完全版!登山のお供に常備したい非常食リスト9選

近年の登山ブームで、年齢や性別にかかわらず登山を楽しむ人が増えています。しかし、大自然が相手の登山に油断は禁物です。「いざというときの備え」という考え方は災害時と同様といえます。登山のお供に適した非常食についてご紹介します。






1)登山時の食料にも4つの種類が?

登山時に食料は必ず持参するものですが、山での食料はその目的によって呼び方があります。その定義について「山の用語なんでも辞典」(山と渓谷社)から一部引用して説明します。

【1】日常食

日常食とは、朝・昼・夜の食事のことです。

【2】行動食

行動食とは、行動中の空腹を満たすための食料のことです。

【3】予備食

予備食とは、日常食に余裕を持たせるための食料のことです。

【4】非常食

非常食とは、日常食、行動食、予備食の全てを使い果たしたときのための食料のことです。

2)登山時の非常食とは?

「非常食」と聞くと災害時の備蓄食を想像する人が多いと思いますが、「非常事態に備える食料」という意味では、当然登山時には必要です。

【1】登山に非常食が必要な理由

山を登るということは、自ら危険をはらむ大自然に入っていくということですから、日常生活よりも非常事態に陥るリスクは高いはずです。近年の登山ブームで登山者が増えていることもありますが、「遭難」のニュースもしばしば聞かれています。

「自分は大丈夫」という意識は捨てて、自分にも遭難や事故に合う可能性があることを意識し、万全の備えをしたうえで登山を楽しみましょう。

【2】非常食の考え方

登山時に起こる非常事態にはいろいろなことが想定されます。たとえ日帰りの登山であっても、天候の急変や体調不良、怪我、道に迷う、などが起こる可能性は稀ではありません。

持参した食料は予定通りに食べ終えて、さらに予備の食料として持参するのが非常食ということになります。

【3】どんな食品が適当か?

計画通りに無事に下山ができれば、非常食には手を付けずに済むはずです。次回の登山に持っていけるように、賞味期限の長いものが適しています。

【4】必要な栄養素は?

非常事態には消化・吸収がよく素早くエネルギーになる、糖質がメインのものが良いでしょう。

(1)糖質

どのような非常事態においても、まず必要なのがエネルギーです。糖質は消化・吸収に優れ、体内で素早くエネルギーになります。十分なエネルギー補給は体力の維持だけでなく、体温の保持や怪我の回復にも重要です。食品としては、ごはん・パン・麺など主食にあたるものや、クッキー・ビスケットせんべい類、甘いものなどです。

(2)脂質

脂質は1gあたりのエネルギー(カロリー)が高いので、少量で効率よくエネルギーの補給ができます。脂質を多く含む食品は、ナッツ類、揚げ菓子(ドーナツや揚げせんべい)などがあります。脂質は酸化すると体に悪影響を及ぼすことがあるため適切な環境で保管し、賞味期限を守るようにしましょう。

(3)たんぱく質

たんぱく質を多く含むのは、主に動物性の食品です。怪我の回復には欠かせません。チーズやビーフジャーキー、小魚などがあります。

【5】必要な量は?

持参する非常食量は、日帰りなら1食分、縦走なら2日分程度を目安にし、万が一の非常事態に救助隊が到着するまでの1日から数日分と考えます。登山計画の内容によっても異なり、多ければ安心というものではなく、重くなれば登山の際の負担になるのでよく検討しましょう。

登山をする男性

3)登山の非常食に必要な4つの条件

効率的な非常食には、いくつかの条件があります。

【1】条件1:長期保管が可能

登山が計画通り進み、無事に下山した場合は使用しないはずのものですから、次回以降の登山にそのまま使用することができます。そう考えると、賞味期限の長いものであれば買い替えが少なくて済みます。

【2】条件2:軽い・かさばらない

登山は食料の他にも荷物は多いものです。できるだけ軽く小さく、かさばらないことは非常に重要なポイントといえます。商品によっては外箱や外包装から出して、適量だけをパッキングすることも有効ですが、その場合は賞味期限がわからなくならないように注意しましょう。

【3】条件3:調理不要

非常事態に食べることが前提ですから、加熱も水も不要で、開封するだけで食べられるものが適しています。場合によっては怪我をしていたり、手が使えない状況もあるかもしれません。開封しやすく、片手でも食べられる形状のものを用意しましょう。

【4】条件4:ほかの食料とは分けておく

日常食・行動食・予備食と非常食は分けてパッキングしておきましょう。非常食は複数回使用することを考えて、つぶれたり包装が破れたりすることがないように、チャック袋やプラスチックケースなどに詰め合わせておきます。

容器の色を変えて目立つようにしておけば、非常時にも慌てずに取り出すことができます。

4)登山のお供に適した非常食4選

では、具体的な食品について紹介します。

【1】栄養調整食品

これだけで、バランスよく多くの栄養素を摂ることができます。

(1)クッキータイプ

「カロリーメイト」「バランスパワー」「ソイジョイ」などバータイプのものは、パッケージを破けばすぐに食べることができます。エネルギーに加え、ビタミン・ミネラルも摂取できます。味の種類も豊富なので、好きな物を選ぶことができます。中でも、登山の非常食としてピッタリなのはカロリーメイトのロングライフです。味はチョコレート味のみですが、3年間の長期保存が可能です。

(2)ゼリー飲料

「ウイダーインゼリー」「アミノバイタル」などのドリンクタイプは、水分補給も同時にできます。フタをしておけるので、少しずつ頻回に摂ることができます。

【2】ようかん

スーパーやコンビニでも手軽に買える、袋に充填された練りようかんが適しています。袋を開けてすぐに食べられることと、適度な水分があるため飲み物がなくても食べやすく、季節を問わずにおいしく食べることができます。災害用の非常食として開発された井村屋の「えいようかん」は、5年間の長期保管が可能で登山の非常食にも適しています。

【3】チョコレート

どこでも買えて価格も安く、少量で高エネルギーです。「スニッカーズ」に代表される、チョコレートバーは、袋を開ければワンハンドで食べることができ、より多くのエネルギーを摂ることができます。

キャンディタイプのチョコレートは、プラスチックのボトルに詰め替えておけば、手を汚さずに食べることができます。ただしチョコレートは気温が高い時期は溶けてしまうため、注意が必要です。

5)登山のお供に適した非常食5つ<番外編>

上記の他にも、非常食になるといわれる食品があります。

【1】加糖練乳(コンデンスミルク)

一般的にはイチゴやかき氷にかけて食べます。少量で非常に高エネルギーです。チューブから直接吸って食べることで、手を汚さずに摂ることができます。甘いものが好きな人にはよいでしょう。

【2】行動食の延長として

日帰りハイキングなど計画の内容によっては、あえて非常食の持参が不要な場合もあります。しかしそのようなときでも、行動食を多めに用意するなどの備えはしましょう。

(1)ドライフルーツ

ドライフルーツはカリウムを豊富に含み、少量でも高エネルギーです。いろいろな種類のドライフルーツがありますが、中でもドライマンゴーは濃厚な甘みでやや水分が多くしっとりした食感のものが多いので、飲み物がなくても食べやすく人気があります。

(2)ナッツ類

脂質とビタミン・ミネラルを豊富に含みます。適度な塩味も、運動している体に大切な働きをします。子袋包装のものか、必要な分だけプラスチックボトルに入れておくのがよいでしょう。

(3)柿の種

甘いものが苦手な人に向いています。小袋包装のものか、必要な分だけプラスチックボトルに入れておくと、片手でも食べられます。また好きなナッツ類と合わせてボトルに入れておけば、同時にビタミン類も補給することができます。

(4)飴・キャラメル・グミ

エネルギー補給という点では、1個あたりのエネルギー量は少ないですが、口の中で長く味わうことができます。立ち止まらなくても食べることができます。

登山者 紅葉

6)登山に適した非常食に関するQ&A

【Q1】非常食はサプリメントでも良い?

A.多くのサプリメントの主な栄養成分は、たんぱく質やビタミン・ミネラルです。これらは、もちろん非常時にも必要な栄養ではありますが、非常時にまず摂りたいのはエネルギーです。小さくて軽量のサプリメントは携帯性が高いので、非常食というよりは行動食として持参し、登山の途中で摂取する方が有効な使い方といえます。

【Q2】山小屋があれば非常食はいらない?

A.山小屋で休憩をとりながら食べる食事は格別においしいものです。登山道に山小屋があることは非常に心強いことですが、天候の悪化や自然災害の時は、山小屋もどのような状態になるか予想できません。非常事態に自分の命を守るため、最低限の備えはしておきましょう。

【Q3】非常食にマヨネーズは?

加糖練乳と同じ理由で、マヨネーズを非常食として用いる人もいるようです。マヨネーズが好きな人は、小さめのチューブを用意するのもよいでしょう。しかし、マヨネーズの主成分は植物性の油脂であるため、一度に多量に摂取することは、健康上、日常的にはお勧めしません。あくまで非常事態の効率的なエネルギーの補給方法と考えてください。






まとめ

【1】登山の非常食に必要な条件は、高カロリーで軽く、食べやすいことです

【2】あくまでも非常事態の食料と考えて、無事に下山できた場合は持ち帰ります。次回の登山にも持参できるように賞味期限の長いものが適していますが、帰宅後は毎回、中身の状態をチェックしておきましょう

【3】無理のない登山計画をたてて、最低限の必要十分な食料の装備を検討しましょう

【4】美しい自然を守るため、ゴミは全て持ち帰ります。非常食に限らず持参する食料品については、できるだけゴミが少なくなる工夫をして持参しましょう

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