくと安心です。

【2】安全なスペース作り

家具・家電の耐震固定は有効ですが、大きな地震が起きた場合には想定外のことが起きるかもしれません。小さな子供やお年寄りがいつもいる場所や寝室には、できるだけ家具や物を置かないようにしましょう。倒れやすい家具や飛んでくる物が無いのが一番安心です。

住宅 耐震

5)耐震対策に関するその他のQ&A

【Q1】学校や病院などの耐震は大丈夫?

学校や病院など不特定多数の人が利用する大規模な建築物は、耐震診断の実施と結果の報告が義務付けられています。所在地の都道府県や市区町村に問い合わせるか、ホームページに掲載されている場合もありますので確認してみましょう。

【Q2】Is値って何?

Is値とは耐震指標のことです。耐震改修促進法ではIs値が0.6を上回ると、地震の振動及び衝撃に対して倒壊や崩壊の危険性が低いことの目安とされています。

【Q3】ブロック塀は耐震診断されてないの?

2018年6月大阪北部地震で小学校のプールのブロック塀の倒壊により犠牲者が出たことから、1981年以前に作られた公共施設などに設置されているブロック塀について、耐震改修促進法に基づく耐震診断が義務付けられました。






まとめ

【1】大地震に備えるには、新耐震基準に基づいて建てられている必要があります

【2】建築物の耐震対策にはいろいろな方法があり、新しい技術も開発されています

【3】1981年5月31日以前に建てられた建造物は耐震診断を受け、必要な耐震補強などが進められています

【4】建物自体の耐震だけではなく、建物の中の家具や電気製品・その他の物についても耐震対策が必要です

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